神野直彦の発言 (憲法調査会地方自治に関する調査小委員会)

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○神野参考人 ドイツは協調的連邦主義と申しまして、州に課税高権、税金をかける権限があるのですけれども、アメリカのように州が連邦に対して強い自律権を持つのではなくて、連邦と州が共同して任務を果たしていこうという原則のもとに共同税というのをつくったというふうに私は理解をいたしております。そういう意味で、いわば垂直的な政府が連帯といいますか、協力し合ってつくり上げた制度が共同税だというふうに理解しております。
 これは、共同税に一長一短ございますので、これも慎重に議論をすべきことだろうと思います。ドイツの場合には徴収権は州が持っているわけです。徴収権で申しますと、フランスの場合には全部国が持っております。スウェーデンの場合には独法化されておりますので、国の機構なのか、中央政府の機構なのかちょっとわからないのですが、独立した機関がとにかく徴税を一括して行うというやり方をとっております。
 この共同で徴収をするという機構をつくったときの問題点は、取れなかったときどうするかということなんです。山奥に取りに行くのは非常に大変だから、全体で数が合えばいいので取らないというようなことが起きたときに、その山奥の大変にコストがかかるところを一元的に徴収をすると取られない可能性があるので、そのときには、フランスの場合には、中央政府が、取れなかった場合には全部予算どおりのものを地方政府に補償することにしているわけですね。
 ですから、徴収ができなかった場合などについてどこがどういう責任をとるのかという問題が生じてまいりますので、私たちの財政学では、徴収権と、税金をつくる立法権と、それから税金をもらう権限、これはできれば三位一体にしていた方がいい。しかし、さまざまな場合がございますので、共同税という場合には立法権をどこが持つのかというのが問題になるわけです。
 ドイツの場合には、中央政府と地方政府の共同の意思決定機関として参議院が位置づけられておりますので、そういう共同立法ができるということになっていますから、では立法権はどうするかと。徴収だけ共同にするのか、配分の方は今度は別々にするのか、こういう問題が出てまいりますので、そこら辺の状況を考えて、また税金によって異なる場合もございますから、共同税になじむ税とそうでない税金もございますので、慎重にこれも考慮して検討していく必要がある問題で、にわかに結論はなかなか出し得ないんではないかというふうに思っております。

発言情報

speech_id: 115404191X00320020509_014

発言者: 神野直彦

speaker_id: 25094

日付: 2002-05-09

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会地方自治に関する調査小委員会