赤松正雄の発言 (憲法調査会)
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○赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。
沖縄での憲法調査会公聴会、今お二人の方からお話ございましたけれども、若干、私にとって後味の悪いものでございました。
といいますのは、今もお話が一部ございましたけれども、憲法のあり方をめぐって議論をすることさえ阻止したいという傍聴の人々によるやじ行為でしばしば会議が中断されたからであります。論憲の立場で、タブーを設けないで二十一世紀のあるべき日本の姿を探ろうとする私どもの立場からすれば、極めて不可解な行為でありました。
沖縄が、戦前から今日まで、日本の中で特別な位置にあり、今なお米軍基地が集中的に存在する戦略的拠点であることを踏まえた上で、どう安全保障の問題を考えるかは大変重要であります。改憲と護憲とが真っ正面からイデオロギッシュに対立して、お互いの主張に耳を傾けないということではならないと思います。
沖縄が、その特殊な歴史的経緯から、いまだなお冷戦、新冷戦というべきかもしれませんが、そのただ中にあるがゆえに、冷戦思考、新冷戦思考から抜け切れない現実は、ただただ不幸であると言わねばなりません。例えば、翌日の地元の新聞に、「平和外交で九条護持 自衛権の明記は必要 有事法制絡み意見対立」このように書いておりました。私は、平和外交を展開することと自衛権の明記ということは何ら矛盾しないと思います。軍事に偏重せず、非軍事平和外交に専念せよという主張に立つことと、国家として自衛権を持ち、その最小限の裏づけとしての力の備えを持つことは、当然、両立することであります。
たまたま、憲法調査会の直後に、沖縄大学の下地玄栄教授を会長とする沖縄国連研究会の代表メンバー数人と私は懇談する機会がありました。この研究会の主張は、一言で言えば、沖縄に国連アジア本部を誘致し、世界に向けて沖縄の平和の心を発信しようというものであります。アジア本部の設置につきましては、私ども公明党も、かねて強く推進を提案してきております。軍事力に偏重するのではなくて、対話を中軸に据えて、アジアの諸課題を関係各国が議論したり、懸案解決への取り組みに汗を流すセンターをつくろうというわけであります。
現時点では、外務省は、沖縄への交通アクセスが悪いとか、既に国連大学が東京にあるとか、あるいは同じアジアのタイに国連の機関があるとか、いろいろ理由を挙げて、後ろ向きの残念な姿勢を繰り返しております。また、アメリカのシンクタンクを使って調査をしたけれども、誘致をするに当たってプラスの結果は出なかったとして、この試みを封印しようとしております。とんでもないことであると私は考えております。沖縄こそアジアの平和戦略のかなめ石であり、そのかぎを握るのが国連アジア本部の設置であるということは、だれよりも現地沖縄の官民挙げての願望であることをしっかりその場で訴えられた次第であります。
国連研究会の皆さんの熱い思いを聞いて、沖縄の憲法調査会公聴会でのいわばイデオロギッシュな意見ではない、具体的な平和の礎づくりに向けての主張に接して、救われた気分になって帰ってきたということを報告したいと存じます。
今もお話がございましたけれども、この国会の後半国会における最大のテーマであります、いわゆる有事法制に関連する三法案の審議につきまして、万が一という表現がしばしば使われますけれども、万のうち九千九百九十九まで平和構築に努力をしても、残された一ポイントが有事に直面し、なすすべなくじゅうりんされるということであれば、すべては、その九千九百九十九の努力が水泡に帰すわけであります。
文字どおり、万が一のケースに対応する法律を用意するのが政治の責務である、こういうふうに申し上げまして、私の報告並びに感想を終わらせていただきます。ありがとうございました。