赤松正雄の発言 (憲法調査会)

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○赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。
 衆議院の憲法調査会も、スタート以来二年半を経まして、ほぼ中間の折り返し点を迎えました。
 先ほど来、小委員長からの御報告、また自由民主党、民主党の委員の方から、これまでの、今国会の小委員会における御発言のエッセンスのようなものが述べられました。私も、国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会に所属をしてまいりまして、五回にわたっての参考人に対する発言にさまざまな議論をさせていただいたわけでございますが、その中身につきましては、議事録あるいは調査会発行の論点整理メモに譲るといたしまして、きょうは、沖縄に続きまして北海道での公聴会に参加をいたしまして、強く印象に残ったことを中心に申し上げたいと思います。
 まず、基本的に、護憲の立場に立つ公述人におきましても、憲法第九条については断じてさわるべきじゃないというものの、それ以外のテーマにつきましては柔軟に対応する余地があるとする発言が、北海道での公聴会において非常に特徴があったと見るべきだと私は思います。
 これは、憲法調査会に対して寄せられる一般の国民の皆様の意見の中身と共通するところでもあろうかと思います。つまり、テーマを明確にした上での護憲論は圧倒的に憲法第九条に関するものが多くて、改憲論についてはそれ以外のものに関するテーマのものが多い、そういう傾向が見られるからであります。
 例えば、北海道ではこういう公述人の意見がありました。いかなる困難があっても憲法三原理は堅持するべしとされた公述人が、それでも改革の余地があると思うテーマとして、一つはレファレンダム、国民表決の明記、二つは憲法裁判所の設置、三つは首相公選制の検討、四つは公共の福祉概念の明確化、五つはプライバシー権などの鮮明な規定、この五つを挙げられました。
 私は、問題の所在をよりはっきりさせるために、これらは憲法明文の改正か、それともいわゆる改革で済むと思っておられての発言なのかと詰めて、二者択一的に聞きました。それに対して、公述人からは、論理的な感覚と政治的な感覚とが自分の中でもなかなか整合していないとか、いささかアンビバレントな悩ましい感じを持っているとの苦衷を率直に述べられて、最後に、国民にその考え方を問うのが筋だと思うとされたのが極めて印象に残りました。
 特に、この学者の公述に対して、終了後に会場から、なぜはっきりと憲法明文改正には反対だと明言しなかったのか、あいまいな言い方は許せないとする若い学生の傍聴人からのいかにも乱暴な発言がありました。そのときの公述人の苦笑いを含んだ複雑な表情を私は忘れることができません。私はここに、憲法明文を改正することについて、最初の一歩すら踏み出せぬちゅうちょとでも言うべきものを感じる向きがいまだ日本に多いとの現実を集約的に見る思いがいたしました。
 従来からの憲法論議は、ややもすれば、憲法は現実に合っていないから現状に沿って変えようとの立場と、逆に、憲法に現実を合わせるべきだとする立場のぶつかり合いが繰り返されてきています。
 それに対して、憲法か現実かの対立の図式ではなくて、憲法も現実も変化する対象ととらえて、しかも、それを二十一世紀のあるべき日本の姿から照らして考えてみようというのがこの憲法調査会のスタートの考え方であったと思います。改めて原点を確認する必要があります。
 残された後半の議論を前に、タブーを設けないで、変化をもたらすべき対象としての憲法と現実の双方をしっかり見据えて議論をしてまいりたい、そういう決意を申し上げて私の発言を終わります。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 赤松正雄

speaker_id: 4375

日付: 2002-07-25

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会