経済産業委員会
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会
会議録情報#0
平成十四年十一月十二日(火曜日)
午前九時三十一分開議
出席委員
委員長 村田 吉隆君
理事 阪上 善秀君 理事 下地 幹郎君
理事 竹本 直一君 理事 谷畑 孝君
理事 鈴木 康友君 理事 田中 慶秋君
理事 河上 覃雄君 理事 土田 龍司君
小此木八郎君 梶山 弘志君
金子 恭之君 小泉 龍司君
佐藤 剛男君 中山 成彬君
林 義郎君 平井 卓也君
増原 義剛君 松島みどり君
森 英介君 山本 明彦君
渡辺 博道君 生方 幸夫君
小沢 鋭仁君 川端 達夫君
北橋 健治君 中山 義活君
松原 仁君 山田 敏雅君
山村 健君 漆原 良夫君
福島 豊君 大森 猛君
塩川 鉄也君 大島 令子君
井上 喜一君 宇田川芳雄君
…………………………………
参考人
(東京大学大学院法学政治
学研究科教授) 中山 信弘君
参考人
(社団法人日本経済団体連
合会産業技術委員会知的財
産部会長)
(キヤノン株式会社顧問) 丸島 儀一君
参考人
(日本弁護士連合会知的財
産政策推進本部事務局次長
)
(弁護士) 末吉 亙君
参考人
(日本弁理士会会長)
(弁理士) 笹島富二雄君
経済産業委員会専門員 鈴木 正直君
—————————————
委員の異動
十一月十二日
辞任 補欠選任
佐藤 剛男君 金子 恭之君
同日
辞任 補欠選任
金子 恭之君 佐藤 剛男君
—————————————
十一月十二日
電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)
独立行政法人原子力安全基盤機構法案(内閣提出第七一号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
知的財産基本法案(内閣提出第一号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時三十一分開議
出席委員
委員長 村田 吉隆君
理事 阪上 善秀君 理事 下地 幹郎君
理事 竹本 直一君 理事 谷畑 孝君
理事 鈴木 康友君 理事 田中 慶秋君
理事 河上 覃雄君 理事 土田 龍司君
小此木八郎君 梶山 弘志君
金子 恭之君 小泉 龍司君
佐藤 剛男君 中山 成彬君
林 義郎君 平井 卓也君
増原 義剛君 松島みどり君
森 英介君 山本 明彦君
渡辺 博道君 生方 幸夫君
小沢 鋭仁君 川端 達夫君
北橋 健治君 中山 義活君
松原 仁君 山田 敏雅君
山村 健君 漆原 良夫君
福島 豊君 大森 猛君
塩川 鉄也君 大島 令子君
井上 喜一君 宇田川芳雄君
…………………………………
参考人
(東京大学大学院法学政治
学研究科教授) 中山 信弘君
参考人
(社団法人日本経済団体連
合会産業技術委員会知的財
産部会長)
(キヤノン株式会社顧問) 丸島 儀一君
参考人
(日本弁護士連合会知的財
産政策推進本部事務局次長
)
(弁護士) 末吉 亙君
参考人
(日本弁理士会会長)
(弁理士) 笹島富二雄君
経済産業委員会専門員 鈴木 正直君
—————————————
委員の異動
十一月十二日
辞任 補欠選任
佐藤 剛男君 金子 恭之君
同日
辞任 補欠選任
金子 恭之君 佐藤 剛男君
—————————————
十一月十二日
電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)
独立行政法人原子力安全基盤機構法案(内閣提出第七一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
知的財産基本法案(内閣提出第一号)
————◇—————
村
村田吉隆#1
○村田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、知的財産基本法案を議題といたします。
本日は、参考人として、東京大学大学院法学政治学研究科教授中山信弘君、社団法人日本経済団体連合会産業技術委員会知的財産部会長・キヤノン株式会社顧問丸島儀一君、日本弁護士連合会知的財産政策推進本部事務局次長・弁護士末吉亙君、日本弁理士会会長・弁理士笹島富二雄君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず、中山参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、知的財産基本法案を議題といたします。
本日は、参考人として、東京大学大学院法学政治学研究科教授中山信弘君、社団法人日本経済団体連合会産業技術委員会知的財産部会長・キヤノン株式会社顧問丸島儀一君、日本弁護士連合会知的財産政策推進本部事務局次長・弁護士末吉亙君、日本弁理士会会長・弁理士笹島富二雄君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず、中山参考人にお願いいたします。
中
中山信弘#2
○中山参考人 東京大学の中山でございます。
私は、知的財産戦略大綱の起草委員長を務めましたので、大綱で提唱しております知的財産基本法がこのような形で審議される運びとなりましたことを大変喜んでおります。
知的財産制度の改革にはスピードが最も重要でございます。大綱が公表されて基本法の準備室が設置されてから三カ月余りという極めて短い時間でこのような基本法案ができ上がったということは、準備室の大変な御努力によるものと考えます。担当者に対しましては、心から敬意を表する次第でございます。
大綱の基本的な理念は、この国の経済体制を物つくりから情報つくりに変換するということ、すなわち知恵の重視という点にございます。
従来我が国が得意としてきた物つくり、すなわち、優秀で安い製品を大量に世界に供給するという体制は破綻しつつあります。これにかわる新体制、すなわち情報つくりに適した体制を早急に確立するという必要がありまして、そのためには、知的財産の重視、すなわち知財立国を目指すということが必要になってまいります。大綱は、そのための具体的なプランを提示しているわけでございます。
情報化時代におきましても物つくりの重要性というのは変わらないわけでございますけれども、ただ、大綱が考えている社会における物つくりとは、物に情報を付加した高付加価値のものを指します。高付加価値製品の価値が高いのは、付加された高度の情報によるものでありまして、しかもその情報は侵害に対して極めて弱いという存在でございます。したがいまして、情報を強力に保護するという必要があるわけでございます。その情報を保護する法律が知的財産法ということになります。つまり、高付加価値の物づくりのためにも知財立国というものは必須であるということになるわけでございます。
従来、知的財産というのは単なる財産権であると考えられておりましたけれども、ここに参りまして、知的財産制度を経済発展のための有力な手段の一つとして利用しようという考え方が優勢となりまして、それが知的財産戦略の戦略たるゆえんであると考えております。
知的財産を重視する社会におきましては、新たな創造活動への大きな刺激が存在するということになりまして、それによりさらなる発展が生まれるという、いわゆる創造のスパイラル現象が発生することになるわけでございます。そのことは、我が国企業の国際競争力の強化にもつながると考えております。
知的財産制度の強化というのは情報化時代の要請でありまして、この流れをプロパテントと呼んでいるわけでございます。この大綱を実施することによりまして、我が国もアメリカにおくれること約二十年でようやくプロパテント時代に突入をしたということが言えようかと思います。この傾向をさらに推し進めていくためには、この知的財産基本法を成立させ、基本法を今後の知的財産に関する政策の北極星とするということがぜひとも必要であると考えております。
時間の関係で基本法の細かいことは一切省略いたしますけれども、基本法案の内容自体はほぼ大綱の線に沿っておりまして妥当なものであると評価しております。特に、国、地方公共団体、大学、事業者の責務、努力目標というものが基本法では定められておりまして、この問題は、単に官だけの問題ではなく、国を挙げての問題であるということを明らかにしているという点で意義があると考えております。
大綱は、主として官の施策を中心に記載されております。民間企業の行動は各企業が自主的に行うべきものでありまして、民間企業がなすべきことにつきまして、大綱は細かいことを記述しておりません。しかし、実は、知的財産の活用に関しましては、制度のユーザーである企業の行動あるいは企業の意識というものが決定的に重要でございます。
基本法の八条では、事業者の責務を努力目標として規定しております。基本法でこのように民間企業の行動について規定することには議論もあったと仄聞しておりますけれども、しかしながら、知財立国は官民一体となって努めなければならないということの象徴として、抽象的な規定ではありますけれども、この八条に規定したということは意義があると私は考えております。
基本法でございますから、理念的な規定が多いというのは当然でございます。ただ、基本法の中で、実体的に最も重要なものは知的財産戦略本部の設置であろうと考えております。総理を本部長として全閣僚がメンバーとなるということでございますので、大変格の高い機関ということになっておりますけれども、この知的財産本部の今後の活動こそが、大綱に書かれておりますアクションプランが単なる絵にかいたもちに終わるのか、あるいはしっかりと実現できるのかというかぎを握っていると考えております。
知財本部に関する規定といたしましては、第四章のような形になるということは当然、あるいはやむを得ないと思いますけれども、問題は、本部の具体的な活動内容でございます。常勤の職員を設けるとか、あるいは民間人もその職員に登用する等々の措置を講じなければ実効性はないと考えております。基本法が成立した後の問題ではございますけれども、この点については十分な気配りをしてほしいと考えております。
知的財産基本法は、知的財産制度全般にわたる基本的な方向を定めた我が国で最初の画期的な法でございます。今までは各官庁ごとに別々に行われていた、ばらばらに行われていた知的財産政策をこのように統一的にとらえるということは極めて大きな意義があると考えております。
この基本法を柱にいたしまして、今後の日本の知的財産戦略というものが大きく変わり、我が国が二十一世紀における世界の知的財産制度のリーダーとなるということを期待しております。
以上でございます。拍手
この発言だけを見る →私は、知的財産戦略大綱の起草委員長を務めましたので、大綱で提唱しております知的財産基本法がこのような形で審議される運びとなりましたことを大変喜んでおります。
知的財産制度の改革にはスピードが最も重要でございます。大綱が公表されて基本法の準備室が設置されてから三カ月余りという極めて短い時間でこのような基本法案ができ上がったということは、準備室の大変な御努力によるものと考えます。担当者に対しましては、心から敬意を表する次第でございます。
大綱の基本的な理念は、この国の経済体制を物つくりから情報つくりに変換するということ、すなわち知恵の重視という点にございます。
従来我が国が得意としてきた物つくり、すなわち、優秀で安い製品を大量に世界に供給するという体制は破綻しつつあります。これにかわる新体制、すなわち情報つくりに適した体制を早急に確立するという必要がありまして、そのためには、知的財産の重視、すなわち知財立国を目指すということが必要になってまいります。大綱は、そのための具体的なプランを提示しているわけでございます。
情報化時代におきましても物つくりの重要性というのは変わらないわけでございますけれども、ただ、大綱が考えている社会における物つくりとは、物に情報を付加した高付加価値のものを指します。高付加価値製品の価値が高いのは、付加された高度の情報によるものでありまして、しかもその情報は侵害に対して極めて弱いという存在でございます。したがいまして、情報を強力に保護するという必要があるわけでございます。その情報を保護する法律が知的財産法ということになります。つまり、高付加価値の物づくりのためにも知財立国というものは必須であるということになるわけでございます。
従来、知的財産というのは単なる財産権であると考えられておりましたけれども、ここに参りまして、知的財産制度を経済発展のための有力な手段の一つとして利用しようという考え方が優勢となりまして、それが知的財産戦略の戦略たるゆえんであると考えております。
