2002-05-09
衆議院
寺島実郎
憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会
寺島実郎の発言 (憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会)
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○寺島参考人 今のブッシュ政権の中国政策というのは、台湾問題を封印しながら、台湾問題の存在をきちっと重視しているということを明確にしながら中国との関係を改善していこうという、いわゆる七九年の上海コミュニケみたいなところに戻ったというふうに考えていいだろうと僕は思っています。
その背景には、先ほど申し上げたように、やはり二十一世紀の経済大国中国に対するアメリカの、ビジネスの熱烈とも言えるような関心。アメリカにとっての貿易赤字ですが、米中間の貿易赤字の方が日米間の貿易赤字よりも超えたという、去年からそういう数字になっているわけですけれども、アメリカにとって、日米間の貿易赤字と米中間の貿易赤字は性格が大きく違うんですね。
それは何が違うかというと、中国からアメリカに輸出されていっているものの六割は、アメリカの企業が中国に投資をして、そこの工場からできた製品が、例えばナイキの靴屋が靴の製造工場を中国につくって、それがアメリカに戻っていっているといいますか、いわゆるブーメランというものなんですね。したがって、アメリカの企業がもうかる形ででき上がっている米中間の赤字と、アメリカの企業がもうかる形にはなっていない日米間の赤字とでは性格が違うということが言われているのですね。したがって、対中最恵国待遇を毎年のように見直す行事が行われていたわけですけれども、ワシントンに圧力をかけに来るのは中国政府でもなければ何でもなく、アメリカの企業自身が最恵国待遇を延長しろという圧力をワシントンにかけるというか、それぐらい米中関係の密度というのは経済面でも深まっていっている、投資、貿易含めてですね。
しかも、先ほど申し上げたように、歴史的に見て、米中関係というのは非常に根の深い、在米華僑三百万と言われていますけれども、いろいろな意味で根深い関係を持っている中で、日本が、先ほど申し上げた米中日のトライアングルの中で、この両国との関係をバランスよく組み立てていくというゲームは物すごく難しくなってくるというか、それを意識しなきゃいけない局面に入っているということが、申し上げたかった大変大きな問題意識なわけです。