佐藤昭郎の発言 (外交防衛委員会)
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○佐藤昭郎君 内閣法制局長官、御苦労さまでございます。
小泉内閣ができてから大変お忙しいというふうに伺いますが、三月二十二日にもおいでいただいてお答えいただいたんですけれども、集団的自衛権について法制局と防衛庁長官に伺いたいんです。
三月二十二日の質疑で、私、いわゆる憲法九条の政府解釈、これは過去にも歴史的にやっぱりいろいろ変わってきているんじゃないか、そして内閣法制局としては、みずからが解釈について主導的に変えていったというよりは、むしろ政治の判断に従って、政府の解釈が述べられたときにそれをフォローしたり追認したりというようなことがやっぱりあったんではないか、これは集団的自衛権に限らず、個別的自衛権の定義、範囲につきましてもそういった動きがあったんではないかと、こういうことを伺ったわけなんです。そのときに、一貫していたというような御発言だったと思うんで、少しきょうは、やはり変わっているんではないかという点について御確認したいんです。
これは憲法が制定された当時の、例えば、個別的自衛権についての範囲についていろんな帝国議会における議事録等を見ますと、当時の吉田首相の発言も大分現在とは違っている、一九六〇年の安保時と違っているという感じがするわけです。
一点だけ、ちょっと時間もございませんので申しますと、例えば昭和二十一年六月二十九日には、共産党の野坂参三氏の質問に対して、質問は、「戦争ニハ我々ノ考ヘデハ二ツノ種類ノ戦争ガアル」、「一ツハ正シクナイ不正ノ戦争デアル」、「同時ニ侵略サレタ国ガ自国ヲ護ル為メノ戦争ハ、我々ハ正シイ戦争ト言ツテ差支ヘナイト思フ」、「一体此ノ憲法草案ニ戦争一般放棄ト云フ形デナシニ、我々ハ」、これは共産党はですよ、「之ヲ侵略戦争ノ放棄、斯ウスルノガモツト的確デハナイカ」というような発言に対して、吉田総理は、「戦争放棄ニ関スル憲法草案ノ条項ニ於キマシテ、国家正当防衛権ニ依ル戦争ハ正当ナリトセラルルヤウデアルガ、私ハ斯クノ如キコトヲ認ムルコトガ有害デアルト思フノデアリマス」と、そういうことで、正当防衛権を認めるということそれ自体が有害である、こういうふうに答えられて、ある意味では個別的自衛権を否定したような発言もされたわけですね。
あと、集団的自衛権のあり方等についてもいろいろなところで、例えば制限的な保有論というのが国会の中で岸総理の方から、例えば基地の提供とか施設の提供、用地の提供、あるいは経済援助というものも含めて、これは集団的自衛権と解すれば言えないこともないというような発言に対して、それをフォローするような、たしか林法制局長官だと思いますけれども、発言もあった。
こういうことを考えますと、社会的な事実、我が国を取り巻く国際情勢の変化に応じて政治が主導する形で憲法解釈を変えていったときに、法制局としてもそれをフォローあるいは追認したということ自体はあるんではないかと思うんですが、いかがですか。