経済産業委員会環境委員会連合審査会

2002-06-04 衆議院 全120発言

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会議録情報#0
平成十四年六月四日(火曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
  経済産業委員会
   委員長 谷畑  孝君
   理事 伊藤 達也君 理事 竹本 直一君
   理事 中山 成彬君 理事 鈴木 康友君
   理事 田中 慶秋君 理事 河上 覃雄君
   理事 達増 拓也君
      小此木八郎君    大村 秀章君
      梶山 弘志君    阪上 善秀君
      根本  匠君    林  義郎君
      平井 卓也君    増原 義剛君
      松島みどり君    茂木 敏充君
      保岡 興治君    吉野 正芳君
      生方 幸夫君    川端 達夫君
      北橋 健治君    後藤 茂之君
      中山 義活君    松原  仁君
      山田 敏雅君    山村  健君
      漆原 良夫君    福島  豊君
      土田 龍司君    大森  猛君
      塩川 鉄也君    大島 令子君
      西川太一郎君    宇田川芳雄君
  環境委員会
   委員長 大石 正光君
   理事 熊谷 市雄君 理事 西野あきら君
   理事 山本 公一君 理事 奥田  建君
   理事 牧  義夫君 理事 西  博義君
   理事 樋高  剛君
      小渕 優子君    奥谷  通君
      亀井 久興君    阪上 善秀君
      菱田 嘉明君    三ッ林隆志君
      山本 有二君    小林  守君
      五島 正規君    近藤 昭一君
      鮫島 宗明君    田端 正広君
      武山百合子君    藤木 洋子君
      金子 哲夫君    西川太一郎君
    …………………………………
   環境大臣政務官      奥谷  通君
   参考人
   (社団法人日本自動車工業
   会副会長・専務理事)   鈴木 孝男君
   参考人
   (日本ELVリサイクル推
   進協議会会長)      酒井 清行君
   参考人
   (早稲田大学理工学部教授
   )            永田 勝也君
   参考人
   (弁護士)        梶山 正三君
   経済産業委員会専門員   中谷 俊明君
   環境委員会専門員     飽田 賢一君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 使用済自動車の再資源化等に関する法律案(内閣提出第八六号)

     ————◇—————
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谷畑孝#1
○谷畑委員長 これより経済産業委員会環境委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
 内閣提出、使用済自動車の再資源化等に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付してあります資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
 本日は、参考人として、社団法人日本自動車工業会副会長・専務理事鈴木孝男君、日本ELVリサイクル推進協議会会長酒井清行君、早稲田大学理工学部教授永田勝也君、弁護士梶山正三君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますよう心よりお願い申し上げまして、いい参考の連合審査ができますことを心より祈願いたしております。本日は、本当にありがとうございます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず鈴木参考人にお願いいたします。
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鈴木孝男#2
○鈴木参考人 ただいま御紹介いただきました自動車工業会の鈴木でございます。本日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 ここ数年、自動車工業会にとりまして、自動車リサイクル法制定問題は最重要課題の一つでございます。この間、会員会社との意見調整あるいは協議、対外折衝の窓口等、自動車工業会はいたしておりますので、そのような立場から本日は意見を述べさせていただければと思います。
 御案内のように、自動車はこれまで、使用済自動車そのものが有効な資源と考えられており、一般的に価値のあるものとして流通してまいりました。そのために約七五%程度の高いリサイクル率を維持してまいったわけですが、極めて過酷な条件の中で長期にわたり使用されるという自動車の特性にかんがみまして、鉄を中心とする金属が多用されていることから、その回収・再資源化が既存のインフラの中で実施されてきたことによるものであります。
 金属類の回収を中心に行われてきました自動車のリサイクルは、金属回収の残渣としてのシュレッダーダストが発生し、そのほとんどが埋立処分にゆだねられてまいりました。九〇年代の半ばに入りまして、環境基準の強化に即した埋立基準の強化、あるいは地域環境問題に根差す埋立処分場の新規着工の減少等によりまして、処分場の逼迫が加速され、処分費用が高騰する中で、使用済自動車の流通形態が次第に逆有償化してまいったわけでございます。このような既存の自動車リサイクルの仕組みがいわば機能不全に陥る兆しが見え始めましてから、自動車のリサイクルに対する考え方というのはかなり変わってきたのかなと思っております。
 そういった中で、自動車業界といたしましては、平成八年度から四カ年にわたりまして、技術開発面で、シュレッダーダストの減容化等、大規模な技術開発を実施してまいりました。また、平成九年には、当時の通産省が産業構造審議会の検討を踏まえまして、二〇一五年までに自動車のリサイクル率を九五%までに向上させるという目標を掲げました、いわゆる使用済み自動車リサイクル・イニシアティブを策定いたしました。これを受けまして、自動車メーカーも、みずから果たすべき役割を自主行動計画といたしまして平成十年一月に公表したところでございます。お手元に自動車工業会の自主行動計画を配付しておりますので、後ほど御参照いただければと思います。また、この自主行動計画に沿いまして、フロン類の回収・破壊事業、あるいはエアバッグインフレーターの回収・破壊実証事業なども展開してまいったところでございます。
 しかしながら、埋立処分場の逼迫あるいは逆有償化の傾向は一層強まる中で、ECにおける廃車指令の制定、あるいは循環型社会形成推進法の制定等の流れの中で、平成十二年夏に産業構造審議会におきまして、将来の制度化を視野に入れた自動車リサイクルの検討が開始されたわけでございます。二年間にわたりまして、パブリックコメントを含めまして、十数回にわたる会議が開催されたと思います。また、平成十三年には中環審の同様な検討も開始されたわけでございまして、このような審議会に対しまして、私ども自動車業界からも委員を派遣いたしまして、積極的に参加してまいったところでございます。
 また、審議会の作業に機動的に対応するために、自動車工業会の中にリサイクル特別委員会を設置したり、十二のワーキンググループをつくりまして、これら審議会の活動に積極的に参画し、審議会の活動の中で、新たな仕組みづくりが必要である、あるいは循環型社会に適応するためにリサイクルが一層必要である、そういう認識を自動車メーカーも強めてきたものでございます。
 このような議論の中で、今回、民間の活力をベースとしまして、適切な公的関与を踏まえまして、実効ある自動車リサイクルシステムをつくるという案が提案されたわけでございます。私ども、これは大変時宜を得たものであると思っております。
 さらに、この制度は、リサイクル処理の適正化、処理の高度化を目標に、現在の関係事業者の役割を明確にし、競争原理を活用する、あるいは既存のリサイクルインフラというものを積極的に活用する、そういった考えのもとにできているものと思っております。
 政府が閣議決定いたしました後、私ども、お手元にお配りしてありますように、四月十五日付でプレスリリースを発表したところでございます。これを御参照いただけますれば、この新たな政府の提案の制度のもとで、自動車メーカーといたしましては、リサイクルシステムの中心的な役割を果たすということで、人的、資金的経営リソースを投入し、トータルの社会コストの最小化に向け、特に次の五つの点につきまして積極的に対応したいということを表明したわけでございます。
 一つは、リサイクルに配慮した車づくりの推進、それから、総合的リサイクルシステム構築の推進、また、リサイクル法ができました場合には円滑な実施体制の整備に最大限努力する、また、これまでやってまいりました路上放棄車処理協力の取り組みにつきましては引き続き継続いたします、それから、今回の法律に対象になっておりませんが、リサイクルの必要性があります二輪車あるいは商用車の架装物に対します自主的取り組みを実施いたします、こういった形で、私ども自動車メーカーの取り組みの姿勢を公表したわけでございます。
 今回の法律は、シュレッダーダストを含めまして指定三品目の引き取り及び適正処理、再資源化といった義務、あるいはリサイクルしやすい設計なり原材料、部品等工夫する、あるいはリサイクルを促進するために関連事業者に情報を提供する等の自動車メーカーの責務があります。こういったものが大変重要な役割があるものと認識しております。
