葉梨信行の発言 (憲法調査会)
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○葉梨委員 浅学非才でございますけれども、少し勉強してきたことを皆様に申し上げてみたいと思います。
平和憲法ということで、私どもは誇りに思って終戦後の日本で出発をしたわけでございますが、戦争の放棄とか武力行使の禁止など平和条項を掲げた憲法は、歴史的に振り返ってみますと、我が国やイタリー、ハンガリー等数十カ国ございます。そしてさらに、項目を細かく拾っていくと、百二十四カ国に平和憲法がございます。
一七九一年フランス憲法にもそのような条項がある。一九〇七年十月、ハーグで国際紛争平和的処理条約というのが成立いたしました。そして、しかも、第一次世界大戦が勃発をいたしまして、その反省として、一九一九年、ベルサイユ平和条約が締結され、また、国際連盟規約が発効いたしました。一九二四年にはジュネーブ議定書、二五年にロカルノ条約、一九二八年には不戦条約が成立いたしまして、平和条項が一層推し進められました。国際紛争解決の手段としての戦争、国策遂行の手段としての戦争は違法とされたわけでございます。
こういうように、平和主義志向の高まりにもかかわらず、第二次世界大戦が勃発し、御存じのような惨禍をもたらして、戦争が終わったわけでございます。そして一九四五年六月、国際連合憲章が制定され、国権の発動たる戦争、武力による威嚇または武力の行使はこれを禁止するという国連憲章が発表されました。我が国の憲法第九条はこのような文脈の中でとらえられているわけでございます。
我が国の九条論議について考えてみますと、制定されました終戦直後から昭和二十五年六月、朝鮮戦争勃発までが第一期であろうと思いますが、朝鮮戦争から警察予備隊、保安隊を経て、昭和二十九年自衛隊が発足いたしました、これが第二期であろう。そして平成二年、一九九〇年八月の湾岸危機発生までが第三期であろう。そして、アメリカを初めとする諸国が参戦をしました後、現在に至るまでが第四期になるのではないか、こういう説を唱えている専門家がおられるわけでございます。
そこで、我が国の九条論議でございますけれども、非常に文言が複雑であり、しかも大変多様な解釈ができる。その解釈の中で、自衛隊合憲論が我が国では確立して、自衛隊が憲法の条文のもとに活躍しているわけでございます。
第三には、安全保障に関する無責任体制と申しますか、大変観念的な、特殊日本的な平和観念が横行しているということ。このことは、虚心に私は耳を澄ませる必要があると思うのでございます。
平和を唱えることはすなわち非武装の状況にあるということ、武装するということは平和を破壊するという、まことに現実に合わない観念がまだ広く行き渡っているということ。実は、軍事力が平和に貢献し、一つの抑止力として機能し、そして平和状態を現出しているという状況が現実にあるわけでございます。
我が国がアメリカとの安全保障条約を結び、沖縄に米軍が駐留することによって、我が国並びに我が国の近くの国々の力のバランスが保たれ、そして戦後、朝鮮戦争が終わりました後、ずっと平和が保たれているというこの事実をまず受けとめて、それから我が国のこれからの安全保障状況はどうあるべきなのかということをお互い議論をしていきたいと思う次第でございます。