宮田律の発言 (国際問題に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(宮田律君) そうですね、やはり日本の国益を考えたらイランとの関係を絶つということはできないですよね。むしろ、今のイランとの関係を維持するかあるいは拡大した方が日本の国益には私はかなうというふうに思います。
イランという国、これは今、豊富な資源を抱えておりますし、なおかつ良質な石油が出る国です。アメリカは、イランと経済交流を日本あるいはヨーロッパがやることがイランのテロリズムを助長すると言っておりますけれども、むしろイランの現実的な傾向を引き出した方が私は西側諸国にとっては利益になるというふうに思っております。
アメリカは、今イラクに対しては軍事力でもってイラクを外から変えようとしておりますけれども、イランに対しては到底そんなことはできない。ですから、イランの現実的な潮流を何とか強めるようなそういうことを考えた方がいい。そのためにやはりイランとの経済交流について前向きになった方がいいというふうに考えております。
アメリカの政策、対イラン政策について、あるいはアメリカの対中東政策について余りにも日本がべったりになりますと、これはやはりイスラム世界の日本に対するイメージも曇ってくる可能性があると思うんですね。これだけ対米感情が悪化したのは第二次世界大戦後のことでありますから、第二次世界大戦後のアメリカとイスラム世界とのかかわりでもってこれほどイスラム世界では反米感情が強まったわけですから、決して日本としても、現在は良好な対日感情はありますけれども、日本としても決して油断はできないというふうに考えております。
これは湾岸戦争のときに、ときというか、直後に中東諸国を回っていろんな人に聞いたんですけれども、日本の対米支援は経済面に限られていた、だから良かったという声もイスラム世界では多かったですよね。軍事的な協力を日本がしなかったことがイスラム世界から好感を持って見られたということがありましたので、少しやっぱりアメリカとは、アメリカの中東政策って、これは前も言ったとおりですけれども、アメリカの国内の特殊な要因でもって作られるわけですから、それに必ずしもべったりになる必要は私はないというふうに考えております。余りにもアメリカに同調し過ぎると、日本のイメージが曇って、これはもちろん資源外交にも影響を及ぼすかもしれないという気がしております。
というのは、やはりアジア諸国のエネルギーに対する需要が高まって日本もこれからアジア諸国と競合していかなきゃいけない。その中で、余りにもイスラム世界に対して敵対的なことをやる日本というのは余りいいイメージを持たれないであろうという気がしております。
イランにとっては日本というのはむしろアメリカの封じ込めに対するバランス的な役割を果たしている、バランサーとしての役割を果たしていると思うんですよね。ですから、イランは、日本あるいはヨーロッパに対する期待というのは非常に強いと思うんです。これは、イラン外務省辺りに行ってイラン外務省の省員辺りと意見を交換しても、日本はアメリカの封じ込め政策には同調しないでほしいということを言っておりますよね。そういうイラン政府の考えもありますので、なるべく賢く振る舞った方がいいんじゃないかなという、そんな気がしておりますけれども。