リチャード・クーの発言 (予算委員会公聴会)
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○クー公述人 財政赤字の規模がだんだん大きくなってきているというのは間違いない事実でして、これは大変懸念すべき事項でありますが、ただ、この財政赤字がどのくらい経済にとって悪いのかというのは、これは数量だけではなくて価格も見なくちゃいけないと思います。
その価格、財政赤字の価格というのは、長期金利、まさに国債の金利でありますが、これは今ほとんど人類史上最低水準ということですから、現在では全く心配する必要はない。むしろ国民は今必死に国債を買おうとしている。国民自身が買っている場合も、または簡易保険とか公的機関が、または金融機関が買っているか、間接的に買っているか、いろいろありますけれども、これだけ国債の価格が上がっているということは、今の政策はマーケットが支持している政策であるというふうに思います。
ところが、一方で危ない危ないということが余りにも広がっているものですから、すごい閉塞感が一方である。しかしマーケットは支持しているというところで、もう少しここは正しく説明をされて、そんなに心配することはない、マーケットは十分支持しているではないかということを言っていただければ、私は大分この閉塞感というのも解消されるのではないかという感じがします。
一番恐ろしい形はやはり、余りにも財政赤字が大きくなって、そのことにちょっと没頭しちゃって、金利は低くて実際は問題になっていないにもかかわらず、無理な行動を金融当局、つまり日本銀行に強いてしまう。国債を買えとか、こういう話になってしまったときに、一気に日本に対する信頼が全世界的に落ちるリスク、これは一番怖い結末ではないかという気がします。
財政赤字だけでつぶれた国はほとんどありませんが、それにおびえて金融政策を動員してつぶれた国、これはたくさんあります。中南米のハイパーインフレもみんなそうですが、そういう意味では、私は、本当に財政が行き詰まってにっちもさっちもいかない、金利が一四%あるような状況であれば、いろいろな別のことを考えなければいけないと思いますが、今全くそういう状況になっていないというときに、余り金融政策その他に無理をかけるようなことを考えるのは得策ではないのではないかという気がします。