2002-03-14
衆議院
山口二郎
憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会
山口二郎の発言 (憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会)
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○山口参考人 まず、政治と行政、あるいは政治家と官僚の関係のあるべき姿という論点でありますが、私も先生の御指摘のとおり、官僚が善であって政治的圧力が悪だというような図式には全く反対であります。
ただ、行政の固有の領域というものは何なのかということをここで改めて考える必要があるわけでありまして、例えば、課長クラス以下の人事ですとか、あるいは、まさに役所が発注する仕事についての入札ですとか、そういう事柄は行政固有の領域であって、政治家はこれに関与すべきではない。それはまさに競争ですとか、あるいは客観的な評価ですとかというものに基づいて行うべき意思決定です。それに対して政治の論理が入ってくれば、どうしてもポストやお金というものを党派的に運用するという形になるわけでありまして、そういう面で、まず行政固有の意思決定の領域というものをはっきりと定義して、そこには政治は関与しないという新しいルールといいましょうか、のりをつくるということが私は必要だと思います。
政治主導ということについては、先ほども申し上げたとおりでありまして、私は、与党がもっと責任を持って政策決定のまさに枠組みをつくっていくことが必要だと思います。つまり、入札とか箇所づけとかという問題に首を突っ込むことは決して政治主導のあるべき形ではないわけでありまして、もっと根本的な、まさに経済や社会保障の大きな枠組みについて与党がはっきりした方針を示して、行政はそれを肉づけ、具体化するようなテクニカルな仕事をするという形の役割分担をきちっとつくっていかなければいけないというふうに思うわけであります。
それから二つ目は、日本の政党政治は選挙をどういうふうに改めていくのかということなんですけれども、これは大変道が遠いと申しましょうか、具体的にどこを変えればいいのかということになりますと、私も実は余り歯切れよくはないわけなんですが、一つ考えなきゃいけないのは、国政と地方政治の役割分担という問題だろうと思うわけですね。
先生がおっしゃった単年度予算の中で具体的に地域に対してどういう政策を行うか、どういう事業を行うかという問題は、これは別段国の予算として考える必然性はないわけでありまして、もう少し地域の問題については、地方分権を進めて、地方自治体でもって物事が完結するような仕組みをつくる。国会は、まさに国際社会、グローバルないろいろな問題に日本がどういうふうに対応していくかという、国政固有の問題について議論をし、枠組みをつくっていく。そういう形で役割分担をしていくことが何よりも政治を活性化するといいましょうか、政治の対応能力を高めていく一番の要点ではないかというふうに私は考えているわけであります。
そういう形で、要するに国政選挙というのは巨視的な、日本のまさに国としての進路を問う選挙なんだという舞台づくりが進んでくれば、各政党とも、逆に今よりももっと踏み込んだ形でビジョンを示して、政策で競争していく、地域固有の問題について競争するんじゃなくて、国全体の問題について選挙の場で議論をしていくという形に変わっていくだろうというふうに思います。
それから、望ましい政党システムという論点ですけれども、私は、やはり政権を担うある程度中心的な政党が必要だと思います。保守、革新とか、右、左というような軸はもう今すっかりあいまいになってきましたけれども、基本的な理念として、自由を重視するというのか、マーケットメカニズムを重視するという方向と、もう一つは、平等あるいは政府のある程度の介入を行うという二つ大きな固まりがあって、その他幾つか小さい政党があってもいいですけれども、やはり政権を担う軸というものははっきりした方がいいと思います。