知的財産を重視する社会におきましては、新たな創造活動への大きな刺激が存在するということになりまして、それによりさらなる発展が生まれるという、いわゆる創造のスパイラル現象が発生することになるわけでございます。そのことは、我が国企業の国際競争力の強化にもつながると考えております。
知的財産制度の強化というのは情報化時代の要請でありまして、この流れをプロパテントと呼んでいるわけでございます。この大綱を実施することによりまして、我が国もアメリカにおくれること約二十年でようやくプロパテント時代に突入をしたということが言えようかと思います。この傾向をさらに推し進めていくためには、この知的財産基本法を成立させ、基本法を今後の知的財産に関する政策の北極星とするということがぜひとも必要であると考えております。
時間の関係で基本法の細かいことは一切省略いたしますけれども、基本法案の内容自体はほぼ大綱の線に沿っておりまして妥当なものであると評価しております。特に、国、地方公共団体、大学、事業者の責務、努力目標というものが基本法では定められておりまして、この問題は、単に官だけの問題ではなく、国を挙げての問題であるということを明らかにしているという点で意義があると考えております。
大綱は、主として官の施策を中心に記載されております。民間企業の行動は各企業が自主的に行うべきものでありまして、民間企業がなすべきことにつきまして、大綱は細かいことを記述しておりません。しかし、実は、知的財産の活用に関しましては、制度のユーザーである企業の行動あるいは企業の意識というものが決定的に重要でございます。
基本法の八条では、事業者の責務を努力目標として規定しております。基本法でこのように民間企業の行動について規定することには議論もあったと仄聞しておりますけれども、しかしながら、知財立国は官民一体となって努めなければならないということの象徴として、抽象的な規定ではありますけれども、この八条に規定したということは意義があると私は考えております。
基本法でございますから、理念的な規定が多いというのは当然でございます。ただ、基本法の中で、実体的に最も重要なものは知的財産戦略本部の設置であろうと考えております。総理を本部長として全閣僚がメンバーとなるということでございますので、大変格の高い機関ということになっておりますけれども、この知的財産本部の今後の活動こそが、大綱に書かれておりますアクションプランが単なる絵にかいたもちに終わるのか、あるいはしっかりと実現できるのかというかぎを握っていると考えております。
知財本部に関する規定といたしましては、第四章のような形になるということは当然、あるいはやむを得ないと思いますけれども、問題は、本部の具体的な活動内容でございます。常勤の職員を設けるとか、あるいは民間人もその職員に登用する等々の措置を講じなければ実効性はないと考えております。基本法が成立した後の問題ではございますけれども、この点については十分な気配りをしてほしいと考えております。
知的財産基本法は、知的財産制度全般にわたる基本的な方向を定めた我が国で最初の画期的な法でございます。今までは各官庁ごとに別々に行われていた、ばらばらに行われていた知的財産政策をこのように統一的にとらえるということは極めて大きな意義があると考えております。
この基本法を柱にいたしまして、今後の日本の知的財産戦略というものが大きく変わり、我が国が二十一世紀における世界の知的財産制度のリーダーとなるということを期待しております。
以上でございます。拍手
村
丸
丸島儀一#4
○丸島参考人 おはようございます。丸島でございます。
それでは、貴重なお時間をいただいて、私の考えていることを申し上げさせていただきます。
今中山先生からもお話がありましたように、基本法を早く成立させて、本部並びに知的財産の戦略計画を具体的に実行していただきたいというのも産業界のお願いでございます。そのとき、産業界としては、これからの戦略の中に知的財産戦略を最大に活用していこうという気持ちでおります。
そのとき大事に思っておりますのが、創造性の高い基本的な発明と、それから、それを実際に事業に結びつけるいわゆる改良発明というんでしょうか、この両方が大事だということでございます。とかく創造性の高い発明だけに焦点が行きがちでございますけれども、むしろ改良技術が日本の特徴になっていると思います。これを裂くようなことがあってはいけないと考えております。
それからもう一つ、最近の風潮として、資産的財産の活用ということで、特許権をお金にかえるという風潮が随分ございますけれども、本来は、やはり企業の事業を強くするために活用すべきということを強く思っております。そういう形で、企業としても知的財産戦略を事業戦略の中に取り込もうという姿勢でおりますが、今回、政府の方にも、企業の国際競争力の強化という視点から環境整備をお願いしたい。
大綱で述べられた大半の項目がその環境整備に向けられる項目と理解しておりますが、この基本法を成立させて知的財産戦略計画を立てるときにぜひ考えていただきたいのは、産業の競争力の強化ということの理念を最も重視する政策を立てていただきたい、この点でございます。
なぜかと申しますと、大綱の中にも示されたいろいろな計画項目がございますけれども、とかくすると、各項目別に審議されて、全体像から見るとバランスがとれない方向に行く可能性もあります。そういう意味で、ぜひこの戦略本部が実行力を持って、全体の方向性を間違えないように、そのときに産業の競争力の強化ということを絶えず理念として強くお考えいただきたいというふうに考えております。
まず、具体的な問題として、競争力強化への知的財産分野の環境整備としては、まず、日本の中で企業が研究開発をしたいという気持ちが起こるような環境整備が必要だと思います。これはどういうことかといえば、投資に見合ったリターンが得られるような環境整備だということだと思います。一方、開発成果が効率的に行えるような環境も必要だと思います。この両方のバランスのとれた環境整備がぜひ必要だというふうに思っております。このことが国富につながることだと私は思います。
もし、この環境整備が十分に整っていないとすると、企業の戦略からすれば、生き残りのために海外に出ていってしまう、これでは国富につながらない。やはり、日本の国内で研究開発を行いたいという気持ちを起こさせるような環境をぜひつくっていただきたい、こういうことでございます。
どういうことかといいますと、まず、大綱にも述べられておりましたように、創造戦略それから保護戦略、活用戦略、あるいは人材の件等も書いてございますけれども、創造戦略として今一番産業界でもお願いしたいのは、大学における創造的役割ですね。これは、人の教育あるいは基礎的な研究にプラスして、産業寄りの研究開発もぜひお願いしたい。これは、企業自身が自前ですべてを開発できない、そういう状況にありますので、産業競争力を高めるためには産学連携ということが非常に大事でございます。そういうことで、産学連携が順調にいくような仕組みをぜひお考えいただきたい。そのためには、先生方の発明が基本特許として成立するような仕組みをまず考えていただきたいというのが第一点でございます。
第二点は、産学連携がしやすいように、先生方の発明を機関帰属にしていただく。その前提としては、日本版バイ・ドール法を積極的に活用できるような仕組みを考えていただきたい、こういうことでございます。
それから、第二点の活用という視点から見た場合、侵害し得という制度をぜひなくしていただきたい。侵害しては大変だという環境をつくっていただきたいと思うんです。そのために、まず、侵害したら侵害物品が明らかにされてしまうということが大事だと思います。それから、損害賠償は、実損ということは、理屈の上では侵害した方が得だという理屈になるわけですので、実損以上の損害を何か得られるという仕組みがないと、尊重といいますか、知的財産を尊重するという機運が出てこないんじゃないかという気もします。そういう意味で、損害賠償は、実損以上の損害賠償を得られるという仕組み。
それからもう一つは、商品寿命といいますか、最近は事業が大分期間が短くなっております。特許権を発動するのにやはり早期の差しとめ請求というのが必要になると思います。その差しとめ請求が事業分野によっては早期に適用できるようなことをぜひお願いしたいと思います。
この三点が整ったときに特許権を尊重するという機運が出まして、むしろ裁判所に行くよりは事前の調整がとれるというふうに私は理解しております。
それからもう一つ、今急いで早急に事を進めるということが盛んに言われているんですが、それも大変結構だと思います。ただ、早急にする余りに内容がおろそかになってはいけないと私は思っております。そういう意味で、早急と内容の充実ということもぜひお考えいただきたい。
これは、裁判における裁判所の人的拡充を前提として、ぜひ裁判の仕組みの中で侵害訴訟の一回的解決、あるいは先ほど言いました早期に侵害訴訟を終結するための証拠収集の拡充、このとき問題になるであろう裁判の公開というのでしょうか、これに知的財産上の営業秘密がかかわってきますので、裁判の公開という解釈には当たらないということを明確にしていただきたいと思っております。
それから、時間もないのでちょっと速目に申し上げます。
もう一つの、研究開発が効率的に行えるような環境整備の中には判決の予見性というのが非常に大事だと思います。そういう意味で、東京高裁も専属管轄にしていただきたい。なおかつ、アメリカのCAFCのように、判決の統一といいますか、判断の統一をしていただけるような仕組みをぜひお考えいただきたい。これは、権利者ではない、権利を尊重する立場からしますと、これが、予見性がないということは研究開発の非常にロスになります。これは国益に相当影響するだろうと思っております。
それから、職務発明の問題、これも現在の法律解釈では、裁判所で判断していただかないと相当な対価というのは決められないということになっております。これでは、現在の知的財産の活用の慣習からしまして、企業では管理できないということも困っておる事態でございます。そういう意味で、法律で対価を決めるのではなくて、企業と発明者の契約で決められるような仕組みをぜひお考えいただきたいと思っております。
それから、日本の制度自身も、改革するのも大事でございますが、もう一方では国際的なバランスというんですか、ハーモナイズといいますか、これが非常に大事だと思います。発展途上国間のバランス、それから先進国とのバランス、いわゆる知的財産制度というのは国際活動においてやはりリターンが得られるような仕組みでないといけないということで、海外における模倣品の問題、これも大事な問題でございます。それから、海外から日本に来る模倣品の水際対策、これも非常に大切なものでございます。現在の仕組み以上に、特許権の侵害製品に対しても水際でとめられるようなそういう仕組みをぜひお考えいただきたいと思っております。
それからもう一つ、ベンチャーの育成ということで、いろいろ施策はとられておりますけれども、特許の流通の過程で権利者が破産するということによって、ライセンシーの地位が非常に不安定である。これを安定するような仕組みをぜひお考えいただきたい。
時間も参りましたので、ここで終わります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →それでは、貴重なお時間をいただいて、私の考えていることを申し上げさせていただきます。
今中山先生からもお話がありましたように、基本法を早く成立させて、本部並びに知的財産の戦略計画を具体的に実行していただきたいというのも産業界のお願いでございます。そのとき、産業界としては、これからの戦略の中に知的財産戦略を最大に活用していこうという気持ちでおります。
そのとき大事に思っておりますのが、創造性の高い基本的な発明と、それから、それを実際に事業に結びつけるいわゆる改良発明というんでしょうか、この両方が大事だということでございます。とかく創造性の高い発明だけに焦点が行きがちでございますけれども、むしろ改良技術が日本の特徴になっていると思います。これを裂くようなことがあってはいけないと考えております。
それからもう一つ、最近の風潮として、資産的財産の活用ということで、特許権をお金にかえるという風潮が随分ございますけれども、本来は、やはり企業の事業を強くするために活用すべきということを強く思っております。そういう形で、企業としても知的財産戦略を事業戦略の中に取り込もうという姿勢でおりますが、今回、政府の方にも、企業の国際競争力の強化という視点から環境整備をお願いしたい。
