加納時男の発言 (経済産業委員会)
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○加納時男君 早速、まだ調査報告を精査していらっしゃる段階だと思いますけれども、大づかみな御報告ありがとうございました。非常に参考になるお話でございました。
私の今まで調べた範囲で今のお話と突き合わせながら伺っていたんですけれども、カリフォルニアの自由化が失敗をしたから電力の自由化というものは失敗だというのは私ちょっと行き過ぎだと思うんですね。カリフォルニアの事例は二つの教訓があって、一つは、カリフォルニア独自の要因、制度設計のまずさでありますとか、今ITが非常に電力需要をふやしているというけれども、中でもシリコンバレーを中心にIT関連の産業が非常に集積しているカリフォルニア州で需要が大きくふえたというのは大臣のおっしゃるとおりだと思います。
それからまた、カリフォルニアで環境規制が厳しくて、アメリカお得意の煙もくもく出す、CO2をうんと排出する、石炭火力のウエートが、カリフォルニアでは規制があってなかなかつくれないといったことも事実だというのもよくわかります。また、メキシコからの移民を初めとして、この十年で六百万人ぐらいですか、カリフォルニアに人口が急増しているというのも私は事実だと思います。そういうカリフォルニアの特殊例は十分まず勉強しなきゃいけない。その上で、まだ公益性の極めて強いサービス部門における自由化に普遍的な問題があるのではないかということをこの事件から教訓として学べるかどうかということがこれからの論点だろうと思っています。
特に、アメリカの対日要求書、これは日本の一部の方がおっしゃっているのと全く同じものが英語と日本語で書いてあるわけでありますが、それを見ていますとびっくりすることが書いてありまして、ともかく発送、配電は分割しろ、分断しろ、アンバンドリングという言葉が使ってありまして、ぶっ壊せということであります。
カリフォルニアはまさにぶっ壊したわけで、電力会社は、トリプルAの優良な、米国でも屈指の電力会社の発電部門を分離させて、それを片っ端から売らしちゃった。一たん発電を、手足をもぎ取っちゃっておいて、そうしておいて配電会社に落としちゃって、その配電会社が電気を買うときはPX市場からスポット価格で、まさに非常にリスクの多いものしか買えない。そのスポット市場がルイジアナの天然ガス価格の高騰等を背景に急激に上がってきた。そこで、電力が非常に高いものを買わなきゃいけない。一方で、あの場合はカリフォルニア独自の話ですけれども、キャップ制といって小売価格に縛りをかけていたところもある。そこで、逆ざやで会社がつぶれちゃったというのが実態でございます。
しかし、そのアンバンドリングというのが新しい設備意欲を衰えさせていることは間違いないわけでありまして、こういった発送、配電を日本では分断した日本発送電と配電会社の大失敗を教訓として、アメリカに先駆けて行ったアンバンドリングを日本は歴史的教訓としてとらえて、今の発送、配電の一貫した安定供給を前提とした、環境対策を前提とした一貫経営でやってきたということも事実であります。これはアメリカの連中に言いますと、全然知らない、初めて聞いたというので、こういう情報はアメリカに全く伝わっていないのは極めて残念だと思いますので、これからまたアメリカにも国会の休みのときに行って、行脚をしてあっちこっちで講演して歩こうと思っております。
それはおいておきまして、そういうことで、アンバンドリングの光と影というのがありますけれども、影の部分がどうもあるんじゃないか。売れるか売れないかわからないものを発電設備に投資したり送電線に投資したりしたくないというのは資本の論理としては当然であります。
きょうは十分な議論はできないかもしれませんけれども、例えばアメリカでも成功している事例があると必ずおっしゃいます。例えばPJMはうまくいっている。これはペンシルバニア、ニュージャージー、メリーランド、デラウエアというところで、今まさに大臣がおっしゃった、一つの、カリフォルニア州みたいな単独でやるんじゃなくて、幾つかの州が連携してやってきたというところは比較的うまくいっているというんですが、この前提があって、需要の伸びが相対的に低くて、十分な高い供給予備力を持っているというところであります。
きょうはこれについてのまた議論もしたいんですけれども、時間を私守りたいと思いますので、最後に一言だけお願いを申し上げて終わりたいと思います。
きょうの議論を通じて、極めて私心強く思ったのは、大臣がもう完全自由化しかない、自由化の目的は自由化だとすると、私は完全自由化だと思います。自由化の目的はあくまでも消費者の利益、そして国民的利益であるということを私は大臣のお言葉から感じ取りました。違っていたらまた次回でも訂正していただきたいんですが、そうだとしますと、私はやっぱり国民、消費者が望んでいることは、さっき申し上げた供給の安定性もありますけれども、環境調和が何といっても大事だ、COP3の公約をなかなか達成するのが厳しい中で、何としてもエネルギー政策は環境調和、そして供給の安定性、きょうは大臣何度もおっしゃって非常に心強く思います。
そういうことを前提にして、なお競争に親しむ分野に競争の範囲を広げていくということで、まさにPJMが成功したのは、一歩ずつ慎重にやりながら、十分な供給力を見ながら、そしてPX市場だけじゃなくて、相対と自前の電源を持たせていた、それで八五%を賄っているからこそこれまではうまくいってきた。しかし、そのPJMでさえ危機だという声も私のところには入ってきています。ほうっておくと設備投資、名目はつくると言っているけれども、設備投資が減ってきそうだというので、安易な完全自由化ではなくて、自由化はもちろん進めるけれども、慎重に慎重に、一歩ずつ供給のリライアビリティーと環境適合性を見ながら進めていただきたい、これをもって質問を終わります。
ありがとうございました。