金子哲夫の発言 (憲法調査会)
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○金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子でございます。
さきの沖縄での地方公聴会を受けて、幾つかの御意見を申し上げたいと思います。
さきの大戦において日本国内で唯一住民を巻き込んだ地上戦が行われた沖縄での地方公聴会に参加をしまして、改めて憲法に明記された平和主義について思いを新たにいたしております。
とりわけ、人類最初の核兵器が投下され一瞬にして十数万のとうとい命が失われた広島、そして二十数万の命が失われた沖縄戦、いずれの地でも多くの一般市民の命が犠牲となったことを銘記しなければならないと思います。そして、その犠牲と反省の中に憲法の前文と第九条があることを、公述人の多くが指摘されたように思っております。
復帰までの長い道のりがあった沖縄、そして今なお国内の米軍基地の七五%が存在する沖縄だけに、山内公述人が述べられた、平和憲法の果たしている役割は極めて大きく、戦後、今日までの日本の復興、発展の揺るぎない基盤となり、平和国家としてその手本を示すことができたのです、それは憲法九条と前文に打ち込まれた平和主義の存在のおかげであります、今日、日本で世界に誇れるものがあるとすれば、それは世界の頂点に立つ日本の平和憲法であると確信します、憲法九条は、制定当時も、現在も、これから先も、日本国民にとっての命そのものであり、二十一世紀の人類の指針を指し示すものでありますとの言葉を改めて認識したいと思います。
さらに、沖縄での地上戦を体験された山内公述人は、武力による平和ではなく、平和的手段による平和を実現するという発想の転換が今求められていますと指摘をされ、さらに沖縄戦の教訓、それは戦争になれば軍隊は国民を守らない、守れないということですという言葉は、今日本の安全保障、有事法制の審議がされようとしておりますけれども、沖縄のこの体験をしっかりと受けとめて論議をしなければならないと考えております。何をもって平和を築くかということが極めて重要だというふうに考えます。
また、安次富公述人の応募要綱にも、唯一の地上戦を経験し、数多くのとうとい人命と県全体が焦土と化した悲惨な歴史を原点としている、それゆえに、平和への思い、恒久平和を願う志向が強く、県政においても積極的に平和行政を推進しアピールしている、沖縄で生まれ、沖縄で育った者として、憲法で定める恒久平和の理念というものは、世界で最もすぐれた高度な理念であり、すべての国が持たなければならない理念であるとされております。
備えあれば憂いなしということが言われておりますが、私は、まさに日常不断の平和的努力によって、憂いをつくらない政治こそが今求められているということが、沖縄の公聴会でも主張されたと考えております。
憲法前文の最初に、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定すると述べ、第二段目では、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意したとしています。
それは、戦争の惨禍が起こるのは、政府の行為によって起こるということを明記しているのであります。政府はそのような事態に至らせないための日常不断の外交努力こそが重要であることを、この憲法前文が明らかにしていると考えております。まさに日本国憲法こそが二十一世紀に最重要視されるべき憲法だということを、この沖縄の憲法調査会公聴会でも指摘されたと考えております。むしろ、その精神を世界に広げることによって、世界平和実現への名誉ある地位を占めることができるようにするべきだと考えております。
特に、沖縄の公述人の皆さんから、沖縄にとって平和憲法は闘い取ったものだということが言われておりますけれども、この沖縄における憲法調査会に参加し、改めてそのことの意味というものを重く受けとめながら、今後の調査会活動を推進したい、そのことを強調して、私の意見といたします。