伊藤直彦の発言 (国土交通委員会)

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○伊藤参考人 お答えいたします。
 多少専門的になるかもしれませんけれども、いわゆる鉄道貨物輸送の歴史を振り返ってみますと、一番大きな動きというのは、昭和五十九年二月にございまして、これは世界ではまだ残っておりますけれども、マーシャリングヤードという、貨車を集結してそこで列車を仕立てるという、ヤードというのをなくしました、日本の場合には。これが今は全国三百駅ちょっとでございますけれども、当時はまだ四百六十ぐらい駅がございましたが、そういうヤードを経て列車が動くという形で、当然大変時間もかかるしサービスも悪いという実態がありました。この形で駅の施設ができている。
 どういうことかといいますと、貨車単位の輸送ですから、それが駅へ入りますと、いわゆる駅は長くなくて、むしろ面的な駅で、そこに、入れかえという概念ですけれども、貨車を数車ごとに割っていくわけですね。そこに当然、作業する人も要りますし、時間もかかる。着発線に一回列車が来て、そこから貨車をばらして、荷役線、荷物作業をするところに入れていくということで、大変時間がかかったということがまず一つであります。
 これが、先ほど申し上げましたように、新しい駅はコンテナが中心でございまして、コンテナというのは基本的には列車単位で動かすような仕組みになっております。直行輸送体系と言っておりますけれども。これは、私自身は旅客列車方式なんて言っていますけれども、昔は貨車が一車一車ばらばらになるんでありますが、コンテナの列車方式というのは、旅客列車のように、列車が着きます、コンテナですから、それはフォークリフトで積んだりおろすことが簡単にできます。そういう面で、お客様が駅で乗りおりするように、貨物は足がございませんから人がやるしかないんですが、フォークリフトで載せたり、到着したらおろして、また次のコンテナを載っける、こういう形で、列車ができればすぐに出ていけるという形で、ダイヤ調整なんかも非常にやりやすくなるということですね。
 もう一回申し上げますが、昔の形の駅ですと、一回貨車をばらばらにするものですから、それをまたつなぎ合わせたりしているうちに時間がかかってくるというようなことから、これをEアンドS、エフェクティブ・アンド・スピーディー・コンテナ・ハンドリング・システム、EアンドS駅と言っていますけれども、そういう形の駅が現在もう二十二駅ほどできております。
 さっきも申し上げましたが、百四十五のコンテナの駅を全部そうする必要はないと思いますけれども、少なくとも主要な駅の四十ないし五十駅がそうなりますと、かなり列車の商品の質がよくなるということですね。中継作業なんかが早くできる。それから、当然ですけれども、列車の到達時間も早くなるとかというような意味で、このモーダルシフト、モーダルシフトというのは、やはりお客様がどう選択するかということでありますから、我々が幾ら使ってください使ってくださいと申し上げましても、お客様の方からごらんになって、この列車は非常にいい、時間帯またはお値段ですね、そういう面で初めて御利用されるという意味でありますから、モーダルシフトだから黙っていれば来るわけではございません。
 そういう意味で、まだまだおくれている、つまりヤード輸送をやめて、いわゆる直行輸送方式をとったコンテナ中心の輸送体系の中で、昔の駅のままの駅を、まだ数十駅そのままになっているところを直すことによってかなりの効果があるというふうに私は思っている次第でございます。その例の一つが、先般の北九州でございます。
 北九州貨物ターミナルは、先ほども申し上げましたように、七十億の約半分は国ないし市の助成ででき上がった駅でございますけれども、九州には福岡ターミナルという駅しかございませんでした。そこですべてのコンテナを中心として扱っておりましたが、日豊線でいいますと、逆線運転といいますか、一回福岡に行ってからまた戻るような形でございますので、北九州貨物ターミナルができたことによって、中には十時間ほど早くなった例がございます。五時間とか十時間列車が早くなる。この列車が早くなるということは、いい時間帯にいい列車を入れやすくなるということでございまして、大変荷主さんの好評を得て、現在まだまだできたばかり、この三月でございますけれども、既にもう一一〇%弱まで荷物が伸びているという状況であります。
 それから、またもう一つ、先ほど触れませんでしたけれども、いい悪いは別でありますが、現在、産業空洞化が大変進んでいる中で、これから海上コンテナがかなりふえてまいります。これが、九州は中国と一番近いわけでありますから、これは北九州市で進めておられる、響灘コンテナヤードというのをやっておられるようでありますけれども、そのセッティングとして、北九州貨物ターミナルが海上コンテナの受け皿となり、そこから全国に海上コンテナを発送できれば、これまた大変大きなモーダルシフトの話ではなかろうか、こんなふうに思っている次第でございます。

発言情報

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発言者: 伊藤直彦

speaker_id: 12773

日付: 2002-06-07

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会