隅野隆徳の発言 (憲法調査会公聴会)
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○公述人(隅野隆徳君) 上院の在り方については、各国の歴史なりあるいは社会的な、政治的条件によっていろいろと違っているかと思います。
その中で、私が今回公述をするに当たって若干調べた中に、一九九七年の五月に日本の参議院の議長の下で世界の上院議長会議が開かれたということを知りまして、大変参考になりました。しかも、共同声明を出して、一九九七年、平成九年の五月二十一日に採択されて、しかも、そこに参加した国はアルゼンチン、オーストラリア等々で、いずれも公選制、上院において公選制を取っている、その上院議長の会議で、しかも、日本の参議院の五十周年ということで、東京で開かれたということで意味があるように思います。
お尋ねのイタリアのこと自身について、私は十分研究していないものですから詳しいことは指摘できないところですが、確かに日本の戦後においても間接選挙あるいは複選制というような考え方があって、そこでは、やはり何よりも日本国憲法の四十三条の全国民を代表する選挙された議員で両議院が構成、組織するというこの規定との関連で問題になり、解釈論として、全国民を代表する選挙された議員ということの中に間接選挙が入るのかどうかということが議論されました。しかし、やはり全国民を代表する選挙された議員というのは国民の直接選挙によるということが学界でも圧倒的でしたし、また社会的にも、また国会でもそれが共通の認識になってそういう間接選挙というのは葬られていったというふうに思います。
その後も、先ほども若干触れましたように、日本の改憲論の中に若干それが登場することもありますが、しかしもはや主流にはなり得ていないんではないかと。やはり、国民が直接選挙して、国民の利益、国民の意思を代表に負託するということが歴史の方向としては目指すものであって、日本もその段階に来ている。それは何といっても、日本の明治憲法における貴族院のその経験、反省によっていると言うことができると思います。
確かにフランスなりイタリアなんかで大統領の指名、任命ということで一部の有識者を入れるということがあっても、どうしてもそれは政治的な観点が入ってくると。それならば、国民、主権者である国民自身の判断で、選挙によってそれを、代表者を出すということの方がより民主的であるということが、日本の歴史を通じて、また社会的にも判断されてきたことではないかと思います。
その点で、先ほども触れましたように、イギリスの貴族院が世襲貴族あるいは一代貴族という形でいろいろな、千名近くの構成がありますが、その中で、世襲貴族は登院停止、投票権停止、剥奪ということとなり、一代貴族が構成になっていますが、しかし、今、イギリスの社会で議論になっているのは、上院は直接選挙の方向に向かうべきだというのがいろいろ新聞等で議論されているところです。しかも、欧州連合というのが、御存じのようにヨーロッパの、最初は西欧諸国から、現在は東欧、中欧諸国を含めて進んでいるわけですが、これが経済面から出発したものの、現在では政治的な統合というところに進み、ヨーロッパ議会ができて、ここでは比例代表選挙ということが原則になっています。長くイギリスはそこで小選挙区制を取っていたんですが、方向としてはヨーロッパ諸国に倣って比例代表にしていくということに踏み出したというところが注目されます。
イタリアの問題について直接お答えできなくて大変失礼ですが、以上です。