 また、この自動車リサイクル法のシステムを運用するためには、総合的な仕組みというのが必要なのではなかろうか。七千万台を上回る既販車あるいは毎年販売される六百万台の新車、これを対象にしまして、リサイクル費用の徴収、管理あるいは適正な支出等行う、このために、移動報告、いわゆるマニフェスト等の電子情報システムを使いまして関係する十数万の事業者を結ぶいわばネットワーク、インフラ整備が必要だろうと思っております。こういったものには私ども自動車メーカーが積極的に対応し、このような不可欠なインフラ等につきまして、産業構造審議会にもありますように、中心的な役割を自動車メーカーが負ってまいりたいと思っております。
 また、本年十月には、昨年成立いたしましたフロン類の回収・破壊のカーエアコンについての実施時期が参っております。昨年、いろいろな経緯で法律ができました。私どもも一生懸命、このフロン法の施行を十月までにできるように、今最大限の努力をしておるところでございます。
 このように、車づくりにおけるリサイクルというものは極めて重要であり、私ども自動車メーカーといたしましては、この法律が成立した場合には、本法の的確な実施のために必要な体制の整備に主体的に取り組み、自動車のリサイクルが一層進展するように、またその中でトータルの自動車のリサイクルコストが低減され、ユーザー負担が軽減が図れるように、一層努力をして行ってまいりたい所存でございますので、皆様方の一層の御理解と御支援を賜りたいと思います。どうもありがとうございました。拍手
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谷畑孝#3
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 次に、酒井参考人にお願いいたします。
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酒井清行#4
○酒井参考人 日本ELVリサイクル推進協議会の酒井と申します。
 私どもは、北海道から沖縄まで全国四十一都道府県の千二百七十社の解体業者の団体でございます。
 本日は、私ども解体業者のために発言の機会をお与えいただきまして、本当にありがとうございました。私どもの立場から今回の自動車リサイクル法案を見たときにどう考えるかということについて、述べさせていただきます。
 自動車解体業者は、全国に五千社あると言われておりますけれども、今まで余り社会の制度の中に組み込まれることなく、比較的目立たない存在で、しかし自動車リサイクルという部分においては欠くことのできない役割を果たしてきたんじゃないかというふうに考えております。
 特に、零細が多くて、私どもの調査では平均従業員数が七・七人という数字が出ておりますけれども、これはアンケートの回答者が若干偏りがあるということで、多少大目な数字が出ているんじゃないかというふうに思います。実際のところは、大体四、五名ぐらいが平均的な数字ではないかと思います。
 この解体業者、五千社の解体業者が、それぞれの経営者としての一つの自覚を持って、それぞれが、小さいながらもみずからの企業を何とかしようという形で努力しているというその機能は、全体からすると非常に大きな役割を果たしているんじゃないかというふうに思います。
 特に中古部品について私ども解体業者は役割が大きいと考えるんですが、この中古部品というのはなかなか、例えば、欲しい、ニーズが高いものを幾らでも供給できるというものではございませんで、欲しいものはなかなか見つからないというような現実があります。したがって、発生してきた使用済自動車の中からできるだけ多くの中古部品を活用していくというには、それなりの経験それから販売ルート、人脈等々が必要になります。こういったことに全国五千の、それぞれ小さいながらも経営者の自覚を持った人間が携わっているという機能は、自動車のリサイクルにおいては相当大きなものがあるんじゃないかというふうに思っております。
 特に、日本は国土が狭くて走行キロ数が伸びません。年間平均一万キロぐらいと言われておりますけれども、ということは、近年、自動車の性能が向上したということに伴って余り自動車が壊れなくなっているということが言えるかと思います。そのために、比較的中古部品の需要が余り伸びないというような現象が、特にアメリカなどと比べると言えるのじゃないかというふうに考えております。
 そういった中古部品市場における自動車解体業者の役割というものをまずこの委員会で委員の先生に御認識いただければ幸いというふうに思っております。
 次に、我々の自動車解体業者が置かれている現状というようなものについて申し上げさせてもらいます。
 いわゆるプラザ合意以降の円高によって、特に鉄スクラップの価格が非常に低迷してまいりました。殊に平成十年以降においては、ほぼ昭和二十五年ころの価格統制時代の平均価格に近いレベルになっております。また、九〇年以降のバブル崩壊によって新車の販売台数が現在二五%近く落ち込んでいるということで、使用済自動車の発生も非常に少なくなっているというような現状があります。
 こういったことで、使用済自動車の発生が非常に少ない、玉不足の状態が続いております。したがって、各解体業者は仕事量の確保のために仕入れ競争を強いられているというのが現状かと思います。
 特に、自動車の流通過程において、使用済み車両になった以降は、それぞれ売り手側がより大きな影響力を持つという売り手市場になっているというような特徴がございます。そういった状況に置かれている解体業者は、鉄スクラップの下落あるいはその適正処理の費用の高騰というようなことにより、いわゆる排出業者から費用をいただかなければ業として成り立たない逆有償の時代が続いております。それにもかかわらず、使用済自動車の発生の少なさということが、適正なる処理料金をいただけないというような状況を生んでおります。
 適正な処理をしたい人が、費用が出ないためにできずにいる。それから、適正な処理をしているかどうかということが検証できないような結果になっているということで、リサイクル・イニシアティブとか事前選別ガイドラインといった行政による指導にまじめに従おうという業者がだれからも評価されない。むしろ指導に従わない業者の方がより競争力が強くなるというようなことで、悪貨が良貨を駆逐するような現状が起きているということが言えるかと思います。
 こういった今の状況を打開するためには、私どもとしては、きちっとしたルールを設けて、ルールから外れた者にはそれに応じた制裁が加わるというような仕組みが不可欠じゃないかというふうに考えております。そして、そのルールというのは、やはり自動車という商品特性を特に配慮したルールであるべきだということで、今回の自動車リサイクル法の制定については、基本的には私どもは賛成の立場におります。
 新しい制度は、既存の関連業界の活用ということを前提に置いて、適正処理のための費用の一部を制度によって保証していこうということで、特にこの既存の業界の高度活用という考え方については、私ども零細業者が多い自動車解体業界にとっては、業界の死命を制するとも言える重要なポイントだというふうに考えております。
 現状の不公平な競争、非常に厳しい経営を強いられている私どもからしますと、できるだけこの法律を制定していただいて施行していただけるようお願いしたい。そうしないと、環境に対する負荷がますます大きくなり、まじめな業者がますます経営が苦しくなるというようなことが進んでしまうということを御理解いただきたいというふうに思います。
 今回の法案で、適正処理対象物のうちで、フロンとエアバッグ、ASRという三品目が制度の対象として取り上げられました。これは非常に私どもにとってもありがたいことで、高く評価するものですが、このほか、この三品目だけでいいのかというと、私どもはそうではないんじゃないかというふうに考えております。まだまだその対象として考えていかなければいけない品目があるんじゃないかというふうに考えておりまして、それらについては、今後、流通のインフラを整えながら検討を加えていくことが重要なんじゃないかというふうに考えております。
 シュレッダーダスト、いわゆるASRがごみになってしまうのは、基本的には、あれはいろいろなものを一度にまぜてしまうからだというふうに考えます。あれをきちんとアイテム別、物質別に分ければ、資源として使える可能性はまだまだあるんじゃないか。経済性が伴うか伴わないかということが問題なわけですけれども、技術的にはそういうことが言える。その分ける仕事というのは、私ども自動車解体業者が一番安く、確かに、的確に行うことができる立場にいるんじゃないかということを申し上げたいと思います。
 法案の中では、自動車解体業者あるいは販売店あるいは自動車メーカーさんといったそれぞれ企業規模の相当違う関連業界同士がお互い連携をとらないと、制度がうまく回らないというようなことになっております。これらの隣接する関連業界が率直に意見交換できるような、例えば、どの業界にも属さずに公平な判断ができるような方を含めた常設の連絡協議会のようなものが必要なんじゃないかというふうに考えております。今後の検討をお願いしたいというふうに思います。
 それと、法案第三十四条には、指定回収物品の再資源化及びフロンの破壊、それらの回収料金について自動車製造業者が定めるということが義務づけられておりますけれども、これらの実務をするのは、私ども自動車解体業者であります。この料金設定に自動車解体業者の意見が反映されないというようなことは、私どもは不合理ではないかというふうに考えております。私ども解体業者の、実務側の意見が反映できるような仕組みにお考えいただきたいというふうに考えております。
