長谷部恭男の発言 (憲法調査会)
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○長谷部参考人 どうも御質問ありがとうございます。
国民が直接総理を選ぶということで、国の基本的な政策決定にみずから参加をしていく、そういう満足感を得ることができる。国のリーダーをみずから直接決めることに参加をすることで、それで満足感なり責任感を得ることができるという考え方は確かにあり得るところかなとは思いますが、ただ、私は、満足感なり責任感なりを実現の目的として一定の制度を導入するということには、少し慎重でなくてはいけないのではないかなと思います。
と申しますのも、先ほど私が御説明したような形で首相公選制を導入いたしますと、実際には、首相の直接公選によっても、国の基本的な方針を本当に決めたことにはならないのかもしれない。確かに、一定の政策を提言した首相を直接に選んだことは選んだのであるけれども、その政策を実施する手段となる法案なり予算案なりを、議会に安定した支持が欠けているために通し得ることができないということになりますと、結局のところは、直接に国政の基本方針を決定したことにはならないのではないかと思います。ですから、そうだといたしますと、首相公選制によって得られるのは、何となく国の基本的な方針に直接参加したかのような満足感であり責任感ではあるんだけれども、それは単なる感じにとどまっていて、実質は伴っていないということになりそうであります。
そうなりますと、何となくそういう感じを実現するために、実質を伴わないような制度を導入してもいいのかどうか、そうなるリスクも十分にあるのではないかということはやはり心得なくてはいけないのかな、そういう感じがしております。