大綱で述べられた大半の項目がその環境整備に向けられる項目と理解しておりますが、この基本法を成立させて知的財産戦略計画を立てるときにぜひ考えていただきたいのは、産業の競争力の強化ということの理念を最も重視する政策を立てていただきたい、この点でございます。
なぜかと申しますと、大綱の中にも示されたいろいろな計画項目がございますけれども、とかくすると、各項目別に審議されて、全体像から見るとバランスがとれない方向に行く可能性もあります。そういう意味で、ぜひこの戦略本部が実行力を持って、全体の方向性を間違えないように、そのときに産業の競争力の強化ということを絶えず理念として強くお考えいただきたいというふうに考えております。
まず、具体的な問題として、競争力強化への知的財産分野の環境整備としては、まず、日本の中で企業が研究開発をしたいという気持ちが起こるような環境整備が必要だと思います。これはどういうことかといえば、投資に見合ったリターンが得られるような環境整備だということだと思います。一方、開発成果が効率的に行えるような環境も必要だと思います。この両方のバランスのとれた環境整備がぜひ必要だというふうに思っております。このことが国富につながることだと私は思います。
もし、この環境整備が十分に整っていないとすると、企業の戦略からすれば、生き残りのために海外に出ていってしまう、これでは国富につながらない。やはり、日本の国内で研究開発を行いたいという気持ちを起こさせるような環境をぜひつくっていただきたい、こういうことでございます。
どういうことかといいますと、まず、大綱にも述べられておりましたように、創造戦略それから保護戦略、活用戦略、あるいは人材の件等も書いてございますけれども、創造戦略として今一番産業界でもお願いしたいのは、大学における創造的役割ですね。これは、人の教育あるいは基礎的な研究にプラスして、産業寄りの研究開発もぜひお願いしたい。これは、企業自身が自前ですべてを開発できない、そういう状況にありますので、産業競争力を高めるためには産学連携ということが非常に大事でございます。そういうことで、産学連携が順調にいくような仕組みをぜひお考えいただきたい。そのためには、先生方の発明が基本特許として成立するような仕組みをまず考えていただきたいというのが第一点でございます。
第二点は、産学連携がしやすいように、先生方の発明を機関帰属にしていただく。その前提としては、日本版バイ・ドール法を積極的に活用できるような仕組みを考えていただきたい、こういうことでございます。
それから、第二点の活用という視点から見た場合、侵害し得という制度をぜひなくしていただきたい。侵害しては大変だという環境をつくっていただきたいと思うんです。そのために、まず、侵害したら侵害物品が明らかにされてしまうということが大事だと思います。それから、損害賠償は、実損ということは、理屈の上では侵害した方が得だという理屈になるわけですので、実損以上の損害を何か得られるという仕組みがないと、尊重といいますか、知的財産を尊重するという機運が出てこないんじゃないかという気もします。そういう意味で、損害賠償は、実損以上の損害賠償を得られるという仕組み。
それからもう一つは、商品寿命といいますか、最近は事業が大分期間が短くなっております。特許権を発動するのにやはり早期の差しとめ請求というのが必要になると思います。その差しとめ請求が事業分野によっては早期に適用できるようなことをぜひお願いしたいと思います。
この三点が整ったときに特許権を尊重するという機運が出まして、むしろ裁判所に行くよりは事前の調整がとれるというふうに私は理解しております。
それからもう一つ、今急いで早急に事を進めるということが盛んに言われているんですが、それも大変結構だと思います。ただ、早急にする余りに内容がおろそかになってはいけないと私は思っております。そういう意味で、早急と内容の充実ということもぜひお考えいただきたい。
これは、裁判における裁判所の人的拡充を前提として、ぜひ裁判の仕組みの中で侵害訴訟の一回的解決、あるいは先ほど言いました早期に侵害訴訟を終結するための証拠収集の拡充、このとき問題になるであろう裁判の公開というのでしょうか、これに知的財産上の営業秘密がかかわってきますので、裁判の公開という解釈には当たらないということを明確にしていただきたいと思っております。
それから、時間もないのでちょっと速目に申し上げます。
もう一つの、研究開発が効率的に行えるような環境整備の中には判決の予見性というのが非常に大事だと思います。そういう意味で、東京高裁も専属管轄にしていただきたい。なおかつ、アメリカのCAFCのように、判決の統一といいますか、判断の統一をしていただけるような仕組みをぜひお考えいただきたい。これは、権利者ではない、権利を尊重する立場からしますと、これが、予見性がないということは研究開発の非常にロスになります。これは国益に相当影響するだろうと思っております。
それから、職務発明の問題、これも現在の法律解釈では、裁判所で判断していただかないと相当な対価というのは決められないということになっております。これでは、現在の知的財産の活用の慣習からしまして、企業では管理できないということも困っておる事態でございます。そういう意味で、法律で対価を決めるのではなくて、企業と発明者の契約で決められるような仕組みをぜひお考えいただきたいと思っております。
それから、日本の制度自身も、改革するのも大事でございますが、もう一方では国際的なバランスというんですか、ハーモナイズといいますか、これが非常に大事だと思います。発展途上国間のバランス、それから先進国とのバランス、いわゆる知的財産制度というのは国際活動においてやはりリターンが得られるような仕組みでないといけないということで、海外における模倣品の問題、これも大事な問題でございます。それから、海外から日本に来る模倣品の水際対策、これも非常に大切なものでございます。現在の仕組み以上に、特許権の侵害製品に対しても水際でとめられるようなそういう仕組みをぜひお考えいただきたいと思っております。
それからもう一つ、ベンチャーの育成ということで、いろいろ施策はとられておりますけれども、特許の流通の過程で権利者が破産するということによって、ライセンシーの地位が非常に不安定である。これを安定するような仕組みをぜひお考えいただきたい。
時間も参りましたので、ここで終わります。ありがとうございました。拍手
村
末
末吉亙#6
○末吉参考人 おはようございます。
私は、日本弁護士連合会知的財産政策推進本部事務局の次長を務めております弁護士の末吉亙と申します。よろしくお願いいたします。日本弁護士連合会の推薦によりまして、参考人として意見を述べさせていただきます。
ことし二〇〇二年は、知的財産の本格的な時代を我が国も迎えたのではないかと思います。
振り返ってみますと、ことし二〇〇二年二月四日、第百五十四回国会における小泉首相の施政方針演説におきまして、初めて知的財産というものが国家戦略として位置づけられました。これを受けまして政府は、知的財産戦略会議を設置しまして、この知的財産戦略会議は、知的財産戦略大綱という知的財産の基本戦略及びそのスケジュールを決定し、表明しました。これは二〇〇二年の七月三日のことでございます。
さらに、ここ衆議院におきまして、知的財産基本法を御審議いただくことになっているわけでございます。これは大変画期的なことではないかというふうに考えます。昨年二〇〇一年にはここまでのことを予測するということはできなかったのではないかというふうに思っております。知的財産を手がけてきた弁護士の一人といたしまして、私はこの動きを大歓迎しております。
と同時に、これは千載一遇のチャンスではないかというふうに考えておる次第でございます。なぜならば、知的財産は、これまで国家戦略として検討されたことはなかった、また、それほどの脚光を浴びたということもなかったのではないかと思います。今回、この委員会を含めまして、英知を集めて機動的、集中的に検討され、知的財産制度が総合的、戦略的に整備されることになったのはまさにチャンスであるというふうに考えております。
私ども日本弁護士連合会も、今回のこの政府の動きには機敏に対応いたしました。ことしの八月二日でございますが、日本弁護士連合会に知的財産政策推進本部、この本部長は日弁連会長の本林徹でございますが、この本部が発足いたしました。
この知財本部設立の趣旨でございますが、日本を取り巻く知的財産をめぐる諸問題が、高度な政治あるいは経済問題であるのみならず、グローバルに発展する情報社会におきまして、司法分野にとっても極めて重要な課題であるということを私ども日弁連が再認識したため設立されたものでございます。
ここで、この司法分野での課題というのは、具体的には三点あると認識しております。
第一に、法曹養成でございます。これは弁護士であるとか裁判官の養成でございます。法科大学院、これはロースクールと申しますが、ここでの知財教育、あるいは弁護士の研修の強化などによりまして、知的財産分野を担う質、量ともに豊かな裁判官であるとか弁護士を養成するという課題でございます。
第二に、法律の整備でございます。知的財産分野におきまして、国際的水準をリードするような知財立法を整備するという課題でございます。日弁連も、このためには積極的に提言などの活動をする予定でございます。
第三に、司法制度改革です。知的財産をめぐる紛争の予防と早期の解決のための司法インフラの整備という課題でございます。日弁連も、司法制度改革に積極的に取り組んでおります。
ところで、知的財産戦略大綱は、極めて短期間の検討期間しか与えられなかったにもかかわらず、広範囲にわたる戦略についての検討を踏まえた大変な御努力によって起草された大がかりなものでございます。
この知的財産戦略大綱の特色としては、第一に、この網羅的戦略性を挙げることができます。
第二に、知的財産サイクルの確立を目標にしております。すなわち創造、保護、活用及び人的基盤の充実というサイクルを目標として掲げておるわけでございます。
第三に、権利の強化に伴う弊害にも着目しております。すなわち、例えば競争政策も重要であるという点、あるいは表現の自由などの重視などでございます。
第四に、具体的な行動計画でございます。二〇〇五年度までをめどとする集中的、計画的な具体的行動計画を示しております。
最後、第五に、知的財産基本法の制定、知的財産戦略本部の設置及び知的財産戦略計画の策定までも予定をしているという点でございます。ここに知的財産基本法の背景がございます。
このような特色を持つ知的財産戦略大綱の精神に基づきまして、今後、具体的な検討作業が適切かつ迅速に進行するということが何よりも重要であります。この点は、中山参考人あるいは丸島参考人と私も全く同意見でございます。
知的財産戦略大綱の具体的行動計画の具体的な担い手は、総合科学技術会議、文部科学省、経済産業省、総務省、財務省、法務省、司法制度改革推進本部、農林水産省、警察庁、外務省、厚生労働省、金融庁、内閣官房など多岐にわたっております。
このうち、既に進行しております作業の延長線上での実施が予定される事項につきましては、従前の作業の延長線の中での計画実施が想定されております。例えば、法制審議会におきます民事訴訟法改正作業、あるいは司法制度改革推進本部の十の検討会における検討作業などがございます。
ちなみに、法科大学院での知財教育あるいは法曹研修の強化などによります知的財産分野を担う質、量ともに豊かな法曹の育成につきましては、司法制度改革推進本部で精力的に検討されるというふうに私ども期待をしております。知財ロースクールなど、重要な論点を含んでおります。
他方、新たに検討の場が設けられたものとしましては、司法制度改革推進本部に新しく知的財産訴訟検討会というものがこの十月に設けられております。
日本弁護士連合会といたしましては、これまでどおり、法制審議会、司法制度改革推進本部検討会などにおきまして積極的に関与をしてまいるとともに、検討会あるいは政府その他の諸機関に対しましては、提言を行うことはもとより、知的財産を扱う弁護士の数を画期的に増加させる諸方策の検討を含めまして、さらなる積極的な活動をすることを予定しております。なかんずく、司法制度改革推進本部に新たに設置されました知的財産訴訟検討会で検討される事項につきましては、特に検討、対応が急務でございます。
以上を踏まえまして、この際、三点要望を差し上げたいと思います。
まず第一に、知的財産基本法の規定いたします推進計画、あるいは知的財産戦略本部、これは知的財産戦略大綱の精神に基づきまして、適切かつ迅速に計画が実施されることを促進するためのものにしていただきたいという点でございます。日弁連も政策立案に積極的に協力できる体制を準備しております。
