前田晃伸の発言 (財務金融委員会)
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○前田参考人 前田でございます。
ただいまの御質問にお答え申し上げます。
今回のシステム統合に伴いまして、口座振替の事務処理遅延など、社会的インフラとも言える決済システムなどに障害を引き起こし、お客様ほか関係各方面の皆様に多大な御迷惑をおかけいたしましたことを改めて深くおわび申し上げます。
今回のシステム障害につきましては、金融庁による立入検査、日本銀行による考査と並行して、当グループ内におきましても発生原因を詳細に究明してまいりましたので、その概要を御説明させていただきたいと思います。
今回の障害は、コンピュータープログラムや事務の水準確保が十分でなかったことによるものであることは、既に一部御説明申し上げているとおりでございます。
四月一日及び八日に発生したATM障害につきましては、一言で申し上げますと、グローバルプロセッサーのプログラムに不都合があったことが原因でございます。このグローバルプロセッサーとは、旧第一勧銀のホストコンピューターであるSTEPSを起点とし、旧富士銀行のTOP及び外部のコンピューターセンターとの接続部分を担うシステムであり、この部分に不都合が生じたということでございます。
一方、口座振替の事務処理遅延につきましては、後ほど補足説明させていただきますが、次の四点が主な原因でございます。
まず第一に、MT交換テーブルの不備、第二にスケジュールトランズの不備、第三にジョブ・コントロール・ランゲージのプログラムの不都合、そして第四に受け付け事務処理の混乱の四点が挙げられております。
今申し上げました四点につきまして、少し補足説明をさせていただきます。
まず、MT交換テーブルでございますが、これは委託者のお名前、媒体の種類など収納企業情報を記録する基本データファイルでございます。次に、スケジュールトランズですが、これは入力件数、金額などのデータを保有し、日程管理を行うシステムであります。さらには、JCLですが、これはコンピューターが電算処理を行う際に用いるコンピューター専用の指示言語であります。
こうしたシステム、事務の不都合は、各種テストやリハーサルなど事前準備が十分でなかったことによるものであり、特に口座振替システムにつきましては、システム開発スケジュールのおくれから、テストが未了ないし不完全なものにとどまっていたことが判明いたしました。四月の段階でこの委員会で御説明を申し上げたときには、この事実を十分把握できておらず、また解明できておらず、適切な御説明ができなかったことをおわび申し上げます。
また、統合後の業務運営や大規模な障害発生を想定した訓練を実施できていなかったことなども、一連の障害を拡大、長期化させた直接的な原因として挙げられます。
以上、申し上げてまいりましたように、システム、事務に不都合があったにもかかわらずシステムをリリースすることになりましたのは、システム統合プロジェクトの管理体制に種々問題があったことによるものであります。
まず第一に、システム統合につきましては、勘定系、情報系、国際系、市場系など、三行が持つ多数のシステムを二つの銀行に統合するという極めて難度の高い開発プロジェクトと認識し、システムごとに開発責任行を定め、開発を行ってまいりました。今回障害が発生した部分につきましては、その開発責任行においてシステム開発部門のシステムに対するリスク認識、評価が不十分であったことから、経営陣及び持ち株会社に対して適切な報告が行われていなかったことに加え、システム部門内の牽制機能やチェック機能が不十分であったことなど、システム開発体制が十分に整備されておりませんでした。
第二に、システム統合プロジェクト全般にわたる進捗管理については、持ち株会社であるみずほホールディングスが統括管理する体制となっておりました。しかしながら、開発責任行からの報告が適切さを欠いたことを主因とすることとはいえ、持ち株会社としても、障害発生の可能性の早期検知及び障害発生の防止に至らず、その統括責任を全うできませんでした。
第三に、内部監査については、統合準備の過程におけるシステム統合リスクの重要度認識について不十分な面があり、プロジェクトの重大な問題点をシステム部門の外からチェックするに至りませんでした。経営陣を初めとした当社グループの役職員に、システム統合にかかわるオペレーショナルリスクに対する認識と管理に甘さがあったと言わざるを得ず、深く反省いたしております。
私どもといたしましては、システムの安定稼働を確保するとともに、今回の障害に伴って発生した事務の混乱の正常化、業務運営の的確化を目指し、今次障害の発生原因を踏まえた適切な再発防止策の策定、実施を早急に進め、今回のような事態を二度と発生させないよう役職員が一体となって全力で取り組んでまいりたいと考えております。また、こうした取り組みとともに、大切なお客様によりよいサービスを御提供することにより、信頼の早期回復に努めてまいる所存でございます。
今回の大規模なシステム障害を引き起こしましたことを厳粛に受けとめ、本件にかかわる責任の所在についても明確にしてまいる所存でございます。