鈴木孝男の発言 (経済産業委員会環境委員会連合審査会)

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○鈴木参考人 ただいま御紹介いただきました自動車工業会の鈴木でございます。本日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 ここ数年、自動車工業会にとりまして、自動車リサイクル法制定問題は最重要課題の一つでございます。この間、会員会社との意見調整あるいは協議、対外折衝の窓口等、自動車工業会はいたしておりますので、そのような立場から本日は意見を述べさせていただければと思います。
 御案内のように、自動車はこれまで、使用済自動車そのものが有効な資源と考えられており、一般的に価値のあるものとして流通してまいりました。そのために約七五%程度の高いリサイクル率を維持してまいったわけですが、極めて過酷な条件の中で長期にわたり使用されるという自動車の特性にかんがみまして、鉄を中心とする金属が多用されていることから、その回収・再資源化が既存のインフラの中で実施されてきたことによるものであります。
 金属類の回収を中心に行われてきました自動車のリサイクルは、金属回収の残渣としてのシュレッダーダストが発生し、そのほとんどが埋立処分にゆだねられてまいりました。九〇年代の半ばに入りまして、環境基準の強化に即した埋立基準の強化、あるいは地域環境問題に根差す埋立処分場の新規着工の減少等によりまして、処分場の逼迫が加速され、処分費用が高騰する中で、使用済自動車の流通形態が次第に逆有償化してまいったわけでございます。このような既存の自動車リサイクルの仕組みがいわば機能不全に陥る兆しが見え始めましてから、自動車のリサイクルに対する考え方というのはかなり変わってきたのかなと思っております。
 そういった中で、自動車業界といたしましては、平成八年度から四カ年にわたりまして、技術開発面で、シュレッダーダストの減容化等、大規模な技術開発を実施してまいりました。また、平成九年には、当時の通産省が産業構造審議会の検討を踏まえまして、二〇一五年までに自動車のリサイクル率を九五%までに向上させるという目標を掲げました、いわゆる使用済み自動車リサイクル・イニシアティブを策定いたしました。これを受けまして、自動車メーカーも、みずから果たすべき役割を自主行動計画といたしまして平成十年一月に公表したところでございます。お手元に自動車工業会の自主行動計画を配付しておりますので、後ほど御参照いただければと思います。また、この自主行動計画に沿いまして、フロン類の回収・破壊事業、あるいはエアバッグインフレーターの回収・破壊実証事業なども展開してまいったところでございます。
 しかしながら、埋立処分場の逼迫あるいは逆有償化の傾向は一層強まる中で、ECにおける廃車指令の制定、あるいは循環型社会形成推進法の制定等の流れの中で、平成十二年夏に産業構造審議会におきまして、将来の制度化を視野に入れた自動車リサイクルの検討が開始されたわけでございます。二年間にわたりまして、パブリックコメントを含めまして、十数回にわたる会議が開催されたと思います。また、平成十三年には中環審の同様な検討も開始されたわけでございまして、このような審議会に対しまして、私ども自動車業界からも委員を派遣いたしまして、積極的に参加してまいったところでございます。
 また、審議会の作業に機動的に対応するために、自動車工業会の中にリサイクル特別委員会を設置したり、十二のワーキンググループをつくりまして、これら審議会の活動に積極的に参画し、審議会の活動の中で、新たな仕組みづくりが必要である、あるいは循環型社会に適応するためにリサイクルが一層必要である、そういう認識を自動車メーカーも強めてきたものでございます。
 このような議論の中で、今回、民間の活力をベースとしまして、適切な公的関与を踏まえまして、実効ある自動車リサイクルシステムをつくるという案が提案されたわけでございます。私ども、これは大変時宜を得たものであると思っております。
 さらに、この制度は、リサイクル処理の適正化、処理の高度化を目標に、現在の関係事業者の役割を明確にし、競争原理を活用する、あるいは既存のリサイクルインフラというものを積極的に活用する、そういった考えのもとにできているものと思っております。
 政府が閣議決定いたしました後、私ども、お手元にお配りしてありますように、四月十五日付でプレスリリースを発表したところでございます。これを御参照いただけますれば、この新たな政府の提案の制度のもとで、自動車メーカーといたしましては、リサイクルシステムの中心的な役割を果たすということで、人的、資金的経営リソースを投入し、トータルの社会コストの最小化に向け、特に次の五つの点につきまして積極的に対応したいということを表明したわけでございます。
 一つは、リサイクルに配慮した車づくりの推進、それから、総合的リサイクルシステム構築の推進、また、リサイクル法ができました場合には円滑な実施体制の整備に最大限努力する、また、これまでやってまいりました路上放棄車処理協力の取り組みにつきましては引き続き継続いたします、それから、今回の法律に対象になっておりませんが、リサイクルの必要性があります二輪車あるいは商用車の架装物に対します自主的取り組みを実施いたします、こういった形で、私ども自動車メーカーの取り組みの姿勢を公表したわけでございます。
 今回の法律は、シュレッダーダストを含めまして指定三品目の引き取り及び適正処理、再資源化といった義務、あるいはリサイクルしやすい設計なり原材料、部品等工夫する、あるいはリサイクルを促進するために関連事業者に情報を提供する等の自動車メーカーの責務があります。こういったものが大変重要な役割があるものと認識しております。
 また、この自動車リサイクル法のシステムを運用するためには、総合的な仕組みというのが必要なのではなかろうか。七千万台を上回る既販車あるいは毎年販売される六百万台の新車、これを対象にしまして、リサイクル費用の徴収、管理あるいは適正な支出等行う、このために、移動報告、いわゆるマニフェスト等の電子情報システムを使いまして関係する十数万の事業者を結ぶいわばネットワーク、インフラ整備が必要だろうと思っております。こういったものには私ども自動車メーカーが積極的に対応し、このような不可欠なインフラ等につきまして、産業構造審議会にもありますように、中心的な役割を自動車メーカーが負ってまいりたいと思っております。
 また、本年十月には、昨年成立いたしましたフロン類の回収・破壊のカーエアコンについての実施時期が参っております。昨年、いろいろな経緯で法律ができました。私どもも一生懸命、このフロン法の施行を十月までにできるように、今最大限の努力をしておるところでございます。
 このように、車づくりにおけるリサイクルというものは極めて重要であり、私ども自動車メーカーといたしましては、この法律が成立した場合には、本法の的確な実施のために必要な体制の整備に主体的に取り組み、自動車のリサイクルが一層進展するように、またその中でトータルの自動車のリサイクルコストが低減され、ユーザー負担が軽減が図れるように、一層努力をして行ってまいりたい所存でございますので、皆様方の一層の御理解と御支援を賜りたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 鈴木孝男

speaker_id: 24118

日付: 2002-06-04

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会環境委員会連合審査会