 それと、八十二条では、移動報告の方法について電子情報によるという規定がございますが、これは、膨大な情報量を管理して不適正な流通及び処理を排除するためには、全く欠くことができないシステムだと思います。
 ただ、いかんせん、自動車解体業者は、関連業界の中でも一番IT化のおくれている業界ではないかと思います。したがって、我々はこれに前向きに取り組むんですが、そのための準備にいろいろ御支援をいただければというふうに思います。例えば、ITに対する教育それから情報端末の導入などについての応援をしていただければありがたいというふうに思っております。
 日本ELVリサイクル推進協議会では、インターネットを使った解体業者同士あるいは解体業者と需要者を結ぶオープンな情報交換システム、ELVインフォメーションシステムと申しますが、略称ELVISと申します、これを開発して、昨年の九月から運用を始めております。こういった私どもの活動にも御理解を賜って、政府からも応援をしていただけるようお願い申し上げたいと思います。
 それと、法案の六十二条第一項では、解体業の許可基準を主務省令によって定めるということがうたわれておりますが、今現在、私どもは、都市計画法に関する問題を抱えております。
 解体作業をする上では、やはりどんなに細心の注意を払っても、いろいろ液類が作業場に漏れたりということがあります。そのために、例えば床のコンクリート化、不浸透化あるいは排水処理施設等々必要だと思いますけれども、雨の多い日本では、やはり作業場の屋根ということも、実際、快適な作業環境を確保する、あるいは環境を守るといった上で非常に重要なことかと思います。
 ところが、私どものアンケート調査によりますと、全体の約四〇%の事業者が市街化調整区域に立地しているということがわかりました。御承知のように、この市街化調整区域においては建築が制限されておりまして、なかなか作業場に屋根がかけられるような環境にならないといったことが非常に大きな問題となっております。
 これに関しては、現在、廃棄物処理法による許可を取得している業者が千六百社余りいるわけですけれども、これは各自治体さんの判断によって、屋根がなくても許可をとれている地域、あるいは屋根がないために許可がとれない地域、あるいは雨の日は作業をしないというような条件で許可をとれている地域等々、自治体のさまざまな対応によって法律の公平性というものが損なわれているという現状があります。
 したがって、解体業者の許可基準に関しては、環境を守るということを第一にお考えいただいた上で、これに障害となる既存の制度に関しては、環境を守ることを第一にお考えいただいた上で、適正なる運用をお願いしたいというふうに考えております。
 最後に、許可基準についてもう一つ申し上げたいことは、もちろん環境を守ることが大前提となって基準が設定されるのは当然のことでありますけれども、施設が幾ら立派でも、作業内容やそれに伴う管理がついていかなければ、結果的には環境に負荷を与えてしまうことになります。例えば、油水分離槽を高いお金をかけてつくったとしても、作業が全くオイルの垂れ流しであり、あるいは油水分離槽の管理もされないとすれば、これは環境を守ることにはなりません。
 したがって、施設基準というのはお金がかかる基準ですけれども、これについては私ども自動車解体業者の体力というものに十分御配慮いただいた上で、必要にして最小限のものにとどめていただき、作業基準とか管理基準というものを併用した上で、適正なる処理と公平な競争ができるような基準にしていただきたいということが最後のお願いでございます。
 本日は、御清聴ありがとうございました。拍手
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谷畑孝#5
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 次に、永田参考人にお願いいたします。
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永田勝也#6
○永田参考人 早稲田大学の永田です。よろしくお願いいたします。
 産業構造審議会並びに中央環境審議会の場で、本法案の基礎となる議論をさせていただきました。それに関与した者といたしまして、このような場で発言させていただく機会をいただきありがとうございます。
 まず、自動車のリサイクルをめぐる状況、特に循環型社会へ向かっての動きについてお話をさせていただきます。
 二〇〇〇年、循環型社会形成推進基本法あるいはグリーン調達法を初めとする六つの法律の制定、改正が行われまして、循環型社会元年と記憶されることになりました。自動車リサイクル法案につきましては、こうした中で検討された最初の個別製品に対する法制化であるという点は重要なことだというふうに認識いたしております。
 まず、この循環型とはという点について述べさせていただきます。お手元に資料を配付させていただきましたが、図の一、一ページ目でございます。循環型のイメージということで、私なりの整理したものを挙げさせていただきました。
 循環型社会、一般的な理解では、いわゆるサステーナブルソサエティー、持続的発展が望める社会というのが一番妥当な言葉だろうというふうに思っています。すなわち、社会の入り口での物質資源あるいはエネルギー資源の使用の削減、また有害物質の使用の回避、あるいはそれを循環体系の中で使って拡散の防止を図るということ、また出口ではこうしたものの排出を可能な限り抑えるというのが循環型社会の基本であろうかと思います。
 こうした流れの中での社会全体としての効用の拡大、あるいはこれは製品個々においても同じような考え方ができるわけでございまして、製品の機能を高める、あるいはそれに使う資源量を減らすということが重要な視点だろうというふうに思っております。
 端的に言いますと、大量生産、大量消費、大量廃棄ということからの脱却でありまして、また、同じ効用ならそこで使用する資源や有害物質の使用を可能な限り抑制することを目標とする社会であるということが言えるのではないでしょうか。社会の内部では、リユースやリサイクルのさまざまな取り組みが多重、多層に組み合わされて効果的に行われることになると思いますが、これはあくまでも手段でございまして、さきに申し上げた目標というものとはまた異なるわけで、この手段を使って目標を達成するということを考えていかなくちゃいけないんだろうというふうに思っています。一般に言われていますように、大量生産、大量使用、大量消費、大量リサイクルということであっては循環型と呼べないということになろうかと思います。
 一方で、さきに触れましたような法律を含めまして、循環型社会の構築に向けての我が国の法体系、これは図の二の方で示させていただきましたが、このようなたて糸、よこ糸のマトリックス構造で表現するのが一番適当かというふうに思っております。詳細は省略いたしますが、製造から廃棄・リサイクルにわたる軸を持つたて糸としての個別製品に対する法律、それからよこ糸としてそれぞれ、製造、流通・販売、廃棄・リサイクルの局面に主眼を置いた法律が組み合わされておりまして、効果的な体系を構築しているものと判断しております。
 循環型社会の構築に当たりましては、これまで廃棄物のリサイクルとか処理といった点に軸足を置いておりました対応から、より上流サイドの製品の設計や生産までを含めた包括的な対応が有効でありまして、また重要であるということが指摘されておるわけでございます。こうした点について、まだまだ十分とは言えないかもしれませんが、我が国の法体系は、基本的にはその体制を持っているということが言えるのではないでしょうか。
 たて糸の個別製品に対する法律というのは、よこ糸の各施策を連携させて、それぞれのよこ糸の意図する循環型への対応を促進させ、相乗効果を生み出すように意識して構築していく必要があろうかというふうに思っております。
 このような法体系は、製品連鎖、プロダクトチェーンの中で循環型社会の構築を目指すものとしてOECDで議論されておりますインテグレーテッド・プロダクト・ポリシー、IPPと呼ばれておりますが、これにも合致しておりまして、また先取りしたものとして評価できるのではないかというふうに思っております。
 また、循環型社会の構築に向かっての我々の行動規範といたしましては、将来へのツケ回しをしない、あるいは将来予見されるような懸念に対してあらかじめ手を打つという未然防止の思想が大切でございますし、また一方で、共創、コークリエーションなんて英語で訳す方もおられますが、自立した関係主体がともに参加、協働して新たな関係や価値観をつくって問題を解決していこうという思想というふうにも理解することができますが、この点が非常に重要なのではないかというふうに思っております。
 法案の必要性については、二点に分けて議論できるかと思いますが、まず一点は、緊急かつ短期的な視点であり、また、言いかえれば廃棄物の視点でございます。
 先ほどの話にもございましたように、最終処分場の逼迫、これはかなり深刻な状況に至っております。ASRのシュレッダーダストの問題の根本的な解決が求められている。このためには、処理過程でのリユースやより高度なリサイクルの促進が重要であります。
 また、最終処分費の高騰あるいは鉄スクラップ価格の低迷等によりまして逆有償化が進展をしており、こうした処理費用が使用済自動車の引き取りの際に十分に反映されていない、あるいはユーザーから受け取った費用が本当に必要とするところに回っていないという御指摘も受けております。こうした流れの中で、既存のリサイクル体系が機能不全に陥ったり、あるいは崩壊の危機にあるのではないかということも言われておるわけでございます。
 さらに、フロンやエアバッグの回収・処理という新しい課題も発生しまして、上記のような状況がより一層加速されております。
