小林憲司の発言 (憲法調査会)
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○小林(憲)委員 先ほど来たくさんの派遣委員の皆さんからお話を聞きまして、沖縄地方公聴会はやはり非常に興味深く、これからの憲法を論じるに当たっての国民の皆さんの意見があったというふうに感じております。
沖縄は、さきの大戦において、我が国の国土で唯一外国から侵略を受け、占領されていた地域であります。折しもこれから論議されようとしている有事法制、武力攻撃事態法案を考える場合、極めて具体的にイメージがわく地域と言うことはできるのではないでしょうか。
そこで、今般の武力攻撃事態法案と憲法との関連、沖縄との関連について、少々お時間をいただいて、お話しさせていただきたいと思います。
まず、武力攻撃を初めとする有事への対応は、本来、憲法で定められるべきものではないかと私はいつも意見を言っておるわけでございますが、日本は、危機が起こるたびに個別の法律をつくって切り抜けてきているわけでございます。国際緊急援助隊派遣法、国際平和維持活動協力法、周辺事態法、船舶検査法、テロ対策特別措置法など、たくさんの、何か起こればその都度こういうものをつくって切り抜けてきている。
このような法体系の積み上げ方式はもはや限界に来ているのではないでしょうか。今日の紛争や事態が、単一でない、テロのようなことが複雑な様相で起こっておるわけでございますが、国家の対応は、事態によって法体系と手続が異なるので、効率的な対応が困難である。国家にとって最も重大で深刻な事態である緊急事態に対する対応のあり方が、米国、フランス、ドイツを初めとする先進国と同様に、憲法上にきちっと規定を設けるべきというのが私の意見であります。
我々日本が敗戦をしたときに、東京裁判から始まり、受けたくもない裁判を受けて、そして憲法ができてきているわけでございます。
去年の七月、石垣島に行きました。ちょうど、グラマン事件といいます、石垣事件というもののモニュメントをつくるということで、地域の方と交流があったので行ってまいりました。名もない日本の沖縄の兵士が、アメリカの若い兵隊さんたちがグラマンで石垣に不時着をしたときに、それを何の法規もなく、上官に言われて、死刑というか殺害をしてしまった。それに対して、今モニュメントをつくって、石垣事件があった、その三人の兵士の慰霊をする。しかし、アメリカの兵士を殺してしまったその名もない日本の兵士は、上官から言われてしただけである。それなのに、東京裁判にかけられて処刑されてしまった。その親族の方々がまだ生きてみえて、そのモニュメントを見て複雑な思いである。
日本の国として敗戦をしたことによって、そしてまた、その危害を加えたことによって、人権が、そして自由が確保されないで、いろいろなこういう悲しい出来事ができてきた。こういうことはもう二度とあってはならないという沖縄の皆さんの怒りはあると思います。
しかしながら、これからどんな事態になるかわからない日本において、しっかりとした国として、憲法上で、国民と国家を守っていくんだ、安全保障をしていくんだということは明記すべきだと私は思っております。
特にまた、米軍が基地を有する沖縄においては、米軍が我が国の領域内で円滑に活動することを確保するとともに、日本国民の権利、自由をいかにして確保し調和させるかということは極めて大事であるというふうに思っておりますし、武力攻撃事態法において、米軍との関係については、本法律施行後二年以内に法整備するというのが、郷土を侵略された経験を持つ沖縄県民の心情を考えれば、他の事態対処法の中でも最優先で検討されるべき事柄であるというふうに私は思っております。
以上です。