河内弘明の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○河内参考人 愛知県の副知事の河内でございます。
 本日は、参考人として招致いただきまして、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。本来なら知事が参りまして意見を陳述すべきところでございますけれども、ちょうどパリの方で国際博覧会の総会が開かれておりまして、そのようなことで御理解を賜りたいと存じます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 お手元に、北東地域のパンフレットの上に私の方の「愛知県説明資料」を配付させていただいております。それに基づきましてお話をさせていただきたいと思います。
 司馬遼太郎さんが国会等移転調査会の委員をされておりましたときに、日本はこれまで何回も首都機能を移転してきたけれども、移転によってプラスの結果ばかりだった、このようなことを述べておられるわけでございます。
 およそ四百年ごとに首都機能移転が行われておりますけれども、それで社会が大きく変わった。言いかえれば、首都機能は社会が大きく変わるときに移り、移転してまた社会が大きく前進していくと言えるというふうに思うわけでございます。
 したがいまして、今東京から首都機能を移転することは、経済、文化あるいは人々の意識など、あらゆる分野で変革が求められている我が国におきましては、国土のあり方、社会のあり方、そういうものを踏まえて、新たな段階へ踏み出す最も有効な手段ではないかというふうに思うところであります。
 さらに、いつ起こってもおかしくない大地震などの大規模災害等の対策、そういう危機管理の観点から考えましても、首都機能はなるべく早く移転されるべきであるというふうに思うわけであります。
 さきのアメリカの例を見ましても、あのような非常事態におきまして、社会の混乱を最小限に抑えられることができましたのも、政治と経済の中枢が分離していたことも大きな理由の一つではなかったかというふうにも思うところでございます。
 それから、この首都機能移転につきましては、早期に実現するためには、移転規模をできるだけコンパクトにすることが大切であるというふうにも思います。国や地方の財政状況は今後も厳しい状況が続くものと思われますし、また、新しい都市の建設に当たりましては、自然環境の問題が非常に重要な問題になるというふうに思うからであります。
 岐阜・愛知地域では、昨年から地域が提案する新首都構想の策定に取りかかっておりまして、この四月に中間報告をして、間もなく最終報告をしたいというふうに思っておるわけでございまして、その中間報告は、お手元のただいま説明しております資料の上に、「新しい日本の首都構想」というパンフレットとしてお配りしておりますので、また後ほどごらんいただきたいと思いますが、先ほど梶原知事さんからもお話がありましたように、この地域の周辺都市のサービス機能などを十分活用することによりまして、移転人口は二十万人程度の規模で移転が可能ではないか、こんなふうに考えておるところでございます。
 この岐阜・愛知地域は、日本の真ん中に位置しておりまして、全国からの交通の要衝になっておるわけであります。二〇〇五年には開港を予定しております中部国際空港や、第二東名・名神高速道路、東海環状自動車道等は逐次建設が進められておりますし、中央リニア新幹線などの計画もございます。
 また、首都として機能するためには、大都市の持つ高度なサービス機能や既存都市の持つ日常サービスの提供も不可欠となってまいりますけれども、御案内のように、当地域は、名古屋市を初め豊田、多治見、そういった既存都市機能を活用することができまして、それが環境の負荷を縮減し、そうしたコンパクトな移転を可能にすると考えるところであります。
 続きまして、移転に反対されております東京都の主張に関してでございますけれども、首都機能移転は、国政全般はもとより、国民の意識やライフスタイルの改革の促進、東京一極集中の是正、災害対応力の強化を図ることによりまして、よりよい日本をつくる、そういうことを目指すことでありますから、それは東京の再生にもつながる、このように思うわけであります。
 お手元の資料、先ほど申し上げました資料に基づいて、先週の委員会に提出されました東京都の資料などに関しまして若干触れさせていただきたいと思います。
 お手元にお配りしました資料「愛知県説明資料」の一ページでございますけれども、首都機能につきましては、その図にございますように、移転人口は、審議会答申の五十六万から、二十万人くらいということでございますが、特にその中で大きく縮減されると考えられるものは、サービス機能等地元で補完可能なのが十二万人ぐらいは、都市の規模も小さくなることとあわせて、カバーできるのではないかというようなこと等から、移転人口は二十万人程度で済むのではないかということでございます。