 このような状況から、処理ルートの入り口での不法投棄、あるいは処理ルート内部での不法投棄や不適切処理の増大が懸念されておりまして、既存のリサイクル体系の信頼性の向上も求められているところでございます。
 また、中長期的な視点あるいは循環型社会へ向かっての視点という点で見てまいりますと、市民の環境意識の高揚を背景とした循環型社会への変革の中で、さきに述べましたような原則に適合した対応が求められております。廃棄物としての処理・リサイクルの適正化のみでなく、循環型社会の目標に向けて、製品連鎖の上流での対応も加速させる永続的な取り組みが可能なシステムの制度化が必要なのではないでしょうか。
 使用済自動車の廃棄・リサイクルの過程では、基本的には適正処理ルートへの誘導、これは入り口でございまして、内部では適正処理の推進、リサイクルの高度化、さらに出口ではASRの最終処分からの脱却というのが重要な視点だろうというふうに思っています。上流側の対応としては、三Rに代表されます循環型社会に適合した物づくりの推進が重要であり、こうした対応を実現するには、関係者の役割分担や義務づけ等が求められ、また、費用徴収や支払いのあり方に関しましても明確化が必要だというふうに判断しております。これが法制化につながるということになろうかと思います。
 法制化に当たって配慮すべき事項ということで一言述べさせていただきますが、まず第一に配慮すべき人たちというのは、関係主体として最も人数の多いユーザーだろうというふうに考えております。
 さきに述べましたような使用済自動車への対応と同時に、循環型社会の構築に向けてのユーザーの役割といたしましては、適正処理ルートへの使用済自動車の引き渡しと処理費用の負担、並びに環境配慮製品の購入の視点が重要であろうかと思います。現状の抹消登録システムでは、正直者が損をするというような体制になっており、適正に処理ルートに引き渡した者が報われるシステムへの改善が必要であります。
 また、こうしたことに対応しやすいシステムとすることが求められるのではないでしょうか。幸いにしまして、家電等の一般耐久消費財とは異なりまして、自動車には登録制度や車検制度があります。この点を有効に活用していくことが重要かというふうに思っております。また、費用の徴収に当たりましては、対応のしやすいという点から、排出時点よりも販売時点にそれを求めるのが適切だろうというふうに思います。
 一般廃棄物の有料化の進展にも見られますように、廃棄物処理には費用がかかって、その負担に関しましては支払いの用意のあることが市民の意識として定着しております。ただし一方で、その費用に関しましては合理性、すなわち納得のいくものかどうかということが重要視されております。また、環境配慮製品の購入の視点からは、その費用の明示ということも重要でございます。さらには、循環型社会への変革に適合した体制整備に寄与する費用設定のあり方になっているかどうかという点も問われているかと思います。
 二番目に重要なのは、適正処理の役割を担っていただく解体業や破砕業の方々でございます。
 家電とは異なりまして、使用済自動車のリサイクルに当たっては、既存のリサイクル体系が存在します。その最大限の活用が、社会コストミニマムで循環型の構築に寄与すると考えられます。また、こうした体制の構築が、今後の循環型社会へ向かう取り組みにも大いに力を発揮するものと考えております。
 そのためには、必要なところに適正な費用が充てられ、また、環境配慮に努力した業者が報われるシステムでなければなりません。これには、既存体系を動脈態様に戻し、ビジネスとしての高度化、健全化を図っていくことが望ましいというふうに思っております。こうして適正処理やリサイクルの実施の責任を果たしていただく。また、静脈でのリサイクルの実態を的確に製品設計等に反映させていただくような製造者との情報交換も重要であろうかというふうに思っております。
 役割として見た場合には、最も重要なのが輸入業者を含めた製造業者であります。
 リサイクル・イニシアティブに定めました二〇一五年の目標の達成を目指しまして、さまざまな局面、場面で中心的な役割を果たす必要があろうかと思います。OECDのEPRでの議論では、こうした中心的役割を、最終責任あるいは一義的責任、明示的責任という言葉で表現しております。
 ASRや指定回収物品、フロン類の引き取り・処理システムの整備等の実施責任に加え、新たに今般構築されるシステムの健全な機能の維持、目標が達成できるよう、総括的な責任を有するのが製造事業者の役割であろうというふうに考えております。これには、最後のA3の表で示しましたようなさまざまな付加的な役割が加わってくる。特に先ほどの話もありました、廃棄物の物流管理として重要なマニフェストシステムの構築、あるいは費用収受の仕組みの実現、費用に係るリスクの負担、リサイクルの高度化、関係者の取り組みを促進する各種情報提供システムも含まれるかと思います。さらに、最も重要なのは、三Rに配慮した製品の開発、提供ということでございます。
 このほか、関係者といたしまして引き取りを行う者にも、ユーザーの費用の支払いの確認や次工程への使用済自動車の適正な引き渡し、リサイクルされたかどうかの確認等が求められます。加えて、上の方に書きましたように、国、地方自治体の役割も重要かというふうに思います。
 今後の課題といたしましては、自動車リサイクルを進めるに当たって、引き続き検討していかなきゃならない課題を幾つか挙げさせていただきます。
 まず、先行実施されるフロン回収・破壊法への対応です。それから、離島問題への対応、あるいは放置自動車への対応、さらに、海外への中古車やリサイクル部品等も含めた全体としての使用済自動車のフローの把握、あるいはリサイクル率のモニタリング方法の確立、加えて、ASRのリサイクル技術、特にケミカルあるいはサーマルリサイクル技術の位置づけでございます。また、既存の不法投棄されたりあるいは野積みされております車両につきましても、法制度の施行の前にこれを片づけていかなくちゃいけないものと思っております。また、現状のタイヤやバッテリーのリサイクルシステムとの連携強化を図り、これを一体的に解決していくということも求められようかと思っております。
 循環型社会を実現していく、実態として動かしていくのは、市民と動脈あるいは静脈にかかわる事業者であります。この両輪の関係がうまく機能するよう、国や地方自治体はサポートをしていかなければなりません。今般の法律をジャパン・モデルとしてその優位性を欧州の制度と比較するなら、先ほど申し上げた共創の思想に基づき、自立した関係主体がパートナーシップを組むシステムとなっていること、また、廃棄物としての処理・リサイクルのみでなく、より上流の物づくりへの効果的なフィードバックを意図したこれからの循環型社会の構築にも資するシステムになっている点を強調してよかろうかと思います。
 終わりに当たりまして、図二の下の方にも示しましたように、循環型社会の構築は、ここに掲げたような法律だけで実現できるとは考えておりません。さまざまな制度の中、社会システムの中で配慮がされることが望ましいというふうに思っております。
 以上で私の発言を終わりにさせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。拍手
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谷畑孝#7
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 次に、梶山参考人にお願いいたします。
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梶山正三#8
○梶山参考人 弁護士の梶山でございます。
 お手元にレジュメがあるかと思いますが、一応この線に沿って、今四十九分ですから四分までの間でお話ししたいと思います。
 まず、私の立場ですが、廃棄物関係の紛争に四十件ばかり、現在まで弁護士としてかかわっております。一つは現場から見た問題、それから、弁護士会として十数年、今法制度の問題を研究しているグループに属しております。そういう二つの点からお話ししたいと思っております。
 まず、現時点の状況をどう見るかということなんですが、これは要するに、この法案の提案理由として述べられているところですが、まず平成九年五月に自動車リサイクル・イニシアティブができまして、この内容としては、当時の状況把握、問題点の把握という意味では一応首肯できるものがあるだろう。これに沿って自工会等が自主行動計画として、先ほどちょっとお話がありましたが、事前評価改善ガイドラインとか、ガイドラインの中で、素材選択とか複合素材の解消、材料の表示、それから解体分離の容易化などを打ち出してきたわけです。これは、その自主的な取り組みとして評価できるだろう。民間の自主的な取り組みでも相当程度のことは本来はできる、こう考えております。
 では、このままでいいのかといいますと、それは決してこのままでいいとは思っておりません。いいとは思っておりませんが、例えば、今度の法案の中で、既存の解体システムを生かしながら、エアバッグとかフロンとか、場合によっては、求めがあればASRとか、そういうものをメーカーが個別に対応していく、これはこれで評価できるシステムだろうと思います。
 しかし、法案の中身と、それから法案で言われている緊急性、不可欠性として言われている部分というのは、はっきり言いますと、問題点の解決にこの法案がなるとは考えられないというのが最初に私が申し上げたいところです。民間の自主性で、あるいは市場メカニズムを活用しながらできる部分と、公的な関与でやるべき部分とがはっきりと区別して認識されていない、過剰な公共関与であるというのが一つは私の印象であります。これはまた後で個別に申し上げたいと思います。
