下村健の発言 (厚生労働委員会)
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○下村参考人 健保連の下村でございます。
きょうは、こういう機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。早速意見に入りたいと思います。
健保連といたしましては、現在、健康保険組合のみならず、医療保険財政が非常に厳しい状況に置かれているということは、くどくどと申し上げませんけれども、よく御存じのことと思います。健康保険組合も、この数年で百以上の組合が解散をいたしているというふうな状況でございます。また一方で、厚生年金基金なんかでも、解散でありますとか代行返上するというふうな動きが広まっておりまして、社会保険制度の将来に対して非常に危惧の念が強まっている、将来に対する不安感が大変強くなっているというふうに思うわけでございます。
少子高齢化が激しい勢いで進行する中で、こういうことでは、やはり現在の厳しい経済状況もあるわけですから、国民の不安感を大変増大させることになっているというふうに思っております。したがいまして、私どもとしては、そういう不安を解消するという見地に立って、医療保険制度全体の将来にわたる安定をぜひ実現する、そのような医療制度の改革の速やかな実現を望むというのが、基本的な態度でございます。
健康保険法につきましては、患者負担の問題等、現在の厳しい状況で、一般のサラリーマンにとりましても大変厳しいというふうな見方もございますけれども、我々は、やはり将来のために、現在の状況から抜け出すためには、こういったプロセスを通って改革に結びつけていくことが必要だというふうに考えております。したがいまして、現在提案されております健康保険法等の一部を改正する法律案につきましては、その速やかな成立を希望いたしております。
しかし、いろいろ問題が残っているわけでありまして、これだけで終わっては我々としても困るというふうに考えております。今回の改正に引き続いて、医療制度改革全体の速やかな実現をお願いしたい。これは、これまでも、国会におきましても、健康保険法の改正等の際に、絶えず抜本改革の速やかな実現ということが言われてきたわけでありますから、それを速やかに実現するようにお願いをいたしたいと思っております。
それで、改革、いろいろな項目が今回の改正法の中でも取り上げられておりますけれども、焦点になっておるといいますか一番最初に解決を要するのは、高齢者医療制度の問題だというふうに考えております。高齢者医療制度の形をはっきりさせてまいりませんと、そのほかの問題がいずれもこれによって影響を受けるわけですから、高齢者医療制度の問題の解決ということにまず手をつけるべきではないかというふうに思っております。
その場合に、今回の法案におきましても、七十五歳以上というところで一つの区切りが入っているわけでありますけれども、私どもは、七十五歳以上のところで特別な配慮をするということは考えられてもいいように思うわけであります。七十五歳のところで、後期高齢者という形で、それ以下の高齢者とは区別をして考えている面もあったわけですから、七十五歳以上の方に対する特別な配慮というのは考えられるというふうに思っておりますが、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、これからの高齢化社会の中で、高齢者に対する医療保障あるいは医療保険をどうするかということを考えているわけですから、高齢者医療制度という場合には、単に年齢だけではなくて、年金受給者という形で考えていただきたいというふうに思っております。
一般のサラリーマンにとりましては、定年制がありまして、老齢退職ということがあるわけですから、退職をして年金生活に入った以降の医療をどうするかという問題を中心に据えて高齢者医療制度の問題は議論をしていただいていいいんじゃないだろうか、こんなふうに考えております。
健保連の考え方は突き抜け型というふうに厚生労働省からはレッテルを張られているところがあるのですけれども、私どもは、こういうことを言いますので突き抜け型というふうに言われるわけですが、単なる突き抜け型ということではなかなか中身はわかりにくいのですけれども、年金をもらう世代に対する医療というものを中心に据えて考えてほしいと思っております。
したがって、七十五歳以上の問題ももちろんあるわけですけれども、七十四歳以下の年齢につきましても、その医療費をどうやって負担をするかという大きな問題があるということをぜひ考えていただきたい、このように考えております。
その場合に、高齢者は非常にリスクが多いので保険ではだめだという議論がございます。もちろん、公費をどの程度投入していくのかというのは大きな問題であります。その場合に、高齢者だけで負担をしていくということは当然難しいわけですから、若い世代あるいは現役世代の負担が必要になってくるということは私どもも十分理解しておりますけれども、現在の拠出金という形での負担はやめていただきたい、こんなふうに考えております。拠出金制度は、導入の際の国会における議論におきましても、税金か保険料か、その性格はあいまいなものだということが議論の中で明らかになっておりまして、それが現在までそのままの形で続いてきているというところに、現在の負担を困難にしている一つの大きな問題があるというふうに考えております。
そういった点を考慮して、高齢者医療制度の改革、新しい高齢者医療制度をつくるということに焦点を当ててこれからの改革を引き続き進めていただきたい、これが健康保険法の改正に合わせまして私どもとしてお願いをしていることでございます。
健保連は労使双方を基盤として成り立っている組織でありますから、今後も、経営者団体それから労働組合双方と議論をしていかなければならない立場であります。具体案はさらに私どもとして検討を続けてまいりたいと思いますが、以上のような点に焦点を当てて、これからの改革の推進ということを頭に置きまして、健康保険法の速やかな審議をぜひお願いするわけでございます。
よろしくお願いいたします。(拍手)