八代英太の発言 (本会議)

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○八代英太君 いよいよ、今国会の重要法案の一つであります郵政公社法、信書便法等四法案の審議が始まりましたが、私は、自由民主党を代表してというよりも、今もって自民党内には賛否が分かれておりますので、両者の心をそんたくしながら、若干の質問をさせていただきます。(拍手)
 御案内のように、郵政事業の公社化につきましては、平成九年の行革会議最終報告による基本法に基づいて法制化するものでありますので、問題はないと考えております。
 我が党の総務部会で議論が百出いたしましたのは、信書便法案において、郵便事業への民間参入を盛り込んだことであります。議論を重ねれば重ねるほど問題点が次々と噴出してまいりまして、私自身もいまだに賛否を決めかねているような次第であります。
 来年四月から、百三十年間続いた郵政事業の新たな始まりとしての公社化は、待ったなしであります。公社となること自体が既に半官半民の方向でありますが、郵政事業は、長い歴史の中で、国民全体や地域社会にとって今や不可欠のサービス、つまり、高齢者や障害者のためのひまわりサービスやワンストップサービス、印鑑証明の発行や住民票の取得、小口の郵貯や簡便な保険などなど、暮らしに大きな役割を果たしてまいりましたが、引き続き、向こう三軒両隣、国民本位の公社でなければ意味はありません。
 どんな山の中でも、離島でも、公共機関は行革の名のもとにスクラップされていきますが、人の住むところ郵便局ありのこの現状を考えますと、いたずらに民間参入の門戸を開き過ぎて、二万四千七百の暮らしの拠点の郵便局が次々とシャッターをおろすようなことがあっては一大事であります。
 今後とも、郵政公社は、国民共有の財産として、不採算地域を含めてユニバーサルネットワークを維持し、地方自治体の手足ともなって、どんなところでも、人の住むところには、何はなくとも郵便局があることが国民のための公社化の基本的考えでなければならないと思うのでありますが、総理のお考えを伺いたいと思うのであります。
 総理は、常々、民間にできるものは民間でとおっしゃいますが、私も大賛成であります。しかし、ルールをきちんとしないまま民間参入を行うことによりまして、心と心を結び合う、日本の歴史的文化ともいえる郵便システムを混乱させ、破壊することになってしまっては、何のための行革で、何のための公社化で、何のための民間参入かと、国民にとって不幸な結果をもたらすものだと思うのであります。それでなくとも、IT時代の到来で、郵便事業は、今や斜陽の傾向にさえあります。
 公社化になっても、きっと郵便事業は厳しい毎日が続くでありましょう。ましてや、民間参入によっては、民間事業者のいいとこ取りによる利益の追求となり、一部外国にも見られるように、小口の一般利用者にとっては、サービスの低下や料金の値上げという結果となり、ユニバーサルサービスはなきものとなり、郵政公社もそれに巻き込まれて、例えば、採算を度外視しても社会福祉政策として大いに役立っていた第三種、第四種郵便物などの制度の維持も危ぶまれるのではないでしょうか。私のところにも障害者団体から、山のように、何とか第三種、第四種を守ってくれ、切り捨てないでくれと、陳情が寄せられております。
 過度な競争導入の結果、郵便事業がその負担に耐えられなくなり、これらのサービスが維持できなくなる懸念を抱くのは、私だけでありましょうか。総理はどうお思いか、お伺いしたいと思うのであります。
 また、郵便事業への民間参入には、これだけ議論がオープンにされているにもかかわらず、民間の参入希望が今のところ一社もない現状を総務大臣はどのように思われるか、お伺いしたいのであります。
 最後に、総理は、構造改革なくして景気回復なしとおっしゃいますが、大賛成であります。必要な改革は果敢に断行していただきたいと思っております。しかし、何でもかんでも改革断行ではなく、国民にとって守るべきものは守ることも大切なことではないでしょうか。
 残り少ない国会の会期でありますが、いずれにいたしましても、私たちは、国民のための郵政三事業を来年四月、公社としていかに円満にスタートさせるかに最大限の努力をささげたいと思っております。そして、全国津々浦々で働く郵便局の皆さんが不安のないように、また、山奥であれ、離島であれ、そこに住む人々の暮らしが、引き続き三事業の利便性が確保されるように、十分な審議が必要だと思っておりますが、片山総務大臣の率直なお考えをお聞かせいただきまして、五分でございます、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 115405254X03620020521_024

発言者: 八代英太

speaker_id: 6556

日付: 2002-05-21

院: 衆議院

会議名: 本会議