 釈迦に説法ですが、法制度をつくる、あるいは法制度を設計するという言葉もよく使われますが、その当該法制度を必要とする社会的事実、これを立法事実、こういうわけですね。その立法事実という観点で見ますと、この法案の中で大きなものとして三つ挙げられていると思います。
 一つは、最終処分場の逼迫です。
 最終処分場の逼迫、私は、最終処分場の現場での状況という意味では、恐らくここにいらっしゃる方の中では一番よく知っているだろうと思っています、これはおこがましい言い方かもしれませんが。平成十一年度に確かに許可件数は激減しました。残余容量がそのあおりを食って急に落ちた、これも事実であります。ただ、これは、いわゆるミニアセスメントが導入されて新法への対応がおくれたということと、駆け込みの許可申請が前年に膨らんだためであって、状況としては、ここ十数年ほぼ残余年数としては変わりはないだろう。これはまたいずれもとのレベルに戻る状況であろう。それを言うにはそれだけの根拠があるわけですが、今ここでそれだけの話をする時間がありませんので。
 それからもう一つ、実際に、岩手クリーンセンターとか大阪フェニックス等を見ていただきたいんですが、ごみが来なくて困っているという状況があります。つまり、処理コストの高いところはごみが来ないで困っている。これは現実としてあるわけです。
 それから、第三番目に、この法案が最終処分場の延命を考えている、これは当然のことですけれども、この法案の内容との関連性が大変希薄である。つまり、この法案がなくても、最終処分場の延命化、ASRの最小化、埋立容量の最小化、これは別個にできる話であって、この法案との必然的なかかわりはない、こう考えております。
 それから、不法投棄対策でありますが、不法投棄対策につきましては、道路運送車両法の十五条の抹消登録制度と公的機関による適正処理証明とを連動させるということでもって、自動車の場合には極めて効果的な対策ができるはずでありまして、まずそういうものに手をつければ、相当程度の効果は期待できる。つまり、適正処理証明がなければ自動車所有者は永久に自動車税を支払わなければならない、そういうシステムをつくるということですね。
 それから、最後に逆有償化との関連、これは確かに大きな問題ではあると思います。
 逆有償化については、この法案の最も大きな問題は、逆有償化したから、しつつあるから、その部分をエンドユーザーからお金を集めて取ろう、基本的にはそういう発想でできていると私は思うわけでありまして、この辺は大変安易な発想ではないかと思うわけです。既存の解体システムをどうやって守るかということは大変大きな問題ですが、これは後でまた申し上げたいと思います。基本的な考え方としては、逆有償化になった、では、その分、金で埋め合わせようというのは、もちろんこれはやり方によるわけですが、要するに、簡単に言うと、これから申し上げるあしきリサイクルを固定化することになりはしないかというのが私の最も懸念するところであります。
 リサイクルとか循環型社会ということがしきりに言われるわけですが、リサイクルというのは、これは資源を循環するだけではなくて、そこに資源を投入しなくてはいけない。リサイクルのための資源の投入が絶対に必要なわけであります。それから、リサイクルの過程でまた新たな廃棄物も生みます。資源の浪費も起こります。それから、環境汚染という現象も起きます。そういうトータルとしてのリサイクルというものをどう構築するかというのが最も大切な点でありまして、そういう意味でいいますと、まず、そのリサイクルがこのまま続けていいかどうかというリサイクルの、つまりあしきリサイクルとそうでないリサイクルというのは、基本的にはそのリサイクルが廃品回収業として成り立つかどうか、これがやはり、一面的ではありますが、最もリサイクルの質を測定する方法である、こう考えます。
 つまり、逆有償化ということは、それにかかるコスト、あるいはこのコストに代表される資源とかエネルギーとかあるいは環境汚染防除施設等のためにさらに新たな資源の投入を必要とするということでありまして、こういう逆有償化したリサイクルというのは、基本的には縮小していかなくてはいけない、あるいは逆有償化を根本的な部分で改めるようなシステムがそこに入ってこなくてはいけない、こういうふうに考えるわけであります。
 そういう意味でいいますと、先ほどのお話にもありましたが、逆有償化から、それを本来、つまり、そこにエンドユーザーからの金を投入しないでもリサイクルとして自立するかぎを握っているのはやはりメーカーであろう、私はこう思います。そうすると、メーカーにどういうインセンティブを与えるかということが最も大切な点でありまして、エンドユーザーから金を集めて逆有償化を補うというのでは、これは逆有償化は固定化してしまいます。つまり、そこからさらに質のよいリサイクル、簡単に言いますと、処理コストを下げながら質のよい再生資源をそこで生み出す、プラス、マイナスとしてプラスに行くようなリサイクルを生み出すというインセンティブが逆に働かなくなってしまう。つまり、エンドユーザーがそこを埋め合わせてくれるわけですから、そこまでの努力をしないでも業界としてはやっていける、あるいはメーカーとしてもやっていけるということになるわけであります。そこに一つの大きな懸念がある。
 まず、その金の集め方の問題でもって、エンドユーザーから集める理由として、受益者負担論ということがこの法案の議論の中で出てきております。私は、受益者負担論でもってエンドユーザーが金を払うべきだというのは、大きな不公平を生むことになると考えております。
 これはどういうことかといいますと、どんな製品にも、プラスの部分、つまり便益を与える部分と、それが環境に出た場合にマイナスの部分を与える、つまりプラスの面とマイナスの部分とがございます。例えば、FRPを使ったために処理費用が極めて大きくなる、それから、複合素材を使ったために処理が極めて困難になる、環境汚染を起こす、あるいは、言い方は悪いですが、意図的に短寿命化されている製品も間違いなくたくさんございます。
 短寿命化されているために処理コストがかかるというものについて、これは、エンドユーザーから見れば、自分たちはそれによって何の便益も受けておりません。しかも、自分たちは何もコントロールできない。つまり、情報もないし、本当にこれが環境に優しい製品かどうかということは、エンドユーザーから見ると、コントロールもできないし情報もない。そういう状況の部分を受益者負担論でもってエンドユーザーに負わせるというのは、これは逆にマイナス面をそのまま固定化するということになるのは、これは経済的原理からいっても当然のことであろうと思います。
 そういう意味でいいますと、まずメーカーが処理費用、逆有償化部分を負担する。その上でメーカーはそれを最小化するための努力をする。これは当然のことですね。メーカーとしては、利益を最大にするために最小化するための努力をする。それでも吸収できない分は、当然価格転嫁システムを通じてエンドユーザーが負担するわけであります。こういうシステムの方が、同時にインセンティブも働くし、受益者としては、受益者なりの負担も、応分の負担はするという意味で、最も公正な負担が最終的には実現するだろう、こう考えております。
 それで、あとちょっとだけ、何点かお話ししたいんですが、一つは、今回の法案の中で、公的な資金管理ということが出ております。これは、法案をつくる段階で、十年後に使うであろう費用をあらかじめ概算して集めて、それをメーカーが管理するのか公的な管理機関を使うのかという部分があったわけでありますが、そこには大変大きなフィクションがありまして、つまり、十年後の費用が現時点で適正に算定できるというとんでもないフィクションがここに一つ入っている。
 それから、今の企業会計の中で考えれば、これを分離して費用を十年後までとっておくというのは、極めて非効率的な企業会計の考え方であろう。簡単に言えば、私の先ほどの考えで申し上げれば、メーカーが吸収できないものは価格転嫁という考えであれば、これは生産コストの一部と考えて処理すれば何の問題もないわけでありまして、そもそも資金管理云々という話は最初から必要ないわけであります。
 それから、公的資金管理をすると、一万円で済むものが二万円になる、五千円で済むものが一万円になる。これは、管理法人の運営維持の費用も全部そこに含ませるという話になりまして、支払いシステムから何から全部そこに費用として入れてくるということになると、当然こういう非効率的な、しかも市場メカニズムを経験しない外郭団体がそういう資金管理をするというのは二重の意味で問題があるだろう、こう思います。
 それで、基本的には、今回の法案の議論の中で出てまいりました議論をちょっとだけおさらいしてみたいんですが、一つは、私の申し上げたメーカーに対する環境保全型製品設計へのインセンティブがあるかという点について、二つの指摘があったと思います。つまり、一つは、車種ごとに差別化して料金を算定するんだ、その料金を比較することによってユーザーは環境保全型製品かどうかということは区別できるじゃないか。それからもう一つは、十年後に処理費用は上がるかもしれない、上がるかもしれないんだけれども、集めたお金でもって処理するということであるから、メーカーはその間にそのリスクを最小限にするためにいい処理をできるような製品設計あるいは処理技術を磨くではないか、こういうことが言われているわけですね。私は、これはある意味では大変ばかげた話だと思います。
 車種ごとの差別化の話ですけれども、これは、車種ごとに全部差別化する、あるいはそれが適正に反映しているということを保証するすべもありませんし、それから、現実にこのような差別化はほとんど不可能であります。同じことが家電リサイクルの場合にも言われたわけですね。家電リサイクルは、差別化すると言いながら一律になりました。恐らくそういう可能性は極めて高いだろう、こう思います。
