丸島儀一の発言 (経済産業委員会)

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○丸島参考人 お答えいたします。
 私、おっしゃるとおり、日本的なよさというものは必ず取り入れるべきだと考えております。ただ、基本的には、知的財産の価値観というものを高めない限り、研究開発に投資したリターンが保証されないという点では、これは、アメリカのとってきたいいところはやはり参考にすべきだと思っております。先ほど申し上げたのは、そういう意味で、どちらかというとアメリカのとってきた方策と似たようなことを申し上げましたけれども、これはある程度必要だと思います。
 日本の企業が国際的に、グローバルに展開する以上、やはり国際的に一番知的財産が活用できる国というものに焦点を合わせませんと事業活動ができないのでございます。今まで私ども、グローバルに展開する企業はどこの知的財産を一番重視してきたかというと、残念ながら、日本の知的財産ではなくてアメリカの知的財産ですね、これに影響されてしまうんです。そういう意味で、ある程度グローバルに展開する以上、日本の知的財産も、そのような価値観というんでしょうか、これはぜひ必要だなと。抑止力のある仕組みをやはり背景にしませんと、通常のビジネスが行えないということだろうと思います。
 そういう意味で、アメリカのまねというわけじゃないんですが、グローバル展開から、やはり必要なことは、いい仕組みなら採用してもいいんじゃないかと私は思っております。
 それから、日本的よさ、これは今中山先生もおっしゃったように、日本は、開発者全員が発明者という意識で仕事をしております。創造性豊かな発明はアメリカから出るかもしれませんが、人のやった発明を事業化に結びつける改良的な、いわゆる大勢で一つのものをまとめ上げようという力はむしろ欠けているんだと思うんですね。
 先ほどもちょっと強調して申し上げたのは、やはり日本的よさを残して創造性豊かなものをむしろプラスする感じで日本のこれからの施策をとっていただかないと、かえって日本の産業競争力が下がってしまう可能性があるということで、私は物つくりということを大事にすべきだと思っているんです。そういう意味で、改良技術の日本的強さを生かしつつ、創造性豊かな研究開発ができるような仕組みがぜひ大事だと。
 その点について中山先生とちょっと、職務発明の問題で意見が全く対立しているわけです。結論は同じことをおっしゃっているのかもしれませんが、私は、改良技術を大事にするという意味から、職務発明を法律で対価を決めるというのはなくさないとそうならないと思うんです。
 といいますのは、創造性豊かな発明とそれから改良的な発明、どちらかというと、改良の発明の方がはるかに数が多いです。富士山に例えて言いますと、すそ野と、頂上にある創造性豊かなものと想像していただけばよろしいんですが、これを一つの法律で相当な対価を決めるという仕組みだけでやっていきますと、訴訟ばかり起きて一つも安定した社会が得られない。今の、みんな協調して改良をやろうというグループ開発の特徴が私は崩れていくと思うんですね。これをなくすためには、やはり創造性豊かな発明についてはそれなりの処遇をするということと、それから開発で、いわゆる、だれでもと言っては語弊がありますが、努力すればできる発明というんでしょうか、これは大多数がそれなんですね、そういうものに対する処遇というものを法律で全部決めていく必要はないだろう。
 それからもう一つは、労働法的な観点から検討すべきという先生のお話があったんですが、私は、労働法からどう関係するのかわかりませんが、現在、昔のような労働環境じゃございませんで、研究開発者というのは結構優遇されていると思うんです。それから企業も、創造性豊かな人材を処遇しなければ自分の企業が成り立たなくなるということは自覚しておりますので、法律で決められなくても、企業自身が今そういう方向に行く時代だと思っております。
 そういう意味で、三十五条の職務発明、法律で相当な対価をということはぜひやめていただきたいと産業界では強く願っております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 丸島儀一

speaker_id: 5784

日付: 2002-11-12

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会