第二に、国会におかれましては、今後も、知的財産戦略大綱の進捗状況につきまして、国権の最高機関として適切にチェックをお願いしたいという点でございます。その際、知的財産戦略大綱の精神が尊重されているという点につきましても、先生方、どうか御確認をお願いしたいという点でございます。
第三に、司法制度改革と同様に、知的財産戦略も国民各方面の意見を集約しながら、ニーズに応じた透明性の高い戦略実施という点についてお願いしたいという点でございます。これによりまして、国民ニーズに即した、世界に誇れる知財立国というものが必ずや実現するものと確信をいたしております。
以上の趣旨のもと、十分なる御審議のもと、知的財産基本法が早期に成立することを心から希望いたします。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、日本弁護士連合会知的財産政策推進本部事務局の次長を務めております弁護士の末吉亙と申します。よろしくお願いいたします。日本弁護士連合会の推薦によりまして、参考人として意見を述べさせていただきます。
ことし二〇〇二年は、知的財産の本格的な時代を我が国も迎えたのではないかと思います。
振り返ってみますと、ことし二〇〇二年二月四日、第百五十四回国会における小泉首相の施政方針演説におきまして、初めて知的財産というものが国家戦略として位置づけられました。これを受けまして政府は、知的財産戦略会議を設置しまして、この知的財産戦略会議は、知的財産戦略大綱という知的財産の基本戦略及びそのスケジュールを決定し、表明しました。これは二〇〇二年の七月三日のことでございます。
さらに、ここ衆議院におきまして、知的財産基本法を御審議いただくことになっているわけでございます。これは大変画期的なことではないかというふうに考えます。昨年二〇〇一年にはここまでのことを予測するということはできなかったのではないかというふうに思っております。知的財産を手がけてきた弁護士の一人といたしまして、私はこの動きを大歓迎しております。
と同時に、これは千載一遇のチャンスではないかというふうに考えておる次第でございます。なぜならば、知的財産は、これまで国家戦略として検討されたことはなかった、また、それほどの脚光を浴びたということもなかったのではないかと思います。今回、この委員会を含めまして、英知を集めて機動的、集中的に検討され、知的財産制度が総合的、戦略的に整備されることになったのはまさにチャンスであるというふうに考えております。
私ども日本弁護士連合会も、今回のこの政府の動きには機敏に対応いたしました。ことしの八月二日でございますが、日本弁護士連合会に知的財産政策推進本部、この本部長は日弁連会長の本林徹でございますが、この本部が発足いたしました。
この知財本部設立の趣旨でございますが、日本を取り巻く知的財産をめぐる諸問題が、高度な政治あるいは経済問題であるのみならず、グローバルに発展する情報社会におきまして、司法分野にとっても極めて重要な課題であるということを私ども日弁連が再認識したため設立されたものでございます。
ここで、この司法分野での課題というのは、具体的には三点あると認識しております。
第一に、法曹養成でございます。これは弁護士であるとか裁判官の養成でございます。法科大学院、これはロースクールと申しますが、ここでの知財教育、あるいは弁護士の研修の強化などによりまして、知的財産分野を担う質、量ともに豊かな裁判官であるとか弁護士を養成するという課題でございます。
第二に、法律の整備でございます。知的財産分野におきまして、国際的水準をリードするような知財立法を整備するという課題でございます。日弁連も、このためには積極的に提言などの活動をする予定でございます。
第三に、司法制度改革です。知的財産をめぐる紛争の予防と早期の解決のための司法インフラの整備という課題でございます。日弁連も、司法制度改革に積極的に取り組んでおります。
ところで、知的財産戦略大綱は、極めて短期間の検討期間しか与えられなかったにもかかわらず、広範囲にわたる戦略についての検討を踏まえた大変な御努力によって起草された大がかりなものでございます。
この知的財産戦略大綱の特色としては、第一に、この網羅的戦略性を挙げることができます。
第二に、知的財産サイクルの確立を目標にしております。すなわち創造、保護、活用及び人的基盤の充実というサイクルを目標として掲げておるわけでございます。
第三に、権利の強化に伴う弊害にも着目しております。すなわち、例えば競争政策も重要であるという点、あるいは表現の自由などの重視などでございます。
第四に、具体的な行動計画でございます。二〇〇五年度までをめどとする集中的、計画的な具体的行動計画を示しております。
最後、第五に、知的財産基本法の制定、知的財産戦略本部の設置及び知的財産戦略計画の策定までも予定をしているという点でございます。ここに知的財産基本法の背景がございます。
このような特色を持つ知的財産戦略大綱の精神に基づきまして、今後、具体的な検討作業が適切かつ迅速に進行するということが何よりも重要であります。この点は、中山参考人あるいは丸島参考人と私も全く同意見でございます。
知的財産戦略大綱の具体的行動計画の具体的な担い手は、総合科学技術会議、文部科学省、経済産業省、総務省、財務省、法務省、司法制度改革推進本部、農林水産省、警察庁、外務省、厚生労働省、金融庁、内閣官房など多岐にわたっております。
このうち、既に進行しております作業の延長線上での実施が予定される事項につきましては、従前の作業の延長線の中での計画実施が想定されております。例えば、法制審議会におきます民事訴訟法改正作業、あるいは司法制度改革推進本部の十の検討会における検討作業などがございます。
ちなみに、法科大学院での知財教育あるいは法曹研修の強化などによります知的財産分野を担う質、量ともに豊かな法曹の育成につきましては、司法制度改革推進本部で精力的に検討されるというふうに私ども期待をしております。知財ロースクールなど、重要な論点を含んでおります。
他方、新たに検討の場が設けられたものとしましては、司法制度改革推進本部に新しく知的財産訴訟検討会というものがこの十月に設けられております。
日本弁護士連合会といたしましては、これまでどおり、法制審議会、司法制度改革推進本部検討会などにおきまして積極的に関与をしてまいるとともに、検討会あるいは政府その他の諸機関に対しましては、提言を行うことはもとより、知的財産を扱う弁護士の数を画期的に増加させる諸方策の検討を含めまして、さらなる積極的な活動をすることを予定しております。なかんずく、司法制度改革推進本部に新たに設置されました知的財産訴訟検討会で検討される事項につきましては、特に検討、対応が急務でございます。
以上を踏まえまして、この際、三点要望を差し上げたいと思います。
まず第一に、知的財産基本法の規定いたします推進計画、あるいは知的財産戦略本部、これは知的財産戦略大綱の精神に基づきまして、適切かつ迅速に計画が実施されることを促進するためのものにしていただきたいという点でございます。日弁連も政策立案に積極的に協力できる体制を準備しております。
第二に、国会におかれましては、今後も、知的財産戦略大綱の進捗状況につきまして、国権の最高機関として適切にチェックをお願いしたいという点でございます。その際、知的財産戦略大綱の精神が尊重されているという点につきましても、先生方、どうか御確認をお願いしたいという点でございます。
第三に、司法制度改革と同様に、知的財産戦略も国民各方面の意見を集約しながら、ニーズに応じた透明性の高い戦略実施という点についてお願いしたいという点でございます。これによりまして、国民ニーズに即した、世界に誇れる知財立国というものが必ずや実現するものと確信をいたしております。
以上の趣旨のもと、十分なる御審議のもと、知的財産基本法が早期に成立することを心から希望いたします。ありがとうございました。拍手
村
笹
笹島富二雄#8
○笹島参考人 おはようございます。日本弁理士会会長の笹島富二雄でございます。
本日は、参考人としてお招きいただきまして、日本弁理士会から意見を述べさせていただく機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
それでは、日本弁理士会の見解を表明させていただきます。
日本弁理士会は、知的財産基本法案を支持し、本基本法案が早期に成立することを強く希望いたします。
その理由と申しますと、小泉首相を座長とする知的財産戦略会議は、本年七月三日に知的財産戦略大綱を策定されました。今後、我が国の国富の源泉となる知的財産のあらゆる面での環境整備に向けた改革断行が必要でありまして、この改革が二十一世紀型の文明構築に向けた国家的事業であると宣明をされました。そして、知的財産立国の実現に向け、具体的な改革工程を付して、太い道筋を示されました。本基本法案は、この戦略大綱の高らかな精神にのっとっておりまして、必要にして十分な内容であると高く評価する次第でございます。
とりわけ、知的財産の定義を我が国で初めて明らかにした意義は深いものがあります。また、基本理念として、国民経済の健全な発展、豊かな文化の創造、我が国産業の国際競争力強化と持続的発展を図るための知的財産に関する基本的施策が十分に唱えられていると考えます。また、国、地方公共団体、大学、事業者等の責務を明らかにしまして、その連携強化が唱えられていることは大いに評価できるものであります。
法案は、続いて、基本的な施策を定め、知的財産基本法のもとで具体的な目標と達成時期を定める知的財産推進計画を作成しまして、これを推進するための知的財産戦略本部を設置するといった取り組み方も明示しております。
短期間にここまで本基本法案を取りまとめてこられた知的財産基本法準備室ほか関係者の皆様に衷心より敬意を表するものでございます。
ところで、戦略大綱策定後も我が国経済社会の環境は必ずしも芳しからず、また、科学技術の面では、我が国への大いなる勇気づけとなりました小柴、田中両氏のノーベル賞受賞にちなんでは、発明者保護のあり方が議論され、あるいは、我が国の小中学校における理数科教育が欧米との比較の上で低位にあるという統計も明らかになりまして、知的財産の柱となる科学技術の未来への警鐘も示されております。さらには、中国におきましては明年春に世界の知的財産関連の首脳会議が開催予定でありまして、ここで知的財産専門家の強化策も打ち出されると聞いております。
したがいまして、戦略大綱で示された道筋の実現に一刻の猶予も許されないのが我が国の現状であると考えます。本基本法案が今臨時国会においてぜひとも早期に成立されるよう、国会議員の先生方の絶大なる御協力をお願い申し上げますとともに、関係官庁の皆様の今後の積極的な取り組みに期待申し上げる次第でございます。
ここで、戦略大綱の精神に沿った日本弁理士会の対応につきまして述べさせていただきます。
弁理士は、知的創造サイクルに一貫して関与することによりまして、我が国の科学技術振興、産業の発展に貢献するという使命を有する我が国唯一の知的財産専門資格者でございます。本基本法のもとで弁理士はこの使命を存分に果たす国民の期待と責任を強く認識しておりまして、戦略大綱の目指す国家的事業の実現に向けて、日々奉仕の精神を持って協力することを惜しみません。
とりわけ、次のような課題を例示させていただきまして、これらの課題に積極的に取り組んでまいる所存であります。
まずもって第一番に、私ども弁理士自身のサービス能力向上への取り組みを積極的に行います。弁理士会研修所を改革し、特許庁、大学、裁判所、日弁連等の協力を得まして、知財創造サイクル関係の知識、実務の習得、とりわけ先端科学技術分野、紛争解決、知的財産ビジネスを含めた弁理士の能力の拡充と知的財産の研究活動を行います。あわせて、倫理意識の徹底も図ります。
第二に、弁理士は国際的な活動を特徴とする資格であります。したがいまして、国際協力への取り組みを強化します。まず、日米欧の三極協力体制への支援を図ります。また、中国の台頭を背景にしてもなお我が国がアジアにおいて名誉ある地位を確保するための抜本的方策の確立に取り組みます。この活動の一環として、東アジア地域における弁理士制度の構築に向けて、現地への働きかけを強力に展開してまいります。また、海外現地代理人団体との提携により模倣品対策に取り組みます。
第三に、権利利用・活用への取り組みであります。設立が検討されている大学関連の知的財産本部など、大学に期待されている産学官連携などの社会活動に弁理士は従前以上に関与してまいります。また、知的財産の経済的価値評価組織の構築を図ります。
