長谷部恭男の発言 (憲法調査会)
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○長谷部参考人 官僚制との問題でございますけれども、私の考え方と申しますのは、首相公選制というものを導入してしまいますと、先ほど申しましたとおり、社会全体のいろいろな利害なり意見なり価値観なりというものを集約して、それを首相とワンセットで有権者に提示する、こういう、従来議院内閣制のもとで政党が果たしてきた役割は確実に弱まると思います。どの程度弱まるかは、社会の中のほかの条件、あるいはいろいろな制度の組み方にもよりますけれども、弱まることは間違いがないだろうと思います。
そういった形で弱まってしまいますと、実際のところ、政治的な資産として政策の形成及び執行するはずの、少なくともそれを指導するはずの首相の指導力もやはり弱まっていくであろう。したがって、官僚制度に対するコントロールというものもそれほど強くはならないのではないのか、そういう懸念を持っているわけであります。
ですから、首相公選制を導入するべきなのかするべきでないのかというのは、現在の日本で、そういう社会の多様な利害なり意見なりを集約して、首相候補とワンセットにして提示するという政党の機能が強過ぎるということですと、それを弱めることには意味があると思うんですが、それがまだまだ不十分だということなのだとすると、それを今以上に弱めるには及ばない、そういう判断の分かれ方なのかな、そういう気がしております。