2002-05-09
衆議院
寺島実郎
憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会
寺島実郎の発言 (憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会)
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○寺島参考人 私は、解釈改憲というふうな技術的な、いわゆる原則の崩壊みたいなことはまずいというふうに思っていまして、変えるならば、きちっと憲法を筋道通ったものにすべきだというのは先ほど申し上げたとおりなんです。
今おっしゃった点について、ちょうど国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会の関係法規集というものの百六ページに、まさに日米安保条約がきちっと載っかっています。その冒頭のところをごらんになればわかるように、ここに「両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、」と明確に日米安保に書いてあるわけですね。したがって、私も、自衛権に集団的も個別的もなく、いかなる国も自衛権を持っているし、原則的にこの国も集団的自衛権も個別的自衛権も持っている。
しかも、最も重要なのは、自衛権の発動に対する主体的判断力をこの国が持っているのかというところを重視しなきゃいけないと思うのですね。つまり、集団的自衛権を行使する判断、一緒に参画してこの国の防衛を図る、判断する、そういう基軸を持っているのかというところがポイントで、例えば今般の有事法制に関する議論にも絡んでくるわけですけれども、国家として、緊急時に対して緊急権を確立しておくということはある程度必要だということはよくわかります。
だけれども、問題は有事認定というものです。その有事の認定にこの国が主体的な力を持っているのかどうか。現実論として、集団的だろうが個別的だろうが、今この国が、周辺事態という言葉で呼ぼうが有事という言葉で呼ぼうが、アメリカが現実的に軍事力を行使する行動に出た場合には、ほぼ自動的に、実態的にそれに巻き込まれていかざるを得ないという構図になっていることこそ問題なのではないか。
したがって、この国が主体的に有事を線引きできる立場を確立するというのが、先ほど申し上げた、例えば地位協定だの基地の縮小だのという話を持ち出した最大の理由で、あとは、ある種の細かい技術論を超えて、日本が主体的に有事を判断できるようなさまざまな制度設計といいますか、例えば国際情勢を判断する情報力というものも含めて、国家としての戦略を確立する上での前提として、いかにも虚弱な部分を抱えているというのが僕の実感です。
つまり、先ほどから繰り返しているように、アメリカというフィルターを通じてしか政策を判断できないようなところにまでなっているのではないかという問題意識を前提にして、今申し上げたような話でお答えにさせていただきたいと思います。