平野貞夫の発言 (外交防衛委員会)

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○平野貞夫君 私は、自由党を代表して、いわゆるテロ対策法案及び民主党提出の修正案並びに自衛隊法改正案についてそれぞれ反対の討論を行います。
 テロ対策法案の真の内容は、自衛隊を敗戦後初めて戦争行為につながる協力支援活動として海外に派遣する法案であります。かつて参議院で自衛隊の海外に出動なさざることに関する決議を行った上で自衛隊法を成立させた経緯からしても、徹底した審議が必要でした。極めて多くの問題を残して採決に至ったことはまことに遺憾です。
 自衛隊という軍事力を海外へ派遣することは政治の重くて厳しい決断が必要であり、その決断を行うなら、国連のさらなる決議と集団的自衛権を初めとする我が国憲法について、従来の政府のあいまいな解釈、運用を反省し、安全保障の基本原則を明確に示した上で行うべきであります。
 平成六年十月、当時の村山首相は、自衛隊の海外派遣の基本的考え方として、戦争行為につながるものに対して自衛隊が協力することについては憲法上は許されないと政府の憲法判断を示しております。テロ対策法案はこれを真っ向から破るものです。何が何でも自衛隊を戦争行為につながる海外に派遣するために村山首相の憲法判断をないがしろにし、憲法上の位置づけも行わず、警察官と比べて驚くほど差のある諸手当で自衛隊員を海外に送り、果たして責任ある行動が果たせるでしょうか。政府のやり方は無責任と言えます。
 私たち自由党は、村山首相の憲法判断を確認し、テロ対策法案が政府の憲法解釈に反することを証明するために、国会に参考人として招致することを提案しました。自民党及び公明党が反対し、民主党からは国対の方針として協力を得ることができませんでした。
 小泉首相は、テロ対策法案の衆参両院の審議において、一貫して憲法の解釈を変更したものではないと強弁する一方で、前文と九条にはすき間があり、それを埋めるのがテロ対策法だと詭弁を弄しました。これこそ憲法解釈の変更を認めた発言にほかなりません。
 昨日、村山首相は私に電話で、自分が首相時代の発言はすべて内閣法制局の意見であり、テロ対策法案は当然に憲法上許されるものではないと、一連の政府の説明に怒りをあらわにしておられました。
 我が国の主要な政党が、自衛隊の憲法上の位置づけや海外派遣の基準という国家の基本問題をあいまい、不透明にしようとする理由が理解できません。イスラム原理主義にも問題がありますが、日本のなれ合い原理主義も世界の迷惑と言えます。
 以上が政府のテロ対策法案に反対する理由ですが、民主党提出の修正案についても、政府案のあいまいさの線上のものであり、反対です。自衛隊法改正案についても、テロ対策法案と一体の発想であり、理念のない思いつきで提出されたものであり、反対であります。
 このテロ対策法案の成立によって、日本がベトナム戦争のような泥沼に乗り込んでいく事態に立たされるとしたら、その責任はだれにあるか、それは成立に協力した人たちにあることは明確であることを申し添え、討論を終わります。

発言情報

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発言者: 平野貞夫

speaker_id: 22130

日付: 2001-10-26

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会