第四に、いかなる制度もこれを動かすのは人であります。日本弁理士会は、人材育成を最も重要な課題として取り組みます。専門職大学院、法科大学院など知的財産関連人材養成システムの基盤確立を提言し推進してまいります。また、初等、中等教育分野におきましては、教育関係者のみならず、今や総力を挙げて国民全体の関与が必要となっているところ、弁理士は母校に帰りまして、教育者、地方公共団体指導者、学生生徒に対して知財教育の支援活動を行うように努めます。
これら弁理士の活動を推進するため、日本弁理士会は本年九月に知的財産制度改革推進会議を設置いたしました。今後、この会議は、日本弁理士会が知的財産の専門家集団であるという自覚と責任のもとにおいて、我が国の知的財産制度改革に対して積極的に取り組み、提言や要望を取りまとめてまいります。
それでは、これらの弁理士の活動を効果的に行うために、本法案の御審議に際して、特に、次の我が国の知的財産専門家の充実を考慮していただきたくお願い申し上げます。
第一は、本基本法二十二条、人材の確保に関してでございますが、知的財産専門家の養成組織を構築していただきたいと思います。知的財産に携わる者に求められる能力は、知財実務、技術、ビジネス、国際紛争等にかかわるあらゆる局面に的確に対応する必要があります。現在、設立が検討されております法科大学院あるいは専門職大学院等におきます知財教育のあり方等を含めて、我が国の知財専門家を養成するための総合的な取り組みが行われるよう強く希望いたします。
次に、知財教育を強化していただきたいと思います。
大綱の理念を将来にわたって具現化するためには、小中学生に対しまして、科学の楽しさを知る創造教育や知財に関する教育をより一層行うことが不可欠です。少子化が叫ばれている昨今ではありますが、逆に、人口が多い社会人から見れば、教育する力は多くあります。弁理士は専門家としてこの教育に取り組みますので、御支援、御協力をお願いいたします。
それから、特許庁における審査体制の強化を図るのが喫緊の課題であると承知しております。
審査・審判の促進には、米国に劣らない国家戦略的な審査・審判官の適正な増員を図ることが必要であります。この点、審査・審判官が増員にならなければ、迅速的確な審査・審判は期待できません。
次に、弁理士の侵害訴訟代理制度への積極的な取り組みのさらなる支援をお願い申し上げます。
今回、この春に公布されました改正法で、弁理士の特定侵害訴訟代理が条件つきで認められました。弁理士がこの特定侵害訴訟代理を行うための能力担保研修は来年から実施する予定ですが、初年度から実に千三百名の希望者がおりまして、今現在、その予備的基礎研修として、全国九大学の協力を得て、約八百名の法学基礎研修を実施しております。この制度は、必ずや我が国の知的財産訴訟に大いに役立つことになると確信いたします。弁理士の今後の努力をお見守りください。
最後に、我が国は、明治維新、大戦後に続く大きな改革のときを迎えております。この中で、政府は、政治、経済構造等幾多の改革を実行してまいりました。科学技術を発展させ、知財を活用することによって経済産業を発展させようとする今回の知財改革は、将来、我が国国民が明るく心豊かであり、我が国が世界の中で名誉ある地位を占められるような国づくりへのさまざまな取り組みの一つとして位置づけられます。我々弁理士も、専門とする知財に関する知見を用いて我が国産業発展に尽力すべき覚悟でありますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
以上のような次第で、日本弁理士会は、本基本法案の一刻も早い成立を強く希望いたします。一刻も早く知財推進本部を立ち上げ、早急に我が国の知的財産戦略を策定し、直ちにその実行に邁進していきたいと衷心より願うものであります。
以上、日本弁理士会の思うところを述べさせていただきました。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、参考人としてお招きいただきまして、日本弁理士会から意見を述べさせていただく機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
それでは、日本弁理士会の見解を表明させていただきます。
日本弁理士会は、知的財産基本法案を支持し、本基本法案が早期に成立することを強く希望いたします。
その理由と申しますと、小泉首相を座長とする知的財産戦略会議は、本年七月三日に知的財産戦略大綱を策定されました。今後、我が国の国富の源泉となる知的財産のあらゆる面での環境整備に向けた改革断行が必要でありまして、この改革が二十一世紀型の文明構築に向けた国家的事業であると宣明をされました。そして、知的財産立国の実現に向け、具体的な改革工程を付して、太い道筋を示されました。本基本法案は、この戦略大綱の高らかな精神にのっとっておりまして、必要にして十分な内容であると高く評価する次第でございます。
とりわけ、知的財産の定義を我が国で初めて明らかにした意義は深いものがあります。また、基本理念として、国民経済の健全な発展、豊かな文化の創造、我が国産業の国際競争力強化と持続的発展を図るための知的財産に関する基本的施策が十分に唱えられていると考えます。また、国、地方公共団体、大学、事業者等の責務を明らかにしまして、その連携強化が唱えられていることは大いに評価できるものであります。
法案は、続いて、基本的な施策を定め、知的財産基本法のもとで具体的な目標と達成時期を定める知的財産推進計画を作成しまして、これを推進するための知的財産戦略本部を設置するといった取り組み方も明示しております。
短期間にここまで本基本法案を取りまとめてこられた知的財産基本法準備室ほか関係者の皆様に衷心より敬意を表するものでございます。
ところで、戦略大綱策定後も我が国経済社会の環境は必ずしも芳しからず、また、科学技術の面では、我が国への大いなる勇気づけとなりました小柴、田中両氏のノーベル賞受賞にちなんでは、発明者保護のあり方が議論され、あるいは、我が国の小中学校における理数科教育が欧米との比較の上で低位にあるという統計も明らかになりまして、知的財産の柱となる科学技術の未来への警鐘も示されております。さらには、中国におきましては明年春に世界の知的財産関連の首脳会議が開催予定でありまして、ここで知的財産専門家の強化策も打ち出されると聞いております。
したがいまして、戦略大綱で示された道筋の実現に一刻の猶予も許されないのが我が国の現状であると考えます。本基本法案が今臨時国会においてぜひとも早期に成立されるよう、国会議員の先生方の絶大なる御協力をお願い申し上げますとともに、関係官庁の皆様の今後の積極的な取り組みに期待申し上げる次第でございます。
ここで、戦略大綱の精神に沿った日本弁理士会の対応につきまして述べさせていただきます。
弁理士は、知的創造サイクルに一貫して関与することによりまして、我が国の科学技術振興、産業の発展に貢献するという使命を有する我が国唯一の知的財産専門資格者でございます。本基本法のもとで弁理士はこの使命を存分に果たす国民の期待と責任を強く認識しておりまして、戦略大綱の目指す国家的事業の実現に向けて、日々奉仕の精神を持って協力することを惜しみません。
とりわけ、次のような課題を例示させていただきまして、これらの課題に積極的に取り組んでまいる所存であります。
まずもって第一番に、私ども弁理士自身のサービス能力向上への取り組みを積極的に行います。弁理士会研修所を改革し、特許庁、大学、裁判所、日弁連等の協力を得まして、知財創造サイクル関係の知識、実務の習得、とりわけ先端科学技術分野、紛争解決、知的財産ビジネスを含めた弁理士の能力の拡充と知的財産の研究活動を行います。あわせて、倫理意識の徹底も図ります。
第二に、弁理士は国際的な活動を特徴とする資格であります。したがいまして、国際協力への取り組みを強化します。まず、日米欧の三極協力体制への支援を図ります。また、中国の台頭を背景にしてもなお我が国がアジアにおいて名誉ある地位を確保するための抜本的方策の確立に取り組みます。この活動の一環として、東アジア地域における弁理士制度の構築に向けて、現地への働きかけを強力に展開してまいります。また、海外現地代理人団体との提携により模倣品対策に取り組みます。
第三に、権利利用・活用への取り組みであります。設立が検討されている大学関連の知的財産本部など、大学に期待されている産学官連携などの社会活動に弁理士は従前以上に関与してまいります。また、知的財産の経済的価値評価組織の構築を図ります。
第四に、いかなる制度もこれを動かすのは人であります。日本弁理士会は、人材育成を最も重要な課題として取り組みます。専門職大学院、法科大学院など知的財産関連人材養成システムの基盤確立を提言し推進してまいります。また、初等、中等教育分野におきましては、教育関係者のみならず、今や総力を挙げて国民全体の関与が必要となっているところ、弁理士は母校に帰りまして、教育者、地方公共団体指導者、学生生徒に対して知財教育の支援活動を行うように努めます。
これら弁理士の活動を推進するため、日本弁理士会は本年九月に知的財産制度改革推進会議を設置いたしました。今後、この会議は、日本弁理士会が知的財産の専門家集団であるという自覚と責任のもとにおいて、我が国の知的財産制度改革に対して積極的に取り組み、提言や要望を取りまとめてまいります。
それでは、これらの弁理士の活動を効果的に行うために、本法案の御審議に際して、特に、次の我が国の知的財産専門家の充実を考慮していただきたくお願い申し上げます。
第一は、本基本法二十二条、人材の確保に関してでございますが、知的財産専門家の養成組織を構築していただきたいと思います。知的財産に携わる者に求められる能力は、知財実務、技術、ビジネス、国際紛争等にかかわるあらゆる局面に的確に対応する必要があります。現在、設立が検討されております法科大学院あるいは専門職大学院等におきます知財教育のあり方等を含めて、我が国の知財専門家を養成するための総合的な取り組みが行われるよう強く希望いたします。
次に、知財教育を強化していただきたいと思います。
大綱の理念を将来にわたって具現化するためには、小中学生に対しまして、科学の楽しさを知る創造教育や知財に関する教育をより一層行うことが不可欠です。少子化が叫ばれている昨今ではありますが、逆に、人口が多い社会人から見れば、教育する力は多くあります。弁理士は専門家としてこの教育に取り組みますので、御支援、御協力をお願いいたします。
それから、特許庁における審査体制の強化を図るのが喫緊の課題であると承知しております。
審査・審判の促進には、米国に劣らない国家戦略的な審査・審判官の適正な増員を図ることが必要であります。この点、審査・審判官が増員にならなければ、迅速的確な審査・審判は期待できません。
次に、弁理士の侵害訴訟代理制度への積極的な取り組みのさらなる支援をお願い申し上げます。
今回、この春に公布されました改正法で、弁理士の特定侵害訴訟代理が条件つきで認められました。弁理士がこの特定侵害訴訟代理を行うための能力担保研修は来年から実施する予定ですが、初年度から実に千三百名の希望者がおりまして、今現在、その予備的基礎研修として、全国九大学の協力を得て、約八百名の法学基礎研修を実施しております。この制度は、必ずや我が国の知的財産訴訟に大いに役立つことになると確信いたします。弁理士の今後の努力をお見守りください。
最後に、我が国は、明治維新、大戦後に続く大きな改革のときを迎えております。この中で、政府は、政治、経済構造等幾多の改革を実行してまいりました。科学技術を発展させ、知財を活用することによって経済産業を発展させようとする今回の知財改革は、将来、我が国国民が明るく心豊かであり、我が国が世界の中で名誉ある地位を占められるような国づくりへのさまざまな取り組みの一つとして位置づけられます。我々弁理士も、専門とする知財に関する知見を用いて我が国産業発展に尽力すべき覚悟でありますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
以上のような次第で、日本弁理士会は、本基本法案の一刻も早い成立を強く希望いたします。一刻も早く知財推進本部を立ち上げ、早急に我が国の知的財産戦略を策定し、直ちにその実行に邁進していきたいと衷心より願うものであります。
以上、日本弁理士会の思うところを述べさせていただきました。ありがとうございました。拍手
村
村
平
平井卓也#11
○平井委員 自由民主党の平井卓也でございます。
