臼井日出男の発言 (予算委員会)
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○臼井委員 冒頭から申し上げておりますとおり、この問題は三つの大きな課題がある。人道的な問題も配慮しなければならない、しかし、日本の不可侵権というものを侵されている。なかなか難しい課題、対立するものが二つあるわけでございますが、ひとつ早期解決への努力を一層お願いいたしたいと思います。
今回の事件を見ておりまして、言葉の障害といいますか、そういったものが多く感じられるわけでございます。自由民主党の調査、これも、きょうは多くを申し上げませんが、余りにも通り一遍過ぎるんじゃないだろうかなと。もうちょっと機微に入った、例えば、十五分間無言で過ごしたということはあり得ない、そういう言葉のやりとりとか、そういうものも一歩これからも突っ込んでさらに調査を継続してもらいたいというのが私の要望でございます。
さらに、民主党の調査なるものがあらわれた。例えば副領事が警察隊の隊長と握手したとかしないとかというふうな問題、あるいは遼寧省の外事弁公室に電話をした、その内容、これは確認をする必要があると思いますが、余り、日中が対立している状況の中で、相手様の言うことを聞いてそういうものを外部に発表するということは、日本側の言い分も当然あるわけでございますから、かえって問題の真実というものからそれてしまう、こういうこともあり得るんじゃないのか。
記述が細かいということがいいということではない。木を見て森を見ないということがあってはならない。本質的なもの、正しいものとそうでないもの、そういうものをしっかりと見きわめていくということが私は必要だと思います。一つ一つの事象の取捨選択というものを、やはりしっかりしていく必要があると私は思います。
繰り返し申し上げて恐縮でございますが、現に中国の武装警官によって日本の不可侵権が侵されている。これに対する日本の名誉回復というのが必要である。こういうことの立場で私どもはこれからも、この事件の解明に対して自由民主党は進んでまいりたい、このように考えている次第でございます。
各論についてお伺いをいたしたいと思うわけでございますが、今回の中国側のウィーン条約における三十一条の二項の違反というものは、これは明白でございますが、一方、日本の総領事館側の対応のまずさというものも幾つも見せられております。
特に、繰り返し繰り返し見せられております冒頭のビデオ、私も大変苦々しい思いでそれを見るのでございます。母親が武装警官ともみ合っている中、困惑の表情で立っている少女、ちょうど私、孫があの年代でございますから、あの顔というものは目に焼きついて離れないものがございます。しかし、この場面で、あのもみ合いの状態のときに、まだ副領事というものは明らかに現場には到達していないというのが映し出されております。御本人たちは正門の中でもってもみ合っているというのもあのビデオではっきり映されている。
そういうことを考えますと、確かにあの中で、館内であったということは事実でございますが、一方、あの副領事がのんびりとあらわれて、至極のんびりとした様子で、事態の緊急性というものを全く感知しない、泣いている子供も目をとめない、もみ合っている中にも入っていかない、帽子を拾っている。こういう姿を見せられますと、まさに日本が、日本人というのは人道上の問題については全く無関心なのか、こういう状況を世界にさらしているというような見方ができるわけでございまして、日本の総領事館、在外公館の危機管理というものに対する対応は一体どうなっているんだろうか、まことに私は残念な、腹立たしい思いをいたしております。
このことは、私がこの場でもって自分の意思で申し上げるということではなくて、自由民主党の部会の中でも、中国に対する批判というものはありますが、一方では、その多くが、日本側の対応のまずさ、もしここでもうちょっと日本側が頑張っておれば違った展開になったんじゃないか、悔しい、こういう思いが多くの発言者の中に見られるわけでございまして、私は、こうした状況をさらしてしまうというのは、日本の在外公館の職員、この瀋陽の総領事館の職員というものが、日本の国益を代表しているんだという自覚と信念に欠けているんだ、こう思わざるを得ないのでございます。
こうした点について、外務大臣の責任というのは極めて重いと私は思います。これについての御意見を伺いたいと思います。