神野直彦の発言 (憲法調査会地方自治に関する調査小委員会)
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○神野参考人 分権委員会の議論の中では、今、先生がおっしゃったような数字は飛び交っておりましたが、最終的にまとめたものではございません。それで、私などが試算をいたしますと、先生が今おっしゃったような形でもって、一律の一〇%に所得税をいたしますと三兆円行きますし、地方消費税の方でも、先生がおっしゃったような数字で二・五兆円行きますので、それをやれば五対五という数値になるということになるかと思います。
地方財政学の方では、昔から割と五対五にしようという案が多かったのは、五対五にするといわゆる国庫支出金の分だけが行くだけでもって非常にうまくいく数値になりますので、そういう五対五にするという意見が昔からございましたので、それが一つの案かというふうに思います。
ただ、段階的にどうやるかというお尋ねかと思いますが、これについてはなかなか難しい問題がございます。つまり、移譲すれば、必ずどっかの地方自治体に多く行ったり、どっかの地方自治体に少なく行ったりいたしますので、これをどうにか余り現状と変化のないようにしようとすると、なかなか難しいテクニックを使わなければならないということになります。
これも私の学生などに説明をすると、なぜそんな、現状と変わらないようにする、激変緩和をしなくちゃいけないんですかと質問を受けるんですね。激変緩和をするのであれば改革しなきゃいいじゃないですかとよく素朴に質問されますが、それはいっても、さまざまな利害調整をするという意味で激変を緩和していくということで考えていきますと、一挙に五対五に持っていく中間段階として三兆円ぐらいの移譲を考えていくということであると、どうにか特定の地方自治体に税が集まるということを回避しつつ移譲することが可能になるということですので、私の個人的な考え方ですけれども、まずステップはそこかなということは思います。
先生がおっしゃった五対五にするということになってまいりますと、これは交付税とか、ほかの全体の、現状の仕組みの骨格をなしている部分にも手をつけないと、現状とかなりかけ離れた、特定の地方に税源が集まるという結果になってしまうということだと思います。ですから、まずできるところからステップでやっていくというのが現実的なのではないかというふうに思います。