きょうは、参考人の皆様方には本当に早朝より、また、貴重な御意見を拝聴することができまして、ありがとうございました。トップバッターの質問でありますが、個別にはいろいろと聞きたいこともあるのですが、きょうは限られた時間、十分しかありません。それで、中山先生と丸島先生にお聞きをしたいと思うわけであります。
確かに、行政、立法、司法に大きくまたがっていく問題でもありますし、民間のマインドの問題もある。このプロパテント政策の本質というのが、いろいろな理解があると思うんですが、どうもアメリカ追随型の方向に行ってしまいやしないかなというような懸念も全然ないわけではありません。
というのは、この十数年日本の状況を見ていると、日本はだめだ、だめだ、だめだ、だめだと言われ続けて、本当にだめじゃないかというふうに思う人たちも結構ふえてきたと思うんですが、今までの日本の政策の中でもすばらしい政策は随分あって、日本は世界第二の経済大国になったという面もあるんだと私は思っています。
そこで、お聞きしたい。
これは非常に漠然とした質問になってしまうのかもわかりませんが、日本流の新しい知財を扱う一つの体系というものがどこかにありはしないか。つまり日本流に、日本の強みを生かせるような国家戦略というものを今後構築していく上で、我が道というのもあるのではないかというのが、勉強不足ではありますが、私の感覚的な気持ちであります。
過去、日本の歴史を振り返ってみても、確かに、産業革命であるとか情報革命であるとか、農業革命もそうかもわかりませんが、創造性の高い発明というものはないが、しかし、それをうまく利用しながら、実際の社会の中でいろいろな新しいサービス、付加価値を生み出して、それを日本の強みにしてきたという大きな特徴があると思います。これは、一五四三年、鉄砲が伝来して以来、日本の文化の中に根づいているもので、これは普遍的なものかもしれないと私は思っているわけで、そういう意味では、日本のその特徴なり日本の特技を生かせるようなこれからの知財に対する考え方というものがあるのではないかと思うわけであります。
ですから、アメリカと違ったような、確かに、アメリカはアンチパテントからプロパテントに八〇年代にシフトしていきましたけれども、日本も全く同じようにするのではなくて、何かそこにはもう一つ留意する点があるのではないかというふうに思いますので、その辺につきまして、お二人にアドバイスなり御意見を伺えればと思います。中山先生と丸島先生、順次お願いしたいんですが。お願いします。
この発言だけを見る →きょうは、参考人の皆様方には本当に早朝より、また、貴重な御意見を拝聴することができまして、ありがとうございました。トップバッターの質問でありますが、個別にはいろいろと聞きたいこともあるのですが、きょうは限られた時間、十分しかありません。それで、中山先生と丸島先生にお聞きをしたいと思うわけであります。
確かに、行政、立法、司法に大きくまたがっていく問題でもありますし、民間のマインドの問題もある。このプロパテント政策の本質というのが、いろいろな理解があると思うんですが、どうもアメリカ追随型の方向に行ってしまいやしないかなというような懸念も全然ないわけではありません。
というのは、この十数年日本の状況を見ていると、日本はだめだ、だめだ、だめだ、だめだと言われ続けて、本当にだめじゃないかというふうに思う人たちも結構ふえてきたと思うんですが、今までの日本の政策の中でもすばらしい政策は随分あって、日本は世界第二の経済大国になったという面もあるんだと私は思っています。
そこで、お聞きしたい。
これは非常に漠然とした質問になってしまうのかもわかりませんが、日本流の新しい知財を扱う一つの体系というものがどこかにありはしないか。つまり日本流に、日本の強みを生かせるような国家戦略というものを今後構築していく上で、我が道というのもあるのではないかというのが、勉強不足ではありますが、私の感覚的な気持ちであります。
過去、日本の歴史を振り返ってみても、確かに、産業革命であるとか情報革命であるとか、農業革命もそうかもわかりませんが、創造性の高い発明というものはないが、しかし、それをうまく利用しながら、実際の社会の中でいろいろな新しいサービス、付加価値を生み出して、それを日本の強みにしてきたという大きな特徴があると思います。これは、一五四三年、鉄砲が伝来して以来、日本の文化の中に根づいているもので、これは普遍的なものかもしれないと私は思っているわけで、そういう意味では、日本のその特徴なり日本の特技を生かせるようなこれからの知財に対する考え方というものがあるのではないかと思うわけであります。
ですから、アメリカと違ったような、確かに、アメリカはアンチパテントからプロパテントに八〇年代にシフトしていきましたけれども、日本も全く同じようにするのではなくて、何かそこにはもう一つ留意する点があるのではないかというふうに思いますので、その辺につきまして、お二人にアドバイスなり御意見を伺えればと思います。中山先生と丸島先生、順次お願いしたいんですが。お願いします。
中
中山信弘#12
○中山参考人 お答えします。
アメリカ追随ではいけないという点は、私、全く賛成でございます。特に、ヨーロッパと違いまして、ドイツと違いまして、アメリカの制度は日本の制度とは根本的に違う法システムを持っておりますので、アメリカの例えば三倍賠償とかITCを日本に導入せよという意見がよくございますけれども、私はそれは間違えていると考えております。ただ、アメリカがやってうまくいったその結果、これは大いに参考にする価値はあると考えております。
一例を挙げますと、例えばボーダーメジャー、税関での措置ですけれども、アメリカはITCという機関を使って行っておりますけれども、結果的に侵害物品をとめております。我が国は、関税定率法二十一条がありますけれども、結果的にはとまっておりません。したがって、ITCそのものをつくるということは私は考えておりませんけれども、しかし、何らかの日本的な工夫をしてとめる必要がある。効果としては、アメリカのものをまねるというものは多々あると考えております。
じゃ、日本的なものはどうかといいますと、実は、知的財産制度はかなり国際性が強く、国際的にはハーモナイズということが非常に重要でございますので、他の一般の法分野に比べますと日本の特色というものは出しにくい分野と考えておりますけれども、それでもなお、私は、議員のおっしゃるとおり、日本的なものはあると考えております。
一例を挙げますと、例えば先ほど丸島参考人がおっしゃいました改良発明、これはパイオニアだけを強く保護するのではなくて、やはり改良も保護していかなければ産業全体は強くならない。そのための工夫はどうしたらいいかということも重要でありましょうし、さらには、特許法三十五条の職務発明、これなどは特許法の中に入っておりますので、特許法の条文、特許法の問題であるというふうに考えている人が多いと思いますけれども、実はこれは労働法、日本の雇用関係に極めて大きく依存しております。こういう問題などは、アメリカ一辺倒ではなくて、日本的なものがあってしかるべきであるというふうに考えております。
そういうわけで、選択の余地というものは他の法分野に比べると少ないわけですけれども、やはり日本には日本的なものもあると考えておりまして、アメリカ追随ではいけない。ただ、大きな流れといたしましては、日本は情報化に向かわなければいけない。これは、アメリカ追随というよりは、むしろ産業構造が世界でそう変化している、その結果であると考えております。
以上でよろしゅうございましょうか。
この発言だけを見る →アメリカ追随ではいけないという点は、私、全く賛成でございます。特に、ヨーロッパと違いまして、ドイツと違いまして、アメリカの制度は日本の制度とは根本的に違う法システムを持っておりますので、アメリカの例えば三倍賠償とかITCを日本に導入せよという意見がよくございますけれども、私はそれは間違えていると考えております。ただ、アメリカがやってうまくいったその結果、これは大いに参考にする価値はあると考えております。
一例を挙げますと、例えばボーダーメジャー、税関での措置ですけれども、アメリカはITCという機関を使って行っておりますけれども、結果的に侵害物品をとめております。我が国は、関税定率法二十一条がありますけれども、結果的にはとまっておりません。したがって、ITCそのものをつくるということは私は考えておりませんけれども、しかし、何らかの日本的な工夫をしてとめる必要がある。効果としては、アメリカのものをまねるというものは多々あると考えております。
じゃ、日本的なものはどうかといいますと、実は、知的財産制度はかなり国際性が強く、国際的にはハーモナイズということが非常に重要でございますので、他の一般の法分野に比べますと日本の特色というものは出しにくい分野と考えておりますけれども、それでもなお、私は、議員のおっしゃるとおり、日本的なものはあると考えております。
一例を挙げますと、例えば先ほど丸島参考人がおっしゃいました改良発明、これはパイオニアだけを強く保護するのではなくて、やはり改良も保護していかなければ産業全体は強くならない。そのための工夫はどうしたらいいかということも重要でありましょうし、さらには、特許法三十五条の職務発明、これなどは特許法の中に入っておりますので、特許法の条文、特許法の問題であるというふうに考えている人が多いと思いますけれども、実はこれは労働法、日本の雇用関係に極めて大きく依存しております。こういう問題などは、アメリカ一辺倒ではなくて、日本的なものがあってしかるべきであるというふうに考えております。
そういうわけで、選択の余地というものは他の法分野に比べると少ないわけですけれども、やはり日本には日本的なものもあると考えておりまして、アメリカ追随ではいけない。ただ、大きな流れといたしましては、日本は情報化に向かわなければいけない。これは、アメリカ追随というよりは、むしろ産業構造が世界でそう変化している、その結果であると考えております。
以上でよろしゅうございましょうか。
丸
丸島儀一#13
○丸島参考人 お答えいたします。
私、おっしゃるとおり、日本的なよさというものは必ず取り入れるべきだと考えております。ただ、基本的には、知的財産の価値観というものを高めない限り、研究開発に投資したリターンが保証されないという点では、これは、アメリカのとってきたいいところはやはり参考にすべきだと思っております。先ほど申し上げたのは、そういう意味で、どちらかというとアメリカのとってきた方策と似たようなことを申し上げましたけれども、これはある程度必要だと思います。
日本の企業が国際的に、グローバルに展開する以上、やはり国際的に一番知的財産が活用できる国というものに焦点を合わせませんと事業活動ができないのでございます。今まで私ども、グローバルに展開する企業はどこの知的財産を一番重視してきたかというと、残念ながら、日本の知的財産ではなくてアメリカの知的財産ですね、これに影響されてしまうんです。そういう意味で、ある程度グローバルに展開する以上、日本の知的財産も、そのような価値観というんでしょうか、これはぜひ必要だなと。抑止力のある仕組みをやはり背景にしませんと、通常のビジネスが行えないということだろうと思います。
そういう意味で、アメリカのまねというわけじゃないんですが、グローバル展開から、やはり必要なことは、いい仕組みなら採用してもいいんじゃないかと私は思っております。
それから、日本的よさ、これは今中山先生もおっしゃったように、日本は、開発者全員が発明者という意識で仕事をしております。創造性豊かな発明はアメリカから出るかもしれませんが、人のやった発明を事業化に結びつける改良的な、いわゆる大勢で一つのものをまとめ上げようという力はむしろ欠けているんだと思うんですね。
先ほどもちょっと強調して申し上げたのは、やはり日本的よさを残して創造性豊かなものをむしろプラスする感じで日本のこれからの施策をとっていただかないと、かえって日本の産業競争力が下がってしまう可能性があるということで、私は物つくりということを大事にすべきだと思っているんです。そういう意味で、改良技術の日本的強さを生かしつつ、創造性豊かな研究開発ができるような仕組みがぜひ大事だと。
その点について中山先生とちょっと、職務発明の問題で意見が全く対立しているわけです。結論は同じことをおっしゃっているのかもしれませんが、私は、改良技術を大事にするという意味から、職務発明を法律で対価を決めるというのはなくさないとそうならないと思うんです。
