伊藤直彦の発言 (国土交通委員会)

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○伊藤参考人 私ごとで恐縮でございますけれども、私は、新幹線の開業の年、昭和三十九年に国鉄に入社いたしました。自来、国鉄で二十三年間、JRになりましてから十五年間、都合三十八年間、鉄道人としての生活をしてまいった次第でございます。
 もちろん、国鉄改革の渦中にも身を置きまして、その当時のことを今思い出しておりますけれども、いわゆる歴史的に見ればこの国鉄改革というのは大成功だったと思っております。一言で言えば、経営者も、それから社員も、目線が内部から外部へ、いわゆるお客様へですね、向いたということだと思います。そして、現在七社とも、それぞれ独自性を発揮し、自主自立の精神でお互いに切磋琢磨していることは、先生御案内のとおりだと思います。
 私、JR貨物の社長でございますので、JR貨物を例えて言いますと、開業当初でございますけれども、国鉄から分かれたばかりでありますから、我々の目もやはりどうしてもJRグループということにいろいろな問題で行っていたんでありますが、昨今の状況を申し上げますが、我々はまさに物流業界に、貨物鉄道輸送というものは物流業界にあるんだという、軸足をそこに置いた形での経営を行っているつもりでございます。
 貨物鉄道といいましても、この数十年を見ても大きく変化しております。かつては、四セと言っておりますけれども、石炭、セメント、石油、石灰石というように全部セがつきますけれども、そういう素材産業型の物資輸送が鉄道の中心であったんでありますが、昨今はこれが大きくさま変わりしてまいりまして、いわゆる消費者物資的なものが鉄道輸送でも主流を占めるようになってきております。また、最近は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、いわゆる産業廃棄物とか生活廃棄物輸送のようなものにも、いろいろと鉄道輸送が使われるようになってきているというようなことも新しい姿でございます。
 そういう中で、我々が何を考えていくかということでありますけれども、実は、いろいろな意味でまだまだ鉄道輸送そのものが不備な面があるからかもしれません、また、いわゆる市場競争原理の中で我々の提供する商品が悪いからかもしれませんが、一般に鉄道は、長距離大量輸送と言っておりますように、五百キロメートル以上は鉄道が有利であると言われておりますが、今、日本の現状は、一、二年前のデータでちょっと古くて恐縮でありますが、千キロメートル以上をまだ一千三百万トンもトラックで運ばれている現状にございます。いろいろな事情があってのことではありますけれども、千キロメートル以上の距離は、鉄道は、普通、陸上では三十数%シェアを持っておりますから、もっともっと我々が担わなきゃいけないと思います。
 そんな意味で、我々が今回、先ほど申し上げましたニューチャレンジ21の中で考えておりますものは、新しい時代にふさわしい形で、荷主様に選択される、その種の列車をどのようにつくり、また、コスト的に荷主さんが選択できるというような形の、価格問題も含めて、新しい展開を図っていきたい、こういう形が我々のねらいでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたが、そういう中で、昔よくイコールフッティングという議論がございましたけれども、港湾、道路等々いろいろな設備投資が行われております。かつての国鉄貨物輸送からJRの貨物輸送に切りかわる際に、いろいろな形でこれまでも政府の御支援も受けておりますけれども、新しい二十一世紀にふさわしい設備への近代化がおくれている面がまだございまして、そういう形で、今、私の頭の中には、仮に全国の百四十六の駅のあと二十駅程度を近代化しますと、かなりいい形のダイヤ編成ができるとか、また、今回の引き継ぎ業務の円滑化ではございませんけれども、トラックと鉄道の接点が極めてうまくいくというような形もございますものですから、そういう意味での設備投資については、とてもJR貨物だけではできない。これについて大きな見地から国を挙げて御支援賜れれば、こんなふうに思っている次第でございます。

発言情報

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発言者: 伊藤直彦

speaker_id: 12773

日付: 2002-06-07

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会