保岡興治の発言 (憲法調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○保岡委員 政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会における調査の経過及びその概要について御報告申し上げます。
本小委員会は、十一月十四日に会議を開き、参考人として京都大学総合人間学部助教授高田篤君をお呼びし、憲法と政党について御意見を聴取しました。
会議における参考人の意見陳述の詳細については小委員会の会議録を参照していただくこととし、その概要を簡潔に申し上げますと、
高田篤君からは、
政党は、多様性に立脚し、民主制に合理性をもたらす不可欠な存在として積極的に基礎づけられ、また、争点化、選択肢の形成・提供、暫定的決定、決定の受容といった、多段階から成る民主制システムの各段階において重要な役割を果たし、政治リーダーのリクルート・育成、政策の策定等といった民主制に不可欠な前提条件の形成に当たり、決定的な役割を果たすものであるとの指摘がなされました。
その上で、現在、社会や個人の複雑化、断片化が進んだことにより、政党の影響力が低下し、我が国においても、政党が市民の政治的見解を十分に反映しなくなり、かつ、特殊個別利害に定位しがちになるという病理が拡大しているが、これに対処するために、政党・政党システムが十分な複雑性と断片性を備えることが必要とされているとの認識が示されました。
さらに、今後の政党法制でできることは、政党の果たすべき役割の遂行に当たって、
一、それを妨げる障害の除去、
二、その不可欠な前提条件の形成であり、
具体的には、
一、政党による人材発掘・育成に当たっての障害の除去、
二、政党の透明性、開放性の確保である。
ただ、政党規定の憲法への明記については、立法者による政党法制の乱用防止のための司法的コントロールの確保等を考慮した場合、むしろマイナスに作用する可能性が高く、慎重な対応が求められるとの意見が述べられました。
このような参考人の御意見を踏まえて、質疑及び委員間の自由討議が行われ、委員及び参考人の間で活発な意見の交換が行われ、政党法制や選挙制度のあり方、党議拘束と議員の自由な政治活動との関係等についてさまざまな意見が述べられました。
会議を通じての小委員長としての感想を申し上げれば、国内外の新たな課題に国民の意思を反映しつつ迅速的確に対応することが必要とされる現代社会において、議会と国民の間をつなぐパイプともいうべき政党の役割がますます重要なものとなっており、選挙公約のあり方や党内の意思決定手続のあり方も含め、これからの政党のあるべき姿を深く考えてみる必要性を強く感じました。
今後は、これまでの議論を踏まえつつ、二十一世紀の日本、そこで活躍する次世代の日本国民のための憲法論議という大きな目標を見据えて、統治機構のあり方について議論を深める必要があると考えております。
以上、御報告申し上げます。