鍵田節哉の発言 (厚生労働委員会)

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○鍵田委員 おはようございます。民主党・無所属クラブの鍵田でございます。本日のトップバッターを務めさせていただきます。
 本日は、健康保険法の一部改正案並びに関連法案、さらには民主党提出の関連二法案、これらにつきましての質問に入らせていただくわけでございますが、この法案の審議に入る前に、恐らく大臣のところにもたくさんの関係団体から多くの要望なり要請が参っておるのではないかというふうに思いますけれども、私のところにも、あらゆる団体から、この健康保険法の一部改正案についての要望がございます。しかし、その大部分、というより全部と言ってもいいぐらいの内容は、この法案を何とか廃案にして出し直しをしてほしい、こういう要望でございます。この法案を何とか通してほしいというふうな内容の要望は全くないと言っても過言ではございません。
 もちろん、一般的に、どんな法案でもそうでございますけれども、国民の負担を強いるような、保険料を引き上げるとか、またはその他の負担を強いるような内容を持った法案については余り評判がよくない、それは当然のことだと思います。人情としてそのことはわかるわけですけれども、ちょっと今回の場合には、それらとは全然違った様相を持っておるということが言えるのではないかというふうに私は受け取っております。
 それは何かといいますと、この法案の審議に入りましてから、既にきょうで四回目になるのですか、前三回の審議をお聞きしておりましても、その中身につきまして、例えば保険料の負担の問題、さらには医療費の一部負担の問題、そういうことにつきまして、その負担のあり方が高いとか低いとか、合理的であるとか合理的でないとかというふうな議論はほとんど聞こえないわけでございまして、その議論のやり方というのを見ておりますと、九七年の改正のときに、当時厚生大臣であった現小泉総理が、二〇〇〇年までには医療の提供体制や保険者の財政の逼迫している現状の打開なりを抜本的に改革して、国民に安心と安全とを与える、そういう改革を実現するのだと強調をされまして、そして、衆参の審議の中で、そのことが中心になって、この法案を最終的には強行的に通過をさせたという経過があるわけでございます。
 それから五年経過をしたわけでありますけれども、その今日、この抜本改革というものはほとんど手つかずのままで今日の一部改正案が提出されておる。このことに対しての国民の大きな怒りと不安がこのような審議になっておるのではないかというふうに思うわけでございます。これは政府の公約違反であり、国民への裏切り行為と言える内容でございまして、こういうことをもう許せないというのが国民世論でありまして、それを背景にした今回の審議になっておるわけでございます。
 聖域なき構造改革という美名のもとに国民の負担だけを強いる今回の改正案をもし強行するようなことがあるとするならば、もう現在の与党に対して許すことができない、そういう国民の大きな怒りがうねりとなって今出てきておると言えると思います。
 私は、坂口大臣の御就任以来の、ハンセン病問題やヤコブ病問題でとってこられた業績というのは、厚生労働省にとりましても歴史に残る業績ではなかったかというふうに高く評価をしておりますし、今までの厚生大臣や労働大臣とは一味も二味も違った大臣だなというふうに見させていただいておったわけでございますけれども、今回のこの法案の取り扱いにつきましては、残念ながら、その評価を大きく変えざるを得ない、こういうことだと思っております。
 私は、九七年の改正のときには坂口大臣と同じ新進党に所属しておりました一員として、若干お聞きをしたいというふうに思います。
 あの九七年改正のときには、私たち新進党は言うまでもなく政府案に対して反対をいたしました。あのときの衆議院厚生委員会における反対討論は、新進党解党後に大臣と同じく公明党に移られた大口議員でございましたけれども、その中にはこのような言葉がございます。
 「今回の改正案というものは、」これは九七年の当時のことでありますけれども、「医療保険の構造改革について明確な方向を全く示しておりません。良質な医療の提供、医療制度の適切な効率化、薬価差、新薬シフト、高薬価シフトの解消、世代間の公平、高齢者医療の改革等、このような構造的な抜本改革を先送りして、国民負担増を求めるものであります。」「こういう負担増を何の理念もないままに、何のビジョンもないままに課する、こんなことは到底許されるわけがございません。」「これはその場しのぎの負担増の内容であり、三年後再び財政危機に陥り患者にツケを回すことになる、そういう点で抜本改革なしの一時的な財政対策は許されない、こう断言するものでございます。」ということを言われておるわけでございます。
 このときのそうした新進党の法案への対応につきましては、党の政調での議論を踏まえて決定したものでございまして、大臣は当時、政調会長代理という要職にありました。まさにこうした決定を行った責任者の一人であったはずでございます。今読み上げました討論の内容は、まさに現在の状況そのものであり、卓見であったと思うのですが、ところが、今回は政府の一員としてこのような法案を提起しておられます。このことが私も国民の多くも納得できないところでございます。
 大臣は、中川議員の質問で先日も御答弁をされました。中川議員は当時は与党として提案者側にあったわけでありますし、坂口大臣は野党として反対の立場で討論をされたわけでございます。九七年改正では政府案を批判していたのに、今回は三割負担を大臣として提案したことについて尋ねられましたが、時代が変わったとか、あのときにはこれほどまでの出生率の低下が予測できなかったというふうな答弁をなさいました。
 しかし、この答弁にも私は不満を持つわけでございます。時代が変わったと言われましても、どうも、あのときは野党だったんだ、今回は与党なんだということを言っておられるように私には聞こえるわけでございまして、そのような場当たり的な発言をされるとするならば、国民の政治への信頼をますます損なうものになりかねません。
 出生率の低下につきましても、大臣が、当時は新進党の一員として、この中の議論において、自民党の政権が続いたままでは出生率が現在のように低下の一途をたどるということは、党内では共通の認識であったはずでございます。ですから、当時新進党に大臣とともに所属しておった私の立場としましては、全く大臣らしくない答弁と言わざるを得ません。
 なぜ九七年改正においては政府案に猛反対した大臣が今回このような提案をなさっているのかということについて、国民の皆さんにわかるように、もう一度答弁をお願いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 鍵田節哉

speaker_id: 18897

日付: 2002-05-22

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会