中山太郎の発言 (憲法調査会)
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○中山会長 これより参考人に対する質疑を行います。
まず、調査会を代表いたしまして私から総括的質疑を行い、その後、委員からの質疑を行います。
それでは、ただいまからお伺いをさせていただきます。
まず、参考人に、本日、大変貴重な御意見をいただいて、まことにありがとうございました。
実は、小泉内閣総理大臣が、五月九日の衆議院本会議におきまして、首相公選制について発言をされておられます。参考人も御存じのように、このような発言が行われております。
私は、この首相公選制というのは、政治の分野における規制緩和の一つだと思っております。今、国会議員だけが総理大臣を選ぶ権利を持っている、それを一般国民に開放するということでありまして、これは当然、憲法改正が必要だと思います。
その際には、天皇制の問題とか今の議会はどうあるかと、いろいろな問題が出てまいります。この問題については、私個人だけの考えではなく、憲法学者初め多くの識者の意見を聞いていくべき問題であり、また、国民的な議論を盛り上げて、多くの国民が納得できるような首相公選制がいいなという気持ちで、早急に懇談会を立ち上げて具体案を提示していきたいと所信表明に盛り込んだつもりであります。
今、私が考えるところは、当然、天皇制とこの首相公選制は矛盾しない、両立できる。そして、候補者も、県知事とか市長選挙みたいにだれでも立候補するということではなくて、国会議員から何名かの推薦を要件とするということになれば、いわゆる売名候補とか泡沫候補も阻止できるんじゃないか。
いずれにしても、議会をなくす話じゃありません。議会とこの首相公選、両立できる、天皇制とも矛盾しない制度を考えてもらいたいという気持ちで、懇談会を立ち上げて、多くの学識者の意見を聞きながら具体案を提示していきたいと思っております。
このように本会議で述べておられます。
この発言に国民は大きな関心を持っておられると思いますが、私ども当調査会の調査団は、本年八月にイスラエルへ参りまして、イスラエルのいわゆる首相公選制の状況とその経過について調査をいたしました。
イスラエルは、先生からも御指摘のように、議院内閣制、そして議院の議席は百二十、閣僚は二十八、こういうことでございまして、結局、先生の御指摘のように、首相候補者の投票と、選ばれるクネセットの国会議員のいわゆる投票の質が違ってくる。つまり、御指摘のように、ローカルな利益あるいは宗教とのつながりの深い考え方で投票が行われた結果、このようなことになって、首相が提案する法律案というものが議会でなかなか通らない。この経過を五年やってみて、今年から首相公選制を憲法改正して廃止した、こういう説明を受けてまいりました。
今ここで、小泉首相が首相公選制を我が国に導入するというお考えを明示されたわけでありますが、それには懇談会を立ち上げて意見を求めたい、こういうお話であります。
先生は、首相公選制というものには極めて問題が多いという御指摘が先ほどありました。また、大統領制を導入しているアメリカはアメリカ一国のみで成功していて、これを他の国に移植することは非常に難しいという御指摘もされたわけでありますが、日本の場合には天皇制という制度がございます。もし首相公選制を導入した場合、国家元首というもの、そして首相の権限、こういったものと、国民からあるいは外国から見て、天皇制のもとでの首相の認証ということによって、国のいわゆる代表者、国事行為を行う代表者の立場というものがどのように変わっていくのか、この点について参考人から率直な御意見をちょうだいいたしたいと思います。
よろしくお願いします。