 それで、購入時と廃車時の費用変動のリスクをメーカーが負担する、これがインセンティブになるんだという話ですが、これも実はほとんど考えられない話であります。つまり、これは管理法人が資金管理するわけですね。それは企業内部に留保されているものではありません。ですから、そこで、実際に安くなるか高くなるか、両方の場合があり得るわけですが、どちらの場合にしても、環境保全型設計へのインセンティブというものは働かないと私は考えます。
 最後に一言申し上げたいんですが、三Rということが循環型社会ということでしきりに言われるわけですが、一番根元にあるリデュース、これが今回の法案でもすっぽり抜け落ちていると思います。
 一九九五年、七年前ですが、七年前にスウェーデンのボルボ社を訪ねまして、そこの環境担当役員と話をしたときに、こういうことを言っていました。ボルボ社はスウェーデン国内の車の四〇%を占めているんですけれども、その環境担当役員が、我々の車はスウェーデンの都市を破滅に陥らせている、これ以上車をふやしてはいけない、ボルボはこれから公共交通に力を入れる、こういうことを言ったんですね。
 当時のスウェーデンの国土面積当たりの車の密度は、当時の日本の約十八分の一です。その十八分の一という密度でありながらボルボ社の環境担当役員がそういうことを明言したということは、我々大変ショックを受けたわけですが、要するに、日本は車が多過ぎるんだ、やはりそこの原点に返った議論、それから車をもっと長寿命化しなきゃいけない。その場合に、産業界がもっと深刻な不況に陥らないかということは当然あるわけですが、それを両方をクリアする方法はこれは当然あるわけでして、その問題がもっと真剣に議論されなくてはいけない。やはり根元のリデュースを忘れてはいけないと思います。
 どうも御清聴ありがとうございました。拍手
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谷畑孝#9
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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谷畑孝#10
○谷畑委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菱田嘉明君。
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菱田嘉明#11
○菱田委員 おはようございます。自由民主党の菱田嘉明でございます。
 四人の参考人の皆さん方には、大変お忙しい中、きょうのこの連合審査会に御出席をいただきまして、ただいま大変貴重な御意見を賜ったところでございまして、まことにありがとうございます。
 それでは、時間もございませんので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 先ほどもお話のございましたとおり、我が国では、年間約四百万台の使用済自動車が解体処理をされておるわけでございまして、大変莫大な数になるわけでございますけれども、それだけに、今回の自動車リサイクル法、これは循環型社会の構築の面から大変重要な意味を持つ法律である、このように認識をいたしておるわけでございます。
 使用済自動車のリサイクルに関しましては、何と申しましても、自動車を製造するメーカーの役割が大変大きいわけでございます。自動車を製造して売ってしまえばいいというものではないわけでございまして、自動車を設計する、あるいは製造する段階から、廃棄物の発生量を少なくする、そして解体をしやすいように工夫する、こういうことが大変大事なことであるわけでございます。また、解体業者など関係する業者に対しまして、自動車の構造やあるいは解体方法などに関する情報を広く提供することも必要ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 そこで、自動車工業会の鈴木さんに質問をさせていただきますけれども、自動車メーカーが、このリサイクル法をきっかけとして、自動車のリサイクルにどのように取り組んでいこうとされておるのか、先ほども御意見をいただきましたけれども、改めてそこの点についてお聞きをいたしたいと思います。そして、何が一番重要な点である、どのようにお考えになっておるのかをお聞かせいただきたいと思います。また、今回の自動車リサイクル法、これは、使用済自動車の発生の抑制、あるいは再利用、再使用などに十分な効果があるのかどうか、メーカーの立場から見てどのようにお考えになっておるのかをお聞かせいただきたいと思います。
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鈴木孝男#12
○鈴木参考人 お答えいたします。
 平成十年に自主行動計画をつくりまして、今先生の御指摘のように、やはり物づくりの面からリサイクルを促進すべしという心構え、基本方針は出したつもりでございます。
 しかしながら、自動車の場合、関係事業者が大変多い、あるいは自動車のメーカーの競争も厳しい、そういう中で、リサイクルしやすい物づくりを設計段階からする、あるいは、その生産なり流通、使用済み後のものに対してどうするか、そういうリサイクルチェーンというものを構成するには、やはり自動車メーカーだけの力では難しいのかな。
 また、二〇一五年、九五%という目標を出したわけですが、この目標のためにも、シュレッダーダストを少なくする、あるいはシュレッダーダストそのものをさらにリサイクルする、そういったようなことの技術開発等も心がけてまいったわけであります。
 しかしながら、三Rを進める、あるいはリサイクル技術を向上する、そういったことについて、自主行動計画で私どもいろいろな面で関係する事業者にも働きかけ、あるいはメーカーの意識改革もやったわけですが、そういったものをさらに法律的に再確認し、そして、それをベースにして今度は関連事業者を含めました一つの体系をつくる、こういったことが今回の法案の趣旨ではないかな。それは、従来のメカニズム、民間の活力を生かしながら、しかし、ある程度の公的な管理を必要最小限やりながら、そういう形で、今の循環型社会、リサイクル率の向上、あるいは有害物質の適正な排除というものを行うのかな。
 そういった意味で、自主行動計画という形で取り組みますし、その一環でまたフロン等もやりましたけれども、そういった場合に、やはり十数万の関連事業者があり、あるいはユーザーの方に正しく理解していただく、そういった意味からいって、この新しい法案といったものは自動車のリサイクル促進に大変効果があるものと私ども確信しております。
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菱田嘉明#13
○菱田委員 ありがとうございました。
 今の御答弁の中に、民間の活力を生かす、こういう言葉があったわけでございますけれども、次に解体業者に関して質問をさせていただきたいと思います。
 今回のリサイクル法では、解体業者の許可制を導入いたしております。これは、適正な解体が行われるように、つまり環境問題の解決のためにこれは当然なことだというふうに思うわけであります。
 しかしながら、一方で、これまで長年解体業をやってきた業者の中には、許可がとれるのか、あるいは仕事が続くのか、こうした不安を持っている業者も多いと思います。現行の産業廃棄物処理業の許可をとっている業者は全体の三〇%程度だというふうに聞いておるわけでございますけれども、許可をとるためにせっかく資本を入れて設備投資をしても、仕事が回ってこなければ大変な事態になるわけでございます。今までは使用済自動車が回ってきたけれども、新しい制度になった途端に仕事がなくなった、こういうことになっては困るわけでございます。業者からは、メーカーが中古部品市場に参入をしてくるのではないかとか、あるいは系列化が進んでメーカーと取引関係がない業者は厳しいのではないか、この法律によって業者がつぶされるのではないか、こういう心配をする声もあるわけでございます。
 そこで、解体業者である酒井さんにお伺いをいたしたいと思いますけれども、解体業者の皆さん方はこの法案をどのように受けとめておるのか、また不安に思っていることはないのか、率直な御意見をお伺いいたしたいと思います。
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酒井清行#14
○酒井参考人 私なりの考えを申し上げます。
 今の委員の御指摘の中で、許可制にどの程度自動車解体業者が対応できるのかというような点につきましては、冒頭に申し上げた意見の中にもありますけれども、許可の基準をどう定めるかという部分にも大きくかかわってくるかと思います。過大な設備投資を強いるような許可基準ですと、これはなかなか我々の自動車解体業者の体力では対応し切れない部分も出るのかなというふうな不安がございます。
 しかし、当初に申し上げたように、設備投資をすれば必ず環境が守れるのかという点についてもよくお考えいただきたいというふうに思います。必ずしもそうではないということで、お金のかかる部分についてはミニマムにとどめていただいて、しかし環境はしっかり守れるというような基準にしていただければ、私どもは十分対応が可能なんじゃないかというふうに考えております。
 また、現状は非常に不公平な競争を強いられている、すなわち、まじめにやる人は負担がふえて、上手にやる人には、環境に若干負荷を与えても余計利益が入ってくるというようなその現状を見ますと、これは許可制度を取り入れてきちんとしたルールに乗せるということは大事かというふうに思います。
