佐々木秀典の発言 (法務委員会)

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○佐々木(秀)委員 というお話なんだけれども、私はやはりいろいろな点で懸念が払拭できないんですよね。
 そこで、これも見ますと、ううんとうならなきゃならないんだけれども、例えば構成要件がはっきりしているかどうか。これは罪刑法定主義からも私は問題があると思うんだけれども、どうも構成要件が本法では不明確なんじゃないかな。特に第二条の資金の提供、第三条の資金の収集、この構成要件ですね。
 例えば第二条では、「情を知って、公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を容易にする目的で、」こうなっているんですね。「情を知って」ということは、いわゆる故意、犯意と違うのかどうか。今も局長のお話の中で「情を知って」という言葉が出たんだけれども、情を知ってというのはどの程度のことを知っていればということになるのか。
 それからまた、犯罪行為の実行に資する目的でとか、実行そのものを助けるということならともかくとして、「実行を容易にする目的で、」、容易にするというのはどういうことまで言っているのか。これも解釈の仕方によっては非常に広くなっちゃうと思うんですね。
 それからまた、第三条で、「資金の提供を勧誘し、若しくは要請し、又はその他の方法により、資金を収集したときは、」これあたりも、その他の方法なんていって、どんな方法を想定しているのか。これもまた幾らだって解釈のしようによっては広げることができる。そして、勧誘のほかに、要請する、つまり頼むというか、お願いするというか、そういうこと自体が犯罪行為になるというのは、これもまたいかがなものかと思うんですね。こういう構成要件の規定の仕方というのは、余り感心しないと思うんですよ。
 しかも、テロそのものだって定義が非常に難しいでしょう。国連の中でもすったもんだしていますよね。テロというのはいかがなものかということで、なかなか結論が出ないような議論が行われている。
 それからまた、きょうあたりの新聞を見ますと、例のイスラエルとパレスチナの関係です。パレスチナの方は自爆テロが多いんですね。これは明らかにテロだと言っていいでしょう、無差別に人を殺傷するということなんだから。もちろん私どもは、こんなことはあってはならない、好ましいことじゃないと思っています。しかし一方、イスラエルが正規の軍隊、組織的な軍隊を例のパレスチナの自治区の中にどんどん侵攻させて、これもまた無差別に人を殺していることについて、近隣のアラブ諸国がこれは国家を挙げてのテロ行為だと言って非難していますね。事ほどさように、テロというのはなかなか複雑で、その定義づけが難しいところがあるんじゃないかと私は思うんです。
 そしてまた、例えば東ティモールの独立運動なんかにしても、政権を持っている党から見ると、そういう独立運動なり活動というのはテロだ、こう言いますし、それからまた、現に国家の元首だとか要職になっているような方でも、かつてはその国の独立のための活動あるいはゲリラ活動なんかをやって、そのことがテロだった、あるいはテロの首謀者だったと言われた人たちが現在はその国家の枢要な地位を占めているとか、いろいろあるわけですね。
 私も実は、二月にイスラエル、パレスチナに行ってまいりまして、両国の首脳なんかにも会って、イスラエルの軍事攻撃、あるいはそれに対する報復としてのテロ行為が繰り返されている悲惨な実情を見てきたんですけれども、そういうことを考えると、余り軽々に、テロ、そしてそれに対する幇助の目的での資金の提供、資金収集というのも、一つ間違えば際限なく広がっていく危険がある。
 そういうことから考えると、構成要件は相当厳重に、シビアに規定すべきだと思うんですけれども、この二条、三条の規定の仕方というのは、私は、構成要件が非常に不明確で、これは実際に捜査をする人たちの解釈によっては幾らでも広がっていくんじゃないかという心配を持たざるを得ないんです。捜査の当局である法務省・検察あるいは警察の方で、これについてどのように抑制的にやっていけるのか、その辺をお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 佐々木秀典

speaker_id: 26980

日付: 2002-04-26

院: 衆議院

会議名: 法務委員会