川口順子の発言 (予算委員会第六分科会)
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○川口国務大臣 平成十三年度環境省所管一般会計予算について、その概要を御説明申し上げます。
まず、予算の基礎となっております環境政策の基本的な考え方について御説明申し上げます。
今日の環境をめぐる状況を概観いたしますと、自動車に起因する大気汚染などのように従来から解決が求められている課題に加え、近年の科学的知見の充実や社会的関心の高まりにつれて、取り組むべき環境問題がますます広がっております。
まず、地球温暖化は、人類の存続そのものに深刻な影響を及ぼすおそれのある重大な問題であり、既にその影響が海面上昇等の形であらわれ始めていると考えられますが、さらに、最新の科学的知見によれば、今後の気温上昇が従来の見込みよりも大幅なものになると予測されるなど、人類社会の基盤を揺るがしかねない状況が生まれつつあります。
また、廃棄物問題に関しては、大量の廃棄物の発生が継続していることや、最終処分場等の残余容量の逼迫、不法投棄などの不適正処理の増加といった深刻な状況が生じております。
さらに、自動車排出ガスに起因する大気汚染が大都市地域を中心に依然として深刻であることや、ダイオキシン類、環境ホルモンなどの化学物質による人の健康や生態系への影響が懸念されていることが、国民に大きな不安を与えております。
また、自然林や干潟などの貴重な自然や里山などの身近な自然が減少しており、野生生物種の多くに絶滅のおそれが生じています。
これらの環境問題は、いずれも大量生産、大量消費、大量廃棄という二十世紀を特徴づける社会のあり方に根差したものであります。
このような社会のあり方を根本から見直し、二十一世紀を文字どおり環境の世紀とすべく、新たな社会を創造していかねばなりません。
私は、この目指すべき新しい社会を、「地球と共生する「環(わ)の国」日本」と表現し、簡素で質の高い活力のある持続可能な社会の実現を目指して、百年先を見通した構造改革を進めていく決意であります。
この世紀の節目に、国民の皆様からの期待を背負って創設された環境省は、市民、企業、自治体、さらには諸外国等とのパートナーシップのもと、さまざまな壁に挑戦する行動官庁として、「地球と共生する「環(わ)の国」日本」の創造に取り組んでまいります。
以上のような認識のもと、「環(わ)の国」の実現に向けた第一歩として、次の施策に重点的に取り組んでまいります。
第一に、地球温暖化問題については、京都議定書の二〇〇二年までの発効に向けて、本年開催される予定であるCOP6再開会合で確実に合意ができるよう、国際交渉をリードしていくとともに、我が国みずからが京都議定書を締結できるよう、温室効果ガスの六%削減目標を確実に達成するための総合的な国内制度の構築に向けて全力で取り組みます。
また、来年二〇〇二年は、地球サミット後十年目に当たり、持続可能な開発に関する世界サミットが開催されることから、途上国を含む世界の環境保全への取り組みが一段と進展するよう、我が国としてもアジア太平洋環境開発有識者会議の成功を期すなどの取り組みを進めてまいります。
第二に、循環型社会の形成については、廃棄物・リサイクル関連法の円滑な施行に最大限努力するとともに、長年処理が進まず、環境汚染の懸念が高まっているポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCB廃棄物を確実かつ適正に処理するため、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案及び環境事業団法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしております。
さらに、廃棄物処理施設の整備を着実に推進するとともに、不法投棄監視体制の強化など不適正処理の防止に向けた総合的な取り組みを進めてまいります。
第三に、国民の安心と安全の確保については、大気汚染対策として、自動車NOx法に、粒子状物質に係る規制を追加するとともに、自動車を使用する事業者に対する措置を強化する改正案を今国会に提出し、また、低公害車の普及を一層促進してまいります。
ダイオキシン類や環境ホルモン等の化学物質対策については、PRTR法を本年四月から円滑に施行し、事業者による化学物質の管理の改善及び化学物質の環境リスクに対する国民の理解を促進するとともに、環境ホルモン等のリスク評価を鋭意進めてまいります。
さらに、土壌環境保全対策のために必要な制度のあり方の検討を進めます。
また、公害健康被害者の救済に万全を期するとともに、健康被害を予防するための施策の着実な推進を図ります。
第四に、自然環境の保全については、地域における多様な生態系を維持回復するとともに、自然と人間の共生を確保することは、次世代の国民に対する責務であります。
日本のさまざまな自然環境が国民の共有財産であることを国民の皆様に実感していただくため、自然環境に関する情報をITも活用してわかりやすく提供するとともに、在来種に対する影響が深刻となっている移入種の駆除対策の強化充実に取り組んでまいります。
さらに、自然と触れ合う機会の提供やそのための施設整備の促進を図ります。
最後に、環境省の体制については、地球環境保全に関する国際交渉に的確に対処するため事務次官級の地球環境審議官を設置するとともに、地域の環境の実態を迅速に把握するための体制の整備を図ることとしております。
平成十三年度環境省所管一般会計予算につきましては、以上のような基本的な考え方に立って取りまとめており、その予算総額は二千七百六十九億六千七百万円であり、これを前年度の当初予算額二千五百九十一億三千三百万円と比較すると、百七十八億三千四百万円の増、六・九%の伸びとなっております。
予算要求額の主要な事項につきましては、お手元にお配りしてある資料のとおりでありますが、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。