神野直彦の発言 (憲法調査会地方自治に関する調査小委員会)

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○神野参考人 この一九二八年あたりから地方分権の動きが出てまいりまして、それがなぜ進まなかったのかという歴史的な教訓は、今にも当てはまるわけですけれども、その後、日本は、非常に不幸なことに、大恐慌という不況を経験いたします。そうすると、国の財政も破綻し、もちろん地方の財政も破綻し、現在と同じような状況になっていくわけです。その過程の中で、結局、税源移譲とか分権とかという問題がないがしろになってしまった。結局、御案内のとおり、不幸な戦争の道を歩みつつ、集権的な構造をむしろ強めてしまう、戦時財政をやっていくためにはどうしても集権的な財政にせざるを得ませんので、強めてしまうという不幸な結果になってしまったということだと思います。
 ですから、そこから教訓で引き出せることは、分権が叫ばれるときというのはいつも不況なんです。逆に、不況だから分権が叫ばれるのかもしれませんので、この不況をどうやって乗り切るのかというのは、先ほど来諸先生方の御意見にもありましたように、国民がこの不況の中で不安にあえいでいくと、戦争に入っていったりなんかした歴史を考えてみると、将来不安をできるだけ早く払拭する意味でも、地方自治体から人々の生活をちゃんと保障できるようなサービスを出していくということが必要だろうと思います。
 それから、もう一つ重要な点は、私たちはどうしても、日本で民主主義が育たない、育たないということを繰り返しいろいろな場所でお説教されてきたのですが、この間ちょっとヨーロッパに行ってびっくりしたんですけれども、ヨーロッパでは民主主義を育てようという政策を政府がやっているんです。私たちは、そういう意味で、民主主義というものも、日本は民主主義が育たないねというふうにあきらめるのではなくて、どうしたら民主主義というのは日本で育つのだろうかという仕組みを諸先生方にも考えていただいて、そういう政策を打っていくということが重要ではないかと思います。

発言情報

speech_id: 115404191X00320020509_022

発言者: 神野直彦

speaker_id: 25094

日付: 2002-05-09

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会地方自治に関する調査小委員会