長谷川三千子の発言 (憲法調査会)
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○参考人(長谷川三千子君) 私はそういうものではないだろうと思います。
普通、伝統というふうな言葉で呼ばれるときにイメージされるのが、今おっしゃったとおり何か得体が知れないけれども大昔から何かみんながやってきたことらしい、それをそのまま引き継いでいくことが伝統であるという、そういう理解が一般的なんですけれども、私は特にこういう憲法起草というようなときに当たっては、むしろ未来を見据えて、では自分たち日本人はこれからどういう政治のあり方を理想と考えていくのか、それを真剣に、自分たちの過去を無視するのではなく、自分たちの過去を、未来を踏まえながら再検討して再解釈してつくり上げていく、それが私は恐らく正しい伝統のとらえ方だろうと思うんです。私の少なくとも、ひいき目かもしれませんけれども見る限りでは、フランスの法学思想を十分に身につけながら、なおかつ日本の古典にもしっかりとした目を向けていた井上毅という人は、そういういわば創造的な伝統というものを目指していたんだろうと思います。
そこで、では結局早い話がどういうことを日本の伝統として考えていたのか、どういう国のあり方をこれからつくっていこうと考えていたのかという問題になるわけですけれども、私はもう端的に、国民の国民による国民のための政治という、それを目指していたというふうに考えてよろしいかと思っております。