伊藤公介の発言 (憲法調査会地方自治に関する調査小委員会)
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○伊藤(公)小委員 神野先生、大変貴重な御報告をいただきまして、ありがとうございました。地方分権のこれまでの歴史、また日本の税体系というものを大変わかりやすく御説明をいただきまして、ありがとうございました。
日本の税体系が集権的な分散システム、こういうものを、行政任務と課税権というものを見直していくべきだというようなお話がございましたが、私は、つたない自治省の政務次官で、実は全国の三千二百市町村に補助金をつけるという仕事を担当したこともございます。その後、国土庁の仕事などやって、今振り返ってみますと、やはり、先生が御指摘をいただいたように、日本の税体系というものが、ある意味では日本のそれぞれの個性というものをむしろ失わせてきているのではないか。
北海道から沖縄まで、三千二百を超える市町村の顔がだんだんみんな似てきた。それは、全国画一的なルールで一つ一つの公共事業に対して補助金をつける、国の決められたシステムあるいは計算にのっとっていろいろなものをつくっていけば、日本全国同じような顔になっていくのは当然でございまして、私は、まさに地方分権というものを今本気で考えなければならないときが来たし、また、何と言っても、先生御指摘をいただきましたように、課税権の問題が最も根本にあるんだろうというふうに思います。御指摘をいただいたとおりだと思います。
そこで、最近、東京都の銀行税問題ですね。私は、この銀行税問題そのものについて先生にどうだということをお聞きするということよりも、自治体の課税自主権の確立に関して一つの問題提起をしたのではないかというふうに思います。そのこと自身のよしあしや、また、それは法的な問題にもなっていくんだろうと思いますけれども、自治体が独自に創意工夫をした課税権を行使できるという状況に私たちは大胆に変えていかなければならないというふうに思うわけです。
今回の東京都のこのような試みが、こういうことによって、せっかくの提言が方向づけを見失うことのないように、むしろ、その方向が評価されて、課税権というものが積極的に拡大されていくという方向に行くべきだというふうに思いますが、まずこの点について、少し先生の御感想を含めてお伺いしたいと思います。