大出彰の発言 (憲法調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○大出委員 基本的人権の保障に関する調査小委員会における調査の経過及びその概要について御報告申し上げます。
 本小委員会は、十一月二十八日に会議を開き、参考人として東京大学大学院教育学研究科教授苅谷剛彦君をお呼びし、教育をめぐる階層差の拡大と基本的人権について御意見を聴取いたしました。
 会議における参考人の意見陳述の詳細については小委員会の会議録を参照いただくこととし、その概要を簡潔に申し上げますと、
 まず、憲法や教育基本法に定められた、能力に応じて教育を受ける権利の保障の意味を検討する際には、能力の内容だけでなく、どの時点での能力を問題にするのかを明確にした上、教育現場の実態を踏まえた議論をする必要があるとの指摘がなされました。
 その上で、ゆとり教育を重視した一九九二年の学習指導要領の改訂を契機として、
 一、小中学校での基礎的学力の習得はその後の学習や生活の能力にとって極めて重要であるにもかかわらず、成績下位層の生徒の基礎的学力は一層低下している、
 二、高学歴家庭の子は高学歴という、教育の階層差が生じているという状況を来しており、結局、ゆとり重視のこれまでの教育方針は、統計的データを踏まえないまま、基礎的学力の定着をないがしろにし、子供の能力格差を拡大するものであったとの意見が述べられました。
 さらに、結果の平等とは、均等な機会を活用できるように、できるだけ能力格差を拡大しないよう努めるという意味に解すべきであり、子供が義務教育終了時点でフェアな競争ができる能力を可能な限り保障するようにすべきであるとの意見が述べられました。
 このような参考人の御意見を踏まえて、質疑及び委員間の自由討議が行われ、委員及び参考人の間で活発な意見の交換が行われました。
 そこにおいて表明された意見を小委員長として総括するとすれば、ゆとり教育の導入が学力低下、学級崩壊等の昨今の教育現場での問題の一因となっているのではないかという懸念を表明する意見が多く見受けられましたが、他方で、学力の視点からのみ教育問題を考えるべきではなく、ゆとりや生きる力の観点も重要であることを指摘する意見もありました。
 そのほかに、教育基本法の改正に関する問題、現行の学習指導要領の是非、教育における平等の意味等を初めとして、教育に関するさまざまな問題点について意見が表明されました。
 今後は、このようなさまざまな観点から、教育及び人権保障のあり方について、さらに議論を深めていく必要があると考えております。
 以上、御報告申し上げます。

発言情報

speech_id: 115504184X00420021212_006

発言者: 大出彰

speaker_id: 25601

日付: 2002-12-12

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会