 それと、例えばメーカーさんが中古部品業界に参入すると、我々の仕事がなくなるんじゃないかという御指摘がございましたけれども、これは私はそうは考えておりません。いろいろな方が中古部品に携わることによって供給力がふえる。供給力がふえるということは、市場が拡大するということにつながってくると思います。したがって、すべて中古部品にかかわる業者にとってはチャンスがふえるのではないかというような見方をしております。
 それと、新しい制度によって一生懸命準備をした業者に仕事が回らなくなるんじゃないかというような御指摘についてですが、これは私は、この法案が着実に実行されるとすれば、きちんとした許可業者のところには、それなりに仕事は回ってくるんじゃないかというふうに考えております。
 以上です。
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菱田嘉明#15
○菱田委員 どうもありがとうございました。
 私は、二年前まで京都府の八幡市という市の市長をやっておったわけでございますけれども、ここには解体業者が約五十ぐらいございまして、全国的に見ましても業者は大変多い地域でございます。さまざま方法で解体を行っておりまして、中には必ずしも環境保全対策が十分でない業者もおったわけでございます。そのために、自動車解体を原因とする公害対策、これが長年市政の大きな課題の一つでございました。
 私の経験から見ますと、率直に申しまして、自動車メーカーさんは、しばらく前までは、どちらかといえば、使用済自動車の処理には余り関心を払ってこなかった、むしろ目を背けてきた、このようにも思うわけでございます。そのこともありまして、資本力のない零細な解体業者が、いろいろ問題もありましたけれども、長年にわたってこの廃車処理の役割を担ってまいったわけでございます。この法律によりまして、自動車産業の最終部門を支えてきたそうした零細事業者が消えざるを得ないような事態が起きないようにしていただきたい、このことを強く願うものでございます。
 そこで、今回の法案を見ますと、メーカーが解体業者からシュレッダーダストあるいはフロン類、エアバッグ、これを引き取る、つまり既存のリサイクルルートを活用する仕組みになっておるわけでございます。一方、家電リサイクル法では、使用済みとなりました家電製品そのものをメーカーが引き取ることになっております。それと同じように、自動車の場合も、使用済自動車そのものをメーカーが引き取る、こういう考え方もあるわけでございます。
 梶山さんと永田さんにお聞きをいたしたいわけでございますけれども、自動車の場合にはどちらの方法がより適切だ、このようにお考えでしょうか。また、特に永田さんは、中央環境審議会あるいは産業構造審議会の自動車リサイクルに関する議論の取りまとめ役であった、このようにお聞きをいたしておるわけでございますけれども、この点に関して審議会ではどのような議論があったのか、そういうことについても御説明をいただきたいと思います。
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谷畑孝#16
○谷畑委員長 永田参考人。手短にお願いします。
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永田勝也#17
○永田参考人 先ほどもちょっと申し上げましたが、循環型社会の構築、これを社会コストをミニマムで実現するには、既存のリサイクル体系、これを活用するのが望ましいということで今回のような形になっておるわけでございます。また同時に、社会としての永続性等のような問題も配慮事項としてあったかというふうに記憶いたしております。
 家電と違いまして、自動車の場合にはこうした既存システムが存在する、これが七五から八〇%のリサイクルを達成してきたという実績、これは大きく評価できるものだと思いますが、ただ、時代の進展に伴いまして、それでは十分じゃないという認識が出てきたわけで、その既存ルートの高度化、健全化あるいは信頼性の向上というのがこれから求められる対応だろうというふうに認識しております。
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梶山正三#18
○梶山参考人 自動車メーカーが引き取るというシステムは、確かに欧州の方では何件もあるわけですが、私は、基本的には日本の場合には、既存のシステムを使った解体業者が引き取るべきだろうと思っております。それは、メーカーが引き取ると、恐らくこれは家電の場合と大きく違いまして、いずれにしてもメーカー自身が処理するのではなくて、やはり既存のシステムを使わざるを得ない。これは物流を複雑にするだけだということが一つです。
 それから、先ほどからお話のありました既存の業者をどうやって、先ほど、悪貨が良貨を駆逐するという話がありまして、これは産廃処理業界に限らず廃棄物処理業界に共通した困難なテーマがあるわけですが、そういう意味でいいますと、これは既存の業界をどうやってきちんと育てていくかということに関しては、やはりメーカーとの連携が大変大事でありまして、今資金管理の点で、その点今回の法案では、解体業者に直接お金が行かない、そこに若干の問題があるような気がしております。
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菱田嘉明#19
○菱田委員 貴重な御意見どうもありがとうございました。
 私は、この法律によりまして、メーカーの生産者責任、これをより拡大させた上で、メーカーから解体業者まで、いわゆる自動車関連業界全体が協力をして、リデュースあるいはリユース、リサイクル、こういう面で成果が上がる、このことを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
    〔谷畑委員長退席、大石委員長着席〕
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大石正光#20
○大石委員長 川端達夫君。
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川端達夫#21
○川端委員 民主党の川端達夫です。
 参考人の皆さん方、きょうは、大変お忙しいところ、貴重な御意見をお述べいただいて、ありがとうございます。
 初めに、四人の皆さんにお尋ねをしたいんですけれども、自動車を廃棄したときの処理をどうしていくかという大きな国民的課題に今回法案が提出されたわけですが、それぞれのお立場での御意見の中でも、全部なのか一部なのかは御意見の差があったと思うんですけれども、ユーザーが何らかの負担をしなければならない、こういうことにおいては共通をしていたと思うんです。
 そこで、実は、ユーザーにとって自動車を持つことによる負担というのは、他国と比べて過剰な負担を税の部分においてしているのが現実であります。それで、いわゆる自動車の税負担は九兆円。それで、特にいろいろな項目で税を取られる。そして、その上に、今回、リサイクルのコストの負担をしなさい、こういうことになるわけです。リサイクルのコストの負担は当然ある部分は必要であろうということの理解は私はあると思うんですが、それならば、税金の体系、自動車に関するユーザーとしての税体系は見直してほしい。トータルとしては、要するに自動車を持つことによる税の負担は一緒ないし軽くなってしかるべきであろう。
 最近のいろいろな、永田町を中心とする、霞が関を中心とする部分の政治の不信の中に、いわゆる税が、納めているけれどもきちっと使われていない、使ってほしいところに使われずに、余計なところに使っているんではないかという批判が非常に強い。そういう中で、こういう新たな負担を求めるというときに、自動車に関する、例えば取得税というのは、一種のぜいたく税としてできたんではないのか。今、車がぜいたくなものなのかということから見て、そういうことではないんではないかという議論が我が党の中にも随分たくさんあります。
 しかも、今回のこのスキームでは、輸出をする場合には払った分は返しますということになっている。ということは、目的以外には使わないということで、目的税化しているみたいなものなんですけれども、こういう部分の観点での自動車関係諸税と今回のリサイクルのユーザー負担ということについて、どういう御見解、御見識を持っておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
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鈴木孝男#22
○鈴木参考人 私ども自動車工業会も、昨年、自動車の税制に関する中期ビジョンをつくりまして、先生御指摘のように、自動車諸税が複雑でかつ割高である、そういったことで、できれば、取得段階、保有段階あるいは使用段階、それぞれ一つずつぐらいの税制にしたらどうか、今の取得段階で、むしろ消費税と自動車取得税というのが重複するんではないかというような意見を提案しております。また、来年度からも、道路五カ年計画、現在審議中でございますが、道路の整備も新しい考え方で必要になる、そうなれば、今の暫定税率というものはどうするんだろうかというような観点で、自動車諸税につきましては、簡素化、軽減化ということを私ども強く訴えていきたいと思っております。
 ただ、今回のリサイクル費用、これの徴収の問題とは、このコストを、ユーザー負担を軽減するということは絶対必要でございますけれども、税金の今の自動車諸税のあり方、地方財政あるいは特定財源その他いろいろな、もろもろの要素の中の自動車諸税の簡素、軽減という議論とこのリサイクルコストとは少し違うのかな、リサイクルコストについては、別の観点から今回の費用徴収というのが決まったのかなと私ども考えております。
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酒井清行#23
