桜田義孝の発言 (国際問題に関する調査会)
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○大臣政務官(桜田義孝君) 資料に基づきながら御説明させていただきたいと思います。
本日は、ITによるアジア経済の発展の可能性、東アジアにおけるITビジネスの現状という課題をいただいておりますので、私から東アジアにおけるIT産業の特徴と、経済産業省がアジア諸国に対して実施している協力内容について御説明したいと思っております。
二ページの方に開けていただきたいと思います。資料に是非目を通していただきたいと思います。「東アジアにおけるITビジネスの現状」、これでございます。二ページを開けていただきたいと思います。まずは東アジアということですが、韓国、中国、台湾のIT産業が急成長していることを数字で御紹介したいと思います。
これら地域のハードウエア及びソフトウエアの生産高の推移をごらんいただきますと、年を経るごとに成長していることがお分かりいただけると思います。必ずしも各地域の統計上の定義が一致しておりませんので、地域ごとの数字を厳密に比較はできませんが、日本の生産高は必ずしも伸びていないことと反して、他の地域が伸びていることが特徴でございます。例えば、韓国の二〇〇一年におけるハードウエアの生産高は八百十二億米ドル、約九兆円となっております。
続きましては三ページを開いていただきたいと思います。市場規模の数字についても一部統計上の不備はありますが、各地域とも急激な伸びとなっていることがお分かりいただけると思います。
続きましては四ページの方に行きまして、海外からの直接投資についても、電子、電気などIT産業の投資が全世界から増えていることがお分かりいただけます。後ほど触れますが、世界の生産拠点としての中国に対して大きな投資が行われているところでございます。
五ページをお開きいただきたいと思います。これら東アジア地域の主力製品は半導体、PC、液晶ディスプレーです。
左の円グラフをごらんいただきたいと思います。ノートパソコンの世界シェアを示しているところでありますが、この円グラフには台湾という名称は表れておりませんが、実はこれら米国企業の製品は台湾企業のOEM生産によるものがかなりあると思われます。台湾における全生産の八〇%がOEM供給であると言われているところでございます。
中央の円グラフは半導体の世界シェアを表しているところであります。韓国のサムスン、ハイニックスの競争率が極めて高く、日本勢はNECと日立が作ったエルピーダメモリ社が九%のシェアを持っているにすぎません。
右のグラフは液晶の世界シェアでございます。シャープなどの日本企業に対してサムスン、LGといった韓国企業が対抗しているのが分かります。
次に、六ページをお開きいただきたいと思います。東アジア各地域のITビジネスの特徴を御説明させていただきたいと思います。
韓国には非常に高いインターネット普及率、ブロードバンド広帯域普及率、携帯電話普及率となっており、アジア屈指のIT国家に成長しているところでございます。韓国におきましては、若者がブロードバンドを使ったオンラインゲームに興じるなどの社会現象が現れているところであります。
産業といたしましては、先ほど触れたように半導体、液晶についてはサムスン、時価株価でいいますとソニーより既に大企業になっているところでございます。LG電子という世界的な企業を抱えております。また、ソウル市内のテヘラン通り、テヘランと姉妹都市を結んでいるところでございます、には、IT企業の本社やマーケティングに強いベンチャー企業が集積しており、テジョンにある大徳テクノバレーでは、研究所など技術系ベンチャーが集積しております。
このように、韓国の発展は、大統領のイニシアチブの下で、サイバーコリア二〇〇一の策定や政府によるベンチャー支援策が功を奏しているのではないかと思われるところでございます。
続きまして、七ページに行っていただきたいと思います。
中国につきましては、ソフト、ハードとも世界の生産拠点としての地位を確立しているところでございます。各地域ごとに経済特区を設置し、中央、地方政府が研究開発支援や税制面での優遇など手厚い施策を講じることで、各地域がIT産業の誘致の競争を行うまでになっているところでございます。
代表的なものとしては深センを代表とする珠江デルタ地区では、香港に近い地理的特性を生かして世界から五万の企業が進出をし、パソコン、プリンター、携帯電話など、中小企業を含めて物づくり工場が数多くあります。また、上海や蘇州を代表とする長江デルタ地域では、欧米、台湾、日本の外資企業が多く進出しており、半導体、ノートパソコン、携帯電話などの工場があります。
ソフトウエア産業の中心は北京にある中関村であります。北京大学や清華大学など中国の有数の大学を核として、現在では八千三百社のIT関連企業や研究所が集積しております。アメリカのマイクロソフトはこの中関村にアジアの研究拠点を設けております。
また、ソフトウエア分野では大連の発展が注目されます。歴史的な背景の下、日本語が話せる人材を数多く抱えるこの地域では、日本へのソフト輸出拠点として成長しているところでございます。中国政府からもソフトウエア産業国際化建設モデル都市として指定されているところでございます。
次に、八ページの方に行っていただきたいと思います。
台湾は、前に触れましたように、パソコンと半導体の生産拠点となっております。パソコンは欧米、日本の企業向けのOEM供給が多くあります。例えば、企業統合した米国コンパックとHPの数字を合計しますと、二〇〇〇年には百五十億ドル程度の供給を台湾から受けておるところでございます。また、最近では、台湾企業は中国の長江デルタ地域にパソコンの拠点を移行しつつあります。半導体についても、TSMCなど受託生産を行う企業が成長しているところでございます。
台湾は、一九八〇年から台北から七十キロ離れた場所に新竹科学工業園区を整備し、五か年にわたり営利事業所得税を免除するなどの優遇策を講じることで数多くのIT企業を誘致しているところでございます。
続きまして、九ページに移っていただきたいと思います。
以上のように、東アジアにおけるITビジネスは急成長を遂げております。経済低迷にあえぐ日本企業の競争力を高めるためにも、日本企業のビジネスが国内だけでなく他のアジア地域でも展開できるような環境整備を行う必要があります。このような観点から、経済産業省では数々の対アジア協力を行っております。
幾つか御紹介しますと、中国については、国家発展計画委員会との間で物流や遠隔教育などの分野について先進的マルチメディアモデルプロジェクトや次世代のインターネット技術であるIPv6に関する協力を展開しているところでございます。また、アジアの人材育成に役立てるため、我が国の情報処理技術試験と同様の試験制度を保有している国との間の相互認証を行っているところでございます。また、ベトナムのハノイ工科大学や慶応大学などとの間では、IT技術を活用したe—ラーニングの実証試験を展開しております。
さらに、IT技術を活用してアジア地域で健全な経済取引が普及するには、セキュリティーについての情報交換や認証技術であるPKIについての相互運用、電子商取引についてのルールの普及も必要であります。特に、中国においては模造品、海賊版が横行していることから、知的財産保護についての当局への働き掛けも今週ミッションを派遣して行っております。西川太一郎副大臣を代表として派遣されたところでございます。
最後に、更に拡大することが予想されるアジア市場を念頭に置いて、我が国のITビジネスが東アジアとともに栄える関係作りを今後とも行っていくことが肝要と考えます。
以上でございます。