といいますのは、創造性豊かな発明とそれから改良的な発明、どちらかというと、改良の発明の方がはるかに数が多いです。富士山に例えて言いますと、すそ野と、頂上にある創造性豊かなものと想像していただけばよろしいんですが、これを一つの法律で相当な対価を決めるという仕組みだけでやっていきますと、訴訟ばかり起きて一つも安定した社会が得られない。今の、みんな協調して改良をやろうというグループ開発の特徴が私は崩れていくと思うんですね。これをなくすためには、やはり創造性豊かな発明についてはそれなりの処遇をするということと、それから開発で、いわゆる、だれでもと言っては語弊がありますが、努力すればできる発明というんでしょうか、これは大多数がそれなんですね、そういうものに対する処遇というものを法律で全部決めていく必要はないだろう。
それからもう一つは、労働法的な観点から検討すべきという先生のお話があったんですが、私は、労働法からどう関係するのかわかりませんが、現在、昔のような労働環境じゃございませんで、研究開発者というのは結構優遇されていると思うんです。それから企業も、創造性豊かな人材を処遇しなければ自分の企業が成り立たなくなるということは自覚しておりますので、法律で決められなくても、企業自身が今そういう方向に行く時代だと思っております。
そういう意味で、三十五条の職務発明、法律で相当な対価をということはぜひやめていただきたいと産業界では強く願っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →私、おっしゃるとおり、日本的なよさというものは必ず取り入れるべきだと考えております。ただ、基本的には、知的財産の価値観というものを高めない限り、研究開発に投資したリターンが保証されないという点では、これは、アメリカのとってきたいいところはやはり参考にすべきだと思っております。先ほど申し上げたのは、そういう意味で、どちらかというとアメリカのとってきた方策と似たようなことを申し上げましたけれども、これはある程度必要だと思います。
日本の企業が国際的に、グローバルに展開する以上、やはり国際的に一番知的財産が活用できる国というものに焦点を合わせませんと事業活動ができないのでございます。今まで私ども、グローバルに展開する企業はどこの知的財産を一番重視してきたかというと、残念ながら、日本の知的財産ではなくてアメリカの知的財産ですね、これに影響されてしまうんです。そういう意味で、ある程度グローバルに展開する以上、日本の知的財産も、そのような価値観というんでしょうか、これはぜひ必要だなと。抑止力のある仕組みをやはり背景にしませんと、通常のビジネスが行えないということだろうと思います。
そういう意味で、アメリカのまねというわけじゃないんですが、グローバル展開から、やはり必要なことは、いい仕組みなら採用してもいいんじゃないかと私は思っております。
それから、日本的よさ、これは今中山先生もおっしゃったように、日本は、開発者全員が発明者という意識で仕事をしております。創造性豊かな発明はアメリカから出るかもしれませんが、人のやった発明を事業化に結びつける改良的な、いわゆる大勢で一つのものをまとめ上げようという力はむしろ欠けているんだと思うんですね。
先ほどもちょっと強調して申し上げたのは、やはり日本的よさを残して創造性豊かなものをむしろプラスする感じで日本のこれからの施策をとっていただかないと、かえって日本の産業競争力が下がってしまう可能性があるということで、私は物つくりということを大事にすべきだと思っているんです。そういう意味で、改良技術の日本的強さを生かしつつ、創造性豊かな研究開発ができるような仕組みがぜひ大事だと。
その点について中山先生とちょっと、職務発明の問題で意見が全く対立しているわけです。結論は同じことをおっしゃっているのかもしれませんが、私は、改良技術を大事にするという意味から、職務発明を法律で対価を決めるというのはなくさないとそうならないと思うんです。
といいますのは、創造性豊かな発明とそれから改良的な発明、どちらかというと、改良の発明の方がはるかに数が多いです。富士山に例えて言いますと、すそ野と、頂上にある創造性豊かなものと想像していただけばよろしいんですが、これを一つの法律で相当な対価を決めるという仕組みだけでやっていきますと、訴訟ばかり起きて一つも安定した社会が得られない。今の、みんな協調して改良をやろうというグループ開発の特徴が私は崩れていくと思うんですね。これをなくすためには、やはり創造性豊かな発明についてはそれなりの処遇をするということと、それから開発で、いわゆる、だれでもと言っては語弊がありますが、努力すればできる発明というんでしょうか、これは大多数がそれなんですね、そういうものに対する処遇というものを法律で全部決めていく必要はないだろう。
それからもう一つは、労働法的な観点から検討すべきという先生のお話があったんですが、私は、労働法からどう関係するのかわかりませんが、現在、昔のような労働環境じゃございませんで、研究開発者というのは結構優遇されていると思うんです。それから企業も、創造性豊かな人材を処遇しなければ自分の企業が成り立たなくなるということは自覚しておりますので、法律で決められなくても、企業自身が今そういう方向に行く時代だと思っております。
そういう意味で、三十五条の職務発明、法律で相当な対価をということはぜひやめていただきたいと産業界では強く願っております。
以上でございます。
平
平井卓也#14
○平井委員 もう時間がありませんので終わらせていただきますが、まだまだ聞きたいことがありました。
これからこの法案の一刻も早い成立と、あとは、知的財産戦略本部で間違いのない方向性を目指していくということになろうかと思います。また努力していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。
この発言だけを見る →これからこの法案の一刻も早い成立と、あとは、知的財産戦略本部で間違いのない方向性を目指していくということになろうかと思います。また努力していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。
村
鈴
鈴木康友#16
○鈴木(康)委員 参考人の皆さんには、早朝より本当にありがとうございます。民主党の鈴木康友でございます。
それでは、御質問をさせていただきたいと思いますが、今、くしくも職務発明規定の問題がお二人の参考人から御発言がございました。それについてさらにお話をちょっとお伺いしたいと思います。
丸島参考人は、今申されましたように、とにかく特許法の三十五条で国が相当の対価というような規定をすることはよくないのではないか、訴訟がふえるもとではないかという御指摘でございますけれども、これはもう全く企業と個人の関係に任せちゃって、そういう方向性すら出さないでおく方がいいのかどうか、まず、その一点についてお伺いしたいのと、それから、中山参考人には、特許法の問題というよりもむしろ労働法の観点からというお話がございましたけれども、その点、もう少し突っ込んで御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、御質問をさせていただきたいと思いますが、今、くしくも職務発明規定の問題がお二人の参考人から御発言がございました。それについてさらにお話をちょっとお伺いしたいと思います。
丸島参考人は、今申されましたように、とにかく特許法の三十五条で国が相当の対価というような規定をすることはよくないのではないか、訴訟がふえるもとではないかという御指摘でございますけれども、これはもう全く企業と個人の関係に任せちゃって、そういう方向性すら出さないでおく方がいいのかどうか、まず、その一点についてお伺いしたいのと、それから、中山参考人には、特許法の問題というよりもむしろ労働法の観点からというお話がございましたけれども、その点、もう少し突っ込んで御意見をお伺いしたいと思います。
丸
丸島儀一#17
○丸島参考人 お答えいたします。
基本的には、何もしないでいいんじゃないかと。これは、研究開発者の処遇を高めなければいけないとこの基本法にも入っております。これは発明の対価ということではなくて、研究開発者に対する処遇を高めるというのは、企業としてもやらなきゃならない時代でもあります。各企業はそういう方向で動いていくと思います。そういう意味で、何もしなくても自然にそういう研究開発者の処遇が高まっていく方向に行くと私は思います。そうしないと、いい研究開発者がとどまらなくなるということですので、必ずやそういう方向に行くんだろうと信じております。
以上でございます。
この発言だけを見る →基本的には、何もしないでいいんじゃないかと。これは、研究開発者の処遇を高めなければいけないとこの基本法にも入っております。これは発明の対価ということではなくて、研究開発者に対する処遇を高めるというのは、企業としてもやらなきゃならない時代でもあります。各企業はそういう方向で動いていくと思います。そういう意味で、何もしなくても自然にそういう研究開発者の処遇が高まっていく方向に行くと私は思います。そうしないと、いい研究開発者がとどまらなくなるということですので、必ずやそういう方向に行くんだろうと信じております。
以上でございます。
中
中山信弘#18
○中山参考人 特許法三十五条をどうしたらいいのかという点は、私はまだ考慮中でありまして、これがいいという結論は持っておりません。
ただ、私が強調したかったのは、特許法だけの問題ではなくて、これは従業者、つまり雇用関係中に企業からお金をもらう、非常に大きな意味でいえば、給与、本当は給与と言ったら正確じゃありませんけれども、給与の支払い形態のような感じのイメージもあるわけです、法的にはちょっと正確な表現じゃありませんけれども。
したがいまして、これは、例えば終身雇用制を前提にしているのか、あるいはアメリカのような全くの労働力の流動化というものを前提としているのか、あるいはそのミックスを前提としているのかという点につきましても全く違ってまいります。終身雇用を前提としていればそれなりの支払い方、単なるお金だけじゃなくて、いろいろな面の支払い方もあります。しかし、流動化を前提とすれば、これは恐らく契約自由で、あとはお金の問題ということになろうかと思います。
したがって、これは大きな、労働法というよりは、将来、雇用関係がどうなっていくのか、あるいは雇用関係をどういうふうに持っていくのかという理念がまずあって、それから出てくる問題である。
つまり、この問題についてまだまだ議論が足りない、もっともっと時間をかけて議論をしなければ早急な結論は出すべきではない。なぜならば、先ほど言いましたように、特許法だけの問題じゃなくて、非常に大きな日本の雇用の関係、もっと言えば契約社会に持っていくかどうかという、そこまで考えて結論を出すべき問題である、このように申し上げたわけでございます。
この発言だけを見る →ただ、私が強調したかったのは、特許法だけの問題ではなくて、これは従業者、つまり雇用関係中に企業からお金をもらう、非常に大きな意味でいえば、給与、本当は給与と言ったら正確じゃありませんけれども、給与の支払い形態のような感じのイメージもあるわけです、法的にはちょっと正確な表現じゃありませんけれども。
したがいまして、これは、例えば終身雇用制を前提にしているのか、あるいはアメリカのような全くの労働力の流動化というものを前提としているのか、あるいはそのミックスを前提としているのかという点につきましても全く違ってまいります。終身雇用を前提としていればそれなりの支払い方、単なるお金だけじゃなくて、いろいろな面の支払い方もあります。しかし、流動化を前提とすれば、これは恐らく契約自由で、あとはお金の問題ということになろうかと思います。
したがって、これは大きな、労働法というよりは、将来、雇用関係がどうなっていくのか、あるいは雇用関係をどういうふうに持っていくのかという理念がまずあって、それから出てくる問題である。
つまり、この問題についてまだまだ議論が足りない、もっともっと時間をかけて議論をしなければ早急な結論は出すべきではない。なぜならば、先ほど言いましたように、特許法だけの問題じゃなくて、非常に大きな日本の雇用の関係、もっと言えば契約社会に持っていくかどうかという、そこまで考えて結論を出すべき問題である、このように申し上げたわけでございます。
鈴
鈴木康友#19
○鈴木(康)委員 続きまして、笹島参考人にお伺いをしたいと思います。
審査体制の強化というものが叫ばれていると思います。これからますます知的財産について国を挙げて取り組んでまいるということになると、当然特許の審査についても迅速かつ効率化ということが要求をされてくると思いますけれども、しかしながら、一挙にその審査官を増員するということもなかなか難しい。そこだけ要員をふやすということもできにくいかと思います。