 そして、その二十万人も、周辺都市の居住ということも相当に見込まれることから、新都市そのものに居住する人口、全く新しいところで住むという方々につきましてはさらに縮減可能ではないか、このように思います。
 また、そういう、都市の規模が小さくなる、あるいは周辺での居住というようなことも考えられるというようなことを踏まえますと、建設費は、その右側にございますように、おおむね六兆から七兆円くらいのレベルで建設が可能ではないかと、最終報告はこのような報告になるというふうに思っております。
 二ページを見ていただきたいと思います。
 東京都は移転費用以外に必要な経費として広域交通網の整備費用などを示しておられますけれども、この岐阜・愛知地域につきましては、首都機能移転の有無にかかわらず、さまざまな広域交通網の整備が進められております。広域幹線道路といたしましての東海環状道路や第二東名・名神、さらにリニア中央新幹線も候補地付近を通過する予定であるわけであります。
 三ページでございますけれども、都市構造の問題でございます。
 都市構造につきましては、大きく二つ。これにつきましても、都市構造上、都市機能の効率が悪くなるのではないかというような議論がございますが、二つのゾーンを考えておりまして、北ゾーンにつきましては、先ほど梶原知事さんからもお話がありましたように、国会とか中央省庁、大使館などを適度な分散をもって集中的に配置するというようなことでございますし、それから、南のゾーンにつきましては、相対的に独立性の高い最高裁判所とか、それから我が国屈指の産業集積がございまして、技術等も集積しておりますし、あるいは周辺都市のサービス機能も充実しておるというようなことから、そうした関連の民間活動を支援するような省庁等の立地を考えていってはどうかというようなことで、地域特性を生かしながら役割分担をし、連携を強めていってはどうかというようなことでございます。
 それからまた、両ゾーンを結ぶつなぎにつきましては、道路等もございますが、例えばIMTS、いわゆる自動車の高度なシステム等も活用する道が将来的に開けてくるのではないかというふうに思っておるところでございます。
 それから、四ページでございます。
 東京都の資料では、空港の不便さがいろいろ提示されておりましたけれども、今建設中で、もう本体の用地造成がほぼ終わり、上物に着手する段階になっております中部国際空港につきましては、成田とは違いまして、二十四時間運用可能、あるいは国内線と国際線が同時乗り継ぎ可能というようなことで、便利な空港になり、さらに名古屋空港も活用できるという状況が生まれるというふうに思うわけであります。
 五ページでございますが、地震の問題につきましては、先ほど梶原知事さんが申されましたように、非常に地盤のよろしい地域でございますので、また、まちづくりの中でさまざまな工夫をしていけば非常に地震等に強い都市づくりができるのではないかというふうに思います。
 最後に、六ページでございますけれども、費用の問題でございます。
 これにつきまして、東京都は、首都機能移転の効果から費用を引くと日本全体で四兆五千億から六兆三千億のマイナスが生じるという御意見がございました。これにつきましては、やはりいろいろ計算の仕方がございます。例えば費用対効果につきましては、昨年私どもが独自に調査を行いましたけれども、その結果は、岐阜・愛知地域へ移転する場合には五兆二千九百億円のプラスが出る、そういう結果が出ております。これは、東京都から移転した、その東京都の移転跡地の効果を見るか見ないかというようなこと、あるいは移転後の新首都への訪問数をどのように考えるのかというようなことの結果、そういう数値が大きく変わっていく、違ってくるのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、こうした問題につきましては、いろいろな想定の仕方がございます。意図を持った想定等もあるわけでございますので、そこら辺につきましては、客観的なデータ分析をお願いしていきたいというふうに思うところでございます。
 最後に、昨今の厳しい経済情勢の中で、短期的な視点から移転に反対するという意見もございますけれども、昭和三十年代の後半から、この首都機能移転につきましてはさまざまな提案が繰り返され、数次にわたる全国総合開発計画におきましても、その時々に重要な論点として提起され、そして平成二年の国会決議以下、慎重な審議が進められてきておるわけでございまして、やはり国家百年の大計に立って、長期的な視点に立って検討を深めて、国民的な合意を形成していただきたい、また私どもも努力していかなければならない、そのように思っておるところでございます。
 以上であります。(拍手)

発言情報

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発言者: 河内弘明

speaker_id: 13919

日付: 2001-11-28

院: 衆議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会