2002-03-28
衆議院
畠山襄
憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会
畠山襄の発言 (憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会)
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○畠山参考人 それで、今お配りしております資料にありますように、主要な日本への農林水産物の輸入相手先をごらんいただきますと、一位が米国で、二位が中国、カナダ、オーストラリア、こういう順番になっているわけでございます。
それで、私は個人的には、この農産物の取り扱いについてどうすべきか、そういうことを申し上げられた義理ではありませんが、長年こういう問題にタッチさせていただいておりますので、あえて個人的な意見を申し上げさせていただきますると、食糧安全保障上どうしても守ることが必要という品目については断固として守るということであろうかと思います。
ただし、その重要な品目を守るために、その周辺の品目と言っては語弊があるかもしれませんが、その他の品目もずっと並べて、いわばカードを持っていて、最後で切りたいとかいうようなことかもしれませんが、そうやって守るということはやめる。重要な品目を除いて、そうでない品目は、どんどんFTAやWTOで自由化をしていくということが大事ではないかと思います。
無論、しかし急激な変化はいけませんので、そういう自由化をする品目につきましても、もし必要があれば、先ほどWTO上許されていると申し上げました経過措置を十分に利用いたしまして、十年までは許されるわけでございますから、十年後に自由化するとか、場合によってはそういう品目についてそういう措置を講じて、急変緩和をしていくということが必要かと思います。
それから、よく農産物の場合に問題になりますのは、例えばメキシコと自由貿易協定を結ぶ、そうすると、アメリカの農産物がメキシコ経由で日本へ関税ゼロで入ってくるんじゃないか、こういう御指摘をいただくわけであります。そういうことはございません。メキシコの産品でなければ、日墨自由貿易協定の関税ゼロの品目にならないわけでございます。
どういう品目がメキシコ産品であるかというと、原産地規則というのが必ず自由貿易協定の中に決められることになっておりまして、いろいろな決め方がございますけれども、関税分類が全く違うことになっちゃうか、あるいは付加価値が五割も付加されるか、大ざっぱに申し上げれば、そういう二つの基準でやっているわけでございます。だから、アメリカの農産物が手つかずで、単にメキシコを経由しただけで関税ゼロで日本に入ってくるなんということは、日墨自由貿易協定を結んでもないわけであります。
それから、第二の残された課題は、これは技術的な話で恐縮でございますし、やや役所間の問題にもなって恐縮でございますけれども、自由貿易協定の交渉体制、審査体制の問題であります。
まず、周辺のことから申し上げますと、主要国は、自由貿易協定の交渉に外務省などまずほとんど出てこないわけであります。経済省、貿易担当省が出てくるわけでございます。例えば、アメリカはUSTRであります。EUは、外交総局ではなくて通商総局が出てくるわけであります。メキシコも経済省がやっているわけでありまして、外務省なんかは出てこないわけであります。
具体的に各国とこれだけいろいろやらなくちゃいけないというときに、外務省が必ず出てこなくちゃいけないとなると、人繰りがつかないとか、そういうこともありますし、それから審査も条約局が一々やらなくちゃならないとなりますと大変ということでありまして、やや古巣の経済省を応援するような話で申しわけないのでありますが、経済省あたりにまとめさせたらよろしいんじゃないかというふうに思うわけであります。
それから、最後でありますが、現在の自由貿易協定をどういう国とどういう順番で結んでいったらいいのかというところはあいまいであります。率直に言って、今受け身であります。なぜかというと、日本の中では、コンセンサスをとって、そして提案していくことが非常に難しいからであります。
しかし、御存じのとおり、EUというのは、ジャン・モネという人が、この指導者の一人が構想をして、ザールという当時の西ドイツの石炭の地域を共同管理しよう、そのために炭鉄共同体をつくろうと。そしてそれを、ロベール・シューマンというフランスの外務大臣が、政治家の方が提案をして、今日あのユーロをもたらしたわけでございます。
それから、時間が過ぎて恐縮でございます、カナダでございますが、カナダは、米加自由貿易協定を結ぶ際に国内で大変な反対がございました。カナダの外交の一大原則の一つは、アメリカからの独立であります。それを米加自由貿易協定によって失うのではないかという強い反対がありましたが、それを当時のマルルーニ首相が押し切ったわけであります。そして、米加自由貿易協定を結びまして、それは議会で否決をされました。そうしたら、議会を解散しまして、米加自由貿易協定締結否かどうかということだけをスローガンに選挙に打って出たわけでございます。その結果、大勝しまして、そして米加自由貿易協定ができたということでございます。
ですから、せっかくでございますので、きょうは我が国の非常に偉い指導者の方がお集まりでございますので、ぜひお願い申し上げたいのは、この自由貿易協定の策定という問題も通じながら、日本が国際的なリーダーシップをとれるよう、ぜひ政治家の方々のリーダーシップを御発揮いただきたい。
ちょっと最後、非常に僣越なお願いになりましたけれども、そういうことで御説明を終わらせていただきます。大変御清聴ありがとうございました。(拍手)