神野直彦の発言 (憲法調査会地方自治に関する調査小委員会)
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○神野参考人 まず、確かに国によって異なった税体系をとっておりますが、世界の流れを見てみると、ヨーロッパでは大体地方自治体の仕事というのは教会がやっていた仕事ですね。教会税を取ってやっていた仕事でございまして、先ほども申しましたように、医療とか福祉とか教育とかというようなことに限定されているわけですね。
ただ、二十世紀から十九世紀にかけて、そういう対人社会サービスが非常に需要がふえてまいりましたので、イギリスでもフランスでも大きな動きが出てまいりました。
これは、イギリスではレイフィールド委員会という委員会をつくって、先ほど申しました地方所得税を、スウェーデンのまねをして入れよう、こういう結論を出したところでございます。ただ、これは実現しませんで、御案内のとおり、コミュニティーチャージを導入して、ちょっと混乱をしているというのがイギリスの状態でございます。
それから、フランスも地方分権の改革を行いまして、ミッテランのときに、自動車の登録関係税含めて、国税から地方税に移譲しながら対応していこうということを行っているところです。
伊藤先生が御指摘のように、しかし、そうはいっても、地方によって、自主的な財源が少ないところがどうしても出てまいります。先ほども言いましたように、できるだけ自主的な財源でできるように税体系を変えて、自主的な財源でもできるようにしておく。どうしてもできなければミニマムを保障するというようなことをやるのが順序だろうと思いますので、現在の地方税の体系をまず改めるというのが先かと思いますが、その上で、どうしても小さいところ出てまいります。
これはどういうふうにやるのかということについては、二つやり方がございまして、一つは、合併をするというやり方ですね。もう一つは、合併をしないで協力をする、連合をするというやり方だろうと思います。
前者の方の合併をさせたのはスウェーデンでありまして、これは強制合併させております。一方の連合をとったのはフランスで、これは日本で言うと広域連合ですが、連合制度をとっていますが、この連合体にもフランスは課税権を与えております。
したがって、いずれにしても同じことだと思います。つまり、小さな自治体でできない行政を、できるだけ協力し合いながら、地方自治体が自分たちでできないことを少し大き目な団体をつくって実現させていくということをやっていくことしかないのではないかというふうに考えています。