そういう中で、審査のアウトソーシングという発想もできるかと思うんですが、例えば弁理士の皆さんにそうしたアウトソーシングをお願いして、特許の専門家として審査に協力をしていただくというような考え方もあろうかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →審査体制の強化というものが叫ばれていると思います。これからますます知的財産について国を挙げて取り組んでまいるということになると、当然特許の審査についても迅速かつ効率化ということが要求をされてくると思いますけれども、しかしながら、一挙にその審査官を増員するということもなかなか難しい。そこだけ要員をふやすということもできにくいかと思います。
そういう中で、審査のアウトソーシングという発想もできるかと思うんですが、例えば弁理士の皆さんにそうしたアウトソーシングをお願いして、特許の専門家として審査に協力をしていただくというような考え方もあろうかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
笹
笹島富二雄#20
○笹島参考人 申し上げます。
私どもは、アウトソーシングに関しまして、弁理士の力を大いに利用していただきたいというふうなことを申し上げております。例えば、弁理士の調査能力を信用していただきたい、あるいは、弁理士の専門性を利用して審査に多少かかわることはできないものであろうかどうかというふうなことも御提言させていただいております。
それから、アウトソーシングの、調査のことに関しましては、今は単一の調査機関がありますが、さらに複数の調査機関等を考えていけないものかどうか、その場合に、弁理士の力を使えないものかどうかということを考えさせていただいております。
この発言だけを見る →私どもは、アウトソーシングに関しまして、弁理士の力を大いに利用していただきたいというふうなことを申し上げております。例えば、弁理士の調査能力を信用していただきたい、あるいは、弁理士の専門性を利用して審査に多少かかわることはできないものであろうかどうかというふうなことも御提言させていただいております。
それから、アウトソーシングの、調査のことに関しましては、今は単一の調査機関がありますが、さらに複数の調査機関等を考えていけないものかどうか、その場合に、弁理士の力を使えないものかどうかということを考えさせていただいております。
鈴
鈴木康友#21
○鈴木(康)委員 引き続き笹島参考人にお伺いをしたいと思いますが、その審査と並んでこれからふえるであろう特許をめぐる紛争処理、これの効率化、あるいは処理の迅速化ということも要請をされているところでありまして、前国会に、先ほどお話の中にも出ました弁理士法の改正の中で、訴訟代理権が条件つきながら認められたということであります。そのときに附帯決議の中に、今後その方向をさらに進めていく、単独受任も含めてその条件を緩和していくということが必要ではないかという趣旨が盛り込まれたわけでございますけれども、基本法ができて、今後、知的財産を国家戦略として強化していくという方向の中で、早期にこの附帯決議の趣旨が生かされていく必要があるだろうと思うんですけれども、その点について御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →笹
笹島富二雄#22
○笹島参考人 先ほど私のお話の中に申し述べさせていただいていますとおり、私ども、おかげさまをもちまして、今回初めて、弁護士とともにでございますが、知的財産訴訟に関して代理人となる資格を得られるようになりました。今、基礎研修をやっておりまして、来年から能力担保研修というのが始まりまして、来年にその資格者が生まれます。私ども、一生懸命やりまして、そこでその実績を積みまして、国民、裁判所等々の信頼を得まして、ぜひともその後の侵害訴訟に関する代理の強化ということを図っていただきたいと。まず実績を示しますので、その先にいろいろ考えていただきたいなと思います。
したがいまして、その附帯決議に書いてありますとおり、その検討する場所を、私どもの進展を見ながら考えていただきたいなというふうに思っております。
この発言だけを見る →したがいまして、その附帯決議に書いてありますとおり、その検討する場所を、私どもの進展を見ながら考えていただきたいなというふうに思っております。
鈴
鈴木康友#23
○鈴木(康)委員 続いて、知的財産を取り扱うその専門家をふやしていくという観点について、末吉参考人と笹島参考人にお伺いをしたいと思います。
法科大学院、あるいは、今度学校教育法が改正をされまして専門職大学院というものができてくると思いますが、そういう中で、知的財産教育を導入いたしまして専門家をこれから育成をしていく必要があるという点については、これは御両人とも意見が同じだろうと思うんですね。その点について、弁護士という立場あるいは弁理士という立場から御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →法科大学院、あるいは、今度学校教育法が改正をされまして専門職大学院というものができてくると思いますが、そういう中で、知的財産教育を導入いたしまして専門家をこれから育成をしていく必要があるという点については、これは御両人とも意見が同じだろうと思うんですね。その点について、弁護士という立場あるいは弁理士という立場から御意見をお伺いしたいと思います。
末
末吉亙#24
○末吉参考人 先生御指摘のとおり、法科大学院及び専門職大学院を通じて、ぜひとも早期に知財の専門家の数及び質を高めていかなくてはならないと私ども考えております。ただ、具体的にどう進めていったらいいかというのは、私自身を含めまして、今後至急検討しながら実践してまいりたいと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →以上でございます。
笹
笹島富二雄#25
○笹島参考人 今、専門家養成機関としまして、法科大学院それから専門職大学院という二つの機関を明らかにされました。それで、二つについてお答えいたします。
法科大学院につきましては、現在、知財を強化する形の法科大学院というものを私ども強く希望させていただいております。しかしながら、司法試験という難関を通るために、知的財産の科目を選択科目として選ぶのがどれぐらい可能であるか、この点について議論させていただいております。
次に、専門職大学院についてですが、法科大学院で生まれてくる知財専門の弁護士というものは、あくまでも紛争処理でございます。今回の大綱にありますように、この問題は、国の経済産業の発展を願うための知財戦略であります。その知財戦略の中で、紛争処理だけではできませんので、私どもは、その発明の創造から知的創造サイクルを完結する型の人間の創造を願っております。
したがいまして、弁理士も、それから、その他の弁理士以外の専門家のためにも、知財、それから先端技術、それからビジネス、国際性、あるいはディベートできるような人間、そういう者を育てる専門職大学院の中身をお願いしたいなと思っております。そのときに、弁理士制度との関係を、特に試験においてどうなるかということは今後の議論の対象にさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →法科大学院につきましては、現在、知財を強化する形の法科大学院というものを私ども強く希望させていただいております。しかしながら、司法試験という難関を通るために、知的財産の科目を選択科目として選ぶのがどれぐらい可能であるか、この点について議論させていただいております。
次に、専門職大学院についてですが、法科大学院で生まれてくる知財専門の弁護士というものは、あくまでも紛争処理でございます。今回の大綱にありますように、この問題は、国の経済産業の発展を願うための知財戦略であります。その知財戦略の中で、紛争処理だけではできませんので、私どもは、その発明の創造から知的創造サイクルを完結する型の人間の創造を願っております。
したがいまして、弁理士も、それから、その他の弁理士以外の専門家のためにも、知財、それから先端技術、それからビジネス、国際性、あるいはディベートできるような人間、そういう者を育てる専門職大学院の中身をお願いしたいなと思っております。そのときに、弁理士制度との関係を、特に試験においてどうなるかということは今後の議論の対象にさせていただきたいと思います。
鈴
鈴木康友#26
○鈴木(康)委員 続いて、また笹島参考人にお伺いをしたいと思いますが、今、特許庁の方で、審査料のいろいろな改定についての検討をされているということでありますけれども、今後、出願料と登録料が値下げをされて、そして審査料が今度値上げをされるという方針が一つ出されているようでありますけれども、この方向性についてどのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →笹
笹島富二雄#27
○笹島参考人 私どもは、会長としまして、大方の会員が審査請求料の値上げに反対の意見を有していることを承知しております。
本問題につきましては、経産省の産業構造審議会知財政策部会の特許制度小委員会におきまして、我が弁理士会の代表を送り込んで当方の意見を出させていただいております。今のところそういうことでございますが、この程度でよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →本問題につきましては、経産省の産業構造審議会知財政策部会の特許制度小委員会におきまして、我が弁理士会の代表を送り込んで当方の意見を出させていただいております。今のところそういうことでございますが、この程度でよろしゅうございますか。
鈴
鈴木康友#28
○鈴木(康)委員 最後に一点、中山参考人と丸島参考人にお伺いをしたいと思いますが、今回の知的財産基本法の中で、知的創造サイクルというものが強調されているわけですね。知的財産を保護するだけではなくて、創造のところから、そしてそれを保護し活用するというこの一連の流れが非常に大事であるということであります。
そうした中で、私ども、今の特許庁をもう少し政策官庁として格上げをして、知的財産権庁みたいな、こうしたサイクルを総合的に取り扱うような組織をつくるべきではないかという考えを持っておりますけれども、その点について、お二人から御所見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →そうした中で、私ども、今の特許庁をもう少し政策官庁として格上げをして、知的財産権庁みたいな、こうしたサイクルを総合的に取り扱うような組織をつくるべきではないかという考えを持っておりますけれども、その点について、お二人から御所見をお伺いしたいと思います。
中
中山信弘#29
○中山参考人 私は、かねがね知的財産庁なるものをつくった方がいいというぐあいに考えておりました。
従来は、特許と著作権その他のいろいろなものと、あるいは種苗法とは違うというぐあいに考えられておりましたけれども、私はやはり、情報化時代における情報保護法であるという観点から、すべてを統一的に把握し、かつ、政策的にも統一的に行うということが必要だろうと思います。基本法は、すべてを統一的に扱うというところに特徴があるわけでございまして、基本法だけではなくて、実際に政策を立案、それから実行していく官庁も実は統合してほしいと考えております。
しかし、このたびの官庁の統合においても、話すら出なかった難しい問題でありまして、実現可能かどうかわかりませんけれども、私どもはかねがねそういうふうに考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →従来は、特許と著作権その他のいろいろなものと、あるいは種苗法とは違うというぐあいに考えられておりましたけれども、私はやはり、情報化時代における情報保護法であるという観点から、すべてを統一的に把握し、かつ、政策的にも統一的に行うということが必要だろうと思います。基本法は、すべてを統一的に扱うというところに特徴があるわけでございまして、基本法だけではなくて、実際に政策を立案、それから実行していく官庁も実は統合してほしいと考えております。
しかし、このたびの官庁の統合においても、話すら出なかった難しい問題でありまして、実現可能かどうかわかりませんけれども、私どもはかねがねそういうふうに考えております。
以上でございます。