畑中美樹の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(畑中美樹君) 目標との対比でいけば、もちろんそれは未達ということでございますね。
 私が思うには、石油戦略を考える場合に、やはり中東の石油諸国になりますとアラブあるいはペルシャになりますので、もう少し、先方の民族性とか文化的な物の考え方とか、そうしたものを取り入れた上での石油政策というものを取り入れるということが必要になってくるんではないかなと。ただ石油ビジネスだけで割り切ってアプローチするというのは、向こうが何を本当に思っているかというところまで琴線に触れないものですから、その辺が少し日本の場合には欧米と比べると、先ほど申したような人脈とか情報の関係で落つるのかなというのが感じているところでございます。
 それから、脱中東というのは私も賛成でございまして、常々私は、人間には二つ手があるんだから、右手で脱中東、左手で親中東だと言っているんですけれども、脱中東をする中での親中東をやはりしていくべきなんだというのが基本的な考えでございまして、木俣先生のお考えには私もそこのところは賛成でございます。
 それから、交渉力があるかないかということでございますけれども、これは別に対ロシアの石油の問題だけではなくて日本人全体に共通することになるんだと思いますが、やはりロシアにしろアラブにしろ、こういうタフネスネゴシエーターでありますので、日本人の場合にはどうしても交渉下手というのは、これは事実として過去の経緯から見ていくと否めないのかなという気がいたします。
 それから、環日本海のパイプラインの可能性でございますけれども、これは私は技術的には十分可能なんだろうと。ただ、問題はコスト面で採算が合うかどうかでございまして、これは日本だけに持ってきたんでは需要が少ないでしょうから合わないと。したがって、ほかに日本を超えた地域での大きな需要があるかどうかということに基本的には懸かってくるんではないのかと思います。
 それから、メジャーズでございますけれども、現在、木俣先生がおっしゃったように、世界の石油に占めるシェアは大体三割ということで、これはそのとおりでございます。
 それから、五番目の、メジャーズとの組み方ということでございますが、これは基本的にアメリカ、イギリス、フランス、イタリア等、旧宗主国との関係がございますので、例えばフランスの場合ですと、アルジェリアなどとの案件ではフランスと組むことが、相対的にフランスがアルジェリアのことをよく知っておりますので、いいんではないかと思いますし、またリビアなどではイタリアが詳しいですから、そこと組むのがいいんではないかと。また、サウジアラビアの場合には基本的にやはりアメリカがどうしても強いですから、アメリカと組むということがいいんだろうなと。日本の石油企業の基礎的な体力から考えますと、単独でやはりこれから、当面の間ですね、石油の権益を確保、獲得するということは難しいと考えられますから、やはり欧米のメジャーズと何らかの形で組んでいくというのは、それは有効な政策ではないかと思います。
 それから、アメリカのエネルギー政策、百五の提案の日本のエネルギーへの影響ということですけれども、これは私は結構大きな影響があるんだろうと思います。
 これは、端的に言えば、アメリカが自分の国のエネルギーは比較的自分の国ないし自分の国に近いところからのエネルギー供給で充足しようと。具体的にはアメリカ大陸で自己完結するようなエネルギー体制を作ろうとしているわけで、それは裏を返せば、中東に対する、あるいはアラビア湾岸、ペルシャ湾岸に対する依存度を軽減させていこうということになるでしょうから、その場合、将来的に、じゃアメリカのペルシャ湾、アラビア湾に対するコミットメントが下がった場合に、日本としてそのオイルフローをどのように獲得していくかという問題になりますので、そのオイルフローをいかに安全保障を確保しながら守るのかと、そういう大きな影響があるような気がいたします。
 最後に、アザデガン油田への影響でございますけれども、このアザデガン油田につきましては、現状、日本が先行して交渉優先権を獲得をしておりますけれども、それと同時に、やはり大変巨大な油田でございますので、資金的にも技術的にも日本単独で行うことが一〇〇%可能でないかもしれないということで、欧州等の企業とも相談をしながらやっております。その中には恐らく今回のアメリカの悪の枢軸発言の中の、イランを含めたことに対する懸念を有する国もあるかと思いますけれども、ただ他方で、例えばイギリスとかアメリカに対して積極的に挑戦をするというか、アメリカとは別の考えでいこうという国もありますので、そういう国を盾に取りながら、日本としてはむしろ防衛的に進めていくことができるんではないかなというのが個人的な意見であります。

発言情報

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発言者: 畑中美樹

speaker_id: 33100

日付: 2002-02-20

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会