○酒井参考人 私ども自動車解体業者からしますと、いわゆる拡大生産者責任という考え方にはある理解はできるんですが、基本的にメーカー責任を余りにも追求する余り、メーカーによる系列化、寡占化ということを一番危惧いたしております。
 それと、メーカーが負担すれば消費者の負担にならないのかという点についても私どもは疑問を持っていまして、結果的には消費者も負担することになるんじゃないか。結果的に消費者が負担することになるのであれば、その負担した費用は、透明性を確保できる、メーカーの財務とは別の管理をされて、消費者がきちっと監視できるような仕組みがベターじゃないかというふうに考えております。
 以上です。
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永田勝也#24
○永田参考人 税の問題、直接的に自動車リサイクル法の検討の中では議論を進めたわけでございません。
 ただ、一点重要な点は、自動車重量税の還付の問題でございまして、これは、使用を取りやめた、道路を走らない車に関してはこういう税について支払った金額の中で割り振って還付していただく、インセンティブとしては非常に重要な点か、適正ルートへの誘導として、費用の面でも、そういう意味では適正な行為をした者に報われるシステムになっているんだろうというふうに考えております。
 日本全体でのお金の使い方等を含めて、これから環境へのシフトというのがもっと重要性を増してくるかと思いますが、税制の問題は税制の問題として、またその中で議論をしていただければというふうに思っていまして、今回の場合には、自動車に絡む問題としての可及的速やかな新たなリサイクルシステムの構築という視点だけで議論してまいりましたので、直接的に、先ほどお話のあった点は議論をしてきませんでした。
 以上です。
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梶山正三#25
○梶山参考人 二点だけ申し上げたいと思います。
 自動車関連税としては、私はむしろ、自動車取得税よりも、軽油引取税あるいは揮発油税の方が日々の負担としては大きいだろうと考えています。この燃料関係の税金というのは、道路財源にほとんど充てられているわけでありまして、むしろ道路をつくる圧力になっている。そういう意味でいいますと、不要な道路とかそういうものがいまだにどんどんつくられるというのは、一つは燃料関係の税金が大きな問題がありまして、これはぜひ見直す必要があるだろう、そう考えています。
 それから、先ほどのお話の関連で、今回のユーザー負担というのは、自動車ユーザーの一つの負担の一部として考えるべきだろうと思います。考え方としては、先ほど酒井さんの方から、ユーザーが出してそれを透明性のあるところで管理した方がいいじゃないか、こういうお話がありましたが、私はそう考えておりませんで、やはりメーカーが負担して、価格転嫁システム、二次的な負担という形でユーザーが負担すべきであろう。
 それから、透明性という点でいきますと、今の生産コストというのは、本来、透明性は最初から放棄しております。これは、今の企業会計の中で、私は不要な規制だろうと考えています。我々が買う一つ一つの製品は、例えばA工場でつくられた製品には、遠くの工場の設備投資で入ったものも全部含まれているわけでありまして、企業はその程度の裁量権がないといわゆる生産活動はできないわけであります。
 以上です。
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川端達夫#26
○川端委員 酒井さんにお尋ねをしたいんですけれども、どのような仕組みをつくっても、本当にいわゆる静脈産業と言われる解体業を主としてされる部分が経済的にやっていけるシステムでないと、全く機能しないということになるわけです。我々としても、その部分が今日までいろいろな状況の中で御苦労されながら頑張ってこられたことに敬意を表するものでありますが、その部分で一つ、今もおっしゃいました、いわゆるメーカーからダイレクトという部分が、系列化ということによる懸念を非常にお持ちである。これは、廃棄物でなくて本体の製造業の地点でも、いわゆる親会社からずっと系列までの部分というのはいろいろな部分で、下請、孫請という部分でもよく問題になる議論の一部であります。
 この部分で、トータルとしては賛成と言われたのですけれども、先ほど届け出許可の問題を含めていろいろ御指摘されたのですが、ここは絶対にちゃんとしてほしいという部分と、この部分に関してはどうしてもきちっとしてほしいという点、業としてやっていくのに生命線にかかわる部分が、この法律にかかわることがあるのであればおっしゃっていただきたいのが一つ。
 それから、三品目以外の部分にもう少しやればいいじゃないかという議論があります。ここの部分は、広げていくとしたら、それはどういうふうに処理していくのか、費用はどうするのかということが実はまだ全然明らかになっていないわけなんですけれども、この部分に関しての基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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酒井清行#27
○酒井参考人 今回考えられている新しい法案の中で、私どもが一番不安といいますか懸念している部分は、まず、都市計画法による建築規制の問題、これによって私どもの作業環境が向上することができないというところは一番懸念するところでございます。
 それと、基本的に地方自治体に許可の権限が移譲されるというような方向で考えられておるものですから、今現在、廃棄物処理法においての許可の基準が地方自治体によって相当ばらつきがあるというところがありまして、車という商品は相当広域に流通するものですから、商品の特性にそぐわない結果になっているということが挙げられると思います。したがって、新しいシステムの中では、そういった地域によるばらつきというものはミニマムに抑えていただきたいというところが一番懸念されるところです。
 三品目以外では、タイヤあるいはLLC等については、既に私どもは処理費用を負担して処分業者に処理していただいております。環境負荷物質としては、まだほかにも廃油とかあるいはバッテリーとかラジエーターとかというような部品が挙げられるかと思いますけれども、そのほかにも、再利用が可能なものとして、例えばガラスですとかあるいはプラスチックというようなものが挙げられるかと思います。これを再利用するためのコストをどう出すのかという点について、私ども具体的なアイデアはまだ持っておりませんけれども、こういったものが流通する、再使用されるようなインフラの確立がまずは大事なんじゃないかというふうに考えております。
 以上です。
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川端達夫#28
○川端委員 いわゆる循環型社会という側面というか見方での自動車の今回のとらえ方と同時に、その部分で私が申し上げたかった初めの部分は、それでユーザーがどかんと負担されるというのが本当にいいのかということと、それから循環していく部分の静脈産業がきちっと成り立たなくては全く成り立たないということなんですが、もう一つの大きな社会的な関心として、不法投棄が非常に多いということが言われております。
 先ほど梶山先生は、罰則を強化するあるいは仕組みを考えればという御提示がありました。私たちも、そういう部分が一方で非常に欠けているのではないか、もう少し知恵を出すという側面が必要ではないかと思っているのですが、永田先生、いろいろな部分で、議論の中でも、いわゆる循環型社会の中での自動車リサイクルという観点と同時に、並行的に不法投棄問題というのは当然大きな問題としてあったというふうに思うのです。不法投棄をなくすためにという目的ではないにしても、間接的には相当大きな使命をこの法案は担っているはずなんですけれども、この法案で著効が見られると思っておられるのかということと、バックアップする罰則とかそういうことに対する別の側面の、先ほど梶山先生言われたような、そういう手法というのがどうしても必要なんではないかと我々思っているのですが、その部分に関しての御見解をお伺いしたいのです。
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永田勝也#29
○永田参考人 不法投棄については、発生原因あるいは発生場所としては、二カ所考えられるのかと。一つはユーザーが適正な処理ルートに渡さないような格好での不法投棄、それから処理ルートに入ってからの不法投棄、この二つがあろうかと思います。
 どちらかといいますと、なかなか所有者が見つからない、捨てた人がわからないというのは、後者の処理ルートに入ってからの部分でございます。そういう視点からいいますと、両方を防がなくちゃいけないんだろうということになろうかと思います。
 前者につきましては、先ほど話がありました登録制度の改正であるとか、こういう点が重要であり、また費用徴収時点というのを、排出時に取らないということも有効に寄与するというふうに考えておりますし、またルート内部での不法投棄につきましては、ここを動脈対応に戻すということで不法投棄は大幅に減少するだろう。そういう意味で、この法案によって不法投棄はほとんどなくなる方向に向かうのではないかということを期待しております。
 また、万一不法投棄が生じた場合等につきましては、それはきちっと厳しく罰していくシステムがないといけないんだろう。これは、先ほどからの話にありますように、努力した人が報われるというシステムの裏返しの話かというふうに思っています。
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