隅野隆徳の発言 (憲法調査会公聴会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○公述人(隅野隆徳君) 今の御指摘のように、日本国憲法は、衆議院と参議院について一定の共通性と違いというものを出しております。基本的には、私は、この日本国憲法の規定をなお基本にして運用していけばよろしいというふうに思っております。
今までは、どちらかというと、日本の社会が七〇年代後半ぐらいまでは比較的安定していたこともあって、衆議院と参議院が比較的同質で構成されていたということがありましたが、八〇年代以降、日本の社会が変動過程に入るということもあって、衆議院と参議院に一定の違いが選挙制度の問題を含めて現れてきたと。そこに、先ほど私が公述しましたところにも若干触れました、衆議院と参議院の相互関係をどうとらえるかということが問題になってきたかと思います。
その場合に、基本的には、四十三条で直接公選で両議院が構成されているということでありますが、国民は必ずしも一つの意見だけでない、あるいは一つの利益だけを国会議員に負託する、あるいは政党に負託するということではないと思うんです。かなり国民の利益あるいは国民の判断というものも多面的、多元的であるし、そして場合によっては流動的であると。それが、選挙制度がそれに対応していれば衆議院と参議院に別の側面で、別の角度で代表が現れると。それがまた、国として国民意思を形成する場合に、衆議院だけでなく、参議院を通じてでも国民のそういう多面性、多元性というものを反映して、総じて二つの院によって、議院によって国民意思、国民利益を統合し、形成していくということがふさわしいのではないかと思います。
現在は、ある意味では、五十九条の二項の問題を指摘しましたように、一定程度衆議院と参議院の対抗関係というのもありますが、基本はやはり国民に奉仕する国民の代表機関として、その国民意思、国民の利益をいかに統合し、形成していくかということで、相互に衆議院と参議院がチェック・アンド・バランスを取り、しかし、基本的にはやはり二つの組織を対等に置くわけにはいかずに、衆議院を優越させると、これは一般的に世界的に歴史的な方向ですから。そういうことで、そうであるとすれば、参議院はどのようにしてその国民の利益、意見を吸収し、反映させるかという、そこに努力を払われるのがよろしいのではないかと思っております。
以上です。