加藤紀文の発言 (国際問題に関する調査会)
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○副大臣(加藤紀文君) 総務副大臣の加藤でございます。それでは、座ったまま説明させていただきます。
本日は、情報化の進展と東アジアのITというテーマの下、東アジアにおけるITインフラの整備状況、我が国のITに関する国際貢献策及びアジア・ブロードバンド計画の策定等について御説明させていただきます。
まず最初に、我が国の現状であります。
情報通信技術、すなわちITの発展は今日の社会経済活動に情報化という大きな変化をもたらしております。ITのもたらす便益を最大限活用し、またすべての人々がその便益を享受できるような社会、情報社会を実現するため各国が互いに努力をしているところであります。
御承知のように、我が国では世界最先端のIT国家になることを目標に、IT戦略本部における二〇〇一年一月のe—Japan戦略の策定、その行動計画としてのe—Japan重点計画の策定を始めとして各種施策に着実に取り組んでまいりました。さらに先般、IT戦略本部の下に専門調査会が設置され、e—Japan戦略の見直しに着手しているところであります。その中で総務省としても積極的に貢献してまいる所存であります。
これらの取組の成果と申しましょうか、ブロードバンドのインターネット人口が急激に増加しておりますので、その状況等につきまして、お手元に配付させていただいております資料に基づいて御紹介させていただきます。
まず、二ページのインターネットの人口普及状況でありますが、我が国のインターネット利用者数はここ数年で急速に増加を続けており、平成十三年末には我が国のインターネット利用者数は五千五百九十三万人、人口普及率は四四%に上がっております。過去五年間でインターネット利用者数は約四倍の伸びを示していることになり、平成十七年、西暦二〇〇五年にはインターネット利用者数は八千七百二十万人に達するものと見込まれております。このインターネット利用者数の増加の主な理由といたしましては、料金水準の低廉化等によるブロードバンドインターネット加入者数の増加が挙げられます。
次に三ページ、ブロードバンドインターネット加入者数の推移であります。
高速通信回線であるブロードバンド回線加入数は平成十四年十月末現在で六百六十六万加入に達し、この一年間で約三倍以上となりました。中でも既存の電話回線を利用するDSLの加入数は四百六十四万加入となり、この一年間で約五倍の伸びを示しており、正にブロードバンド普及の牽引役となっております。
次に、ブロードバンド接続料金の国際比較であります。従来、我が国のインターネット接続に関する通信料金は欧米に比べて割高でありましたが、現在では世界で最も低廉な水準になったと言えます。
続きまして、東アジアにおけるITインフラの整備状況と課題について御説明申し上げます。我が国のITインフラにつきましてはこのように加速度的に整備が進んでいる状況でありますが、それでは東アジア全体としてはどうでしょうか。
七ページと八ページの表は、日本、中国、韓国及びASEAN十か国のITインフラの整備状況を固定電話加入数、携帯電話加入数、インターネットユーザー数及びパソコン台数について比較してみたものであります。
近年、経済成長の著しい中国が圧倒的人口の多さを背景に絶対数で高い数値となっておりますが、普及率においては日本、韓国、シンガポールが際立っております。このほか、大くくりに申しまして、都市部では比較的進んでいるが、ルーラル地域で普及していないため数値が伸び悩んでいる中国、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、そして電話回線すら十分に敷設されておらず基本的な情報通信インフラ敷設が喫緊の課題となっているベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーといった国々となっております。
日本、韓国などITインフラ整備の進んだ国々についてはコンテンツの充実等ブロードバンドの利用促進等の問題が、マレーシア、タイなどについてはルーラル地域を含む均衡の取れたITインフラ整備の課題が、そしてベトナム、ラオスなどについては基本的情報通信インフラの敷設が課題となっており、東アジア全体を俯瞰的に見ますと、正に様々な段階でデジタルデバイドの是正が課題となっていると言えます。
それでは次に、携帯電話及びインターネットの状況をお示しいたしましたのが九ページと十ページの図でございます。
本年三月末現在での携帯電話加入者数の上位十か国は、十三億の人口を誇る中国がアメリカをしのいで一位となっており、それに日本、ドイツが続いております。ここで日本、中国、韓国の三か国に注目してみますと、三か国の加入者数の合計は約二億五千万人であり、世界全体の約四分の一を占めております。
次に、インターネット利用者数につきましては十ページにあるとおりでありまして、インターネット先進国のアメリカが圧倒的に他国を引き離して一位となっており、それに日本、中国、イギリスが続いております。ここでも日中韓の三か国に注目してみますと、三か国のインターネット利用者数の合計は約一億二千万人であり、世界の利用者数の約五分の一と高い割合を占めております。
次に、諸外国のブロードバンドの普及状況については十一ページにありますとおりDSL、CATV等においてアメリカと韓国の加入者数が際立っており、アメリカは昨年末時点において約一千二百三十万加入となり、韓国もこの十月に一千万加入を突破したところであります。日本も急速に普及が進んでおりますが、現在のところ第三位で約六百六十六万加入となっております。
それでは続きまして、我が国がIT分野に関してどのような国際貢献を実施してまいったかということについて御紹介いたします。
十三ページでありますが、まずODAによる協力。
従来から総務省は外務省、国際協力事業団、国際協力銀行とともに連携いたしまして、研修員受入れや専門家派遣等の技術協力や円借款等の資金協力について、総務省としての専門的及び技術的知見から協力してまいりました。
次は十四ページでありますが、人材育成、人材交流等であります。
また、開発途上国の人材育成支援といたしましては、ここに示すような政府関係職員、研究者や技術者等との交流を深めてまいりました。さらに、アジア太平洋地域の電気通信に関する地域的国際機関であるアジア・太平洋電気通信共同体、APTへ特別拠出を行い、APTが実施する研修員の受入れ、専門家の派遣、セミナーの開催や研究者、技術者の育成プログラムを積極的に支援しております。
次に、十五ページのデジタルデバイド是正であります。
我が国においては、二〇〇〇年七月の九州・沖縄サミットにおいて、いわゆるIT憲章や、また同年十一月のアジア太平洋情報社会サミットの東京宣言及び行動計画等を受けて、国際的デジタルデバイドを解消するための取組をも進めてまいりました。その一環として、近年、定期協議や政策対話等における対等な立場での政策協議や国際共同実験等、相互の協力を通じた国際貢献、新しい国際協力の在り方も現れてきています。
まず、定期協議につきましては、中国、韓国とは毎年定期的に実施しており、IT分野の協力について協議してまいりました。この定期協議を通じて協力が深まり、本年九月に日中韓三か国の情報通信大臣による初めての会合が開催され、更なる協力の体制が整いつつございます。この三か国の協力につきましては後ほど月尾総務審議官からお話しさせていただきます。
そのほか、アジア諸国とも政策対話を実施し、政策、制度作りについての協力を行ってまいりました。また、アジア諸国の技術力の向上を背景に、アジアの国々と共同して情報基盤整備のための国際共同実験等を推進しています。今後は、我が国が世界をリードしている分野、例えばモバイルインターネット、IPv6、情報家電といった分野においてアジアを始めとする諸外国と協力し、世界の発展に貢献していくことも必要と認識しております。
そして十六ページ、IT分野への人的貢献であります。
我が国は、このほか国際機関への人的貢献も果たしております。本年十月、国際電気通信連合、ITUの事務総局長として内海善雄氏が再選され、二〇〇三年一月から再度四年間の任期を果たす予定であります。ユネスコと並んで数少ない日本人の国際機関への人的貢献として大きな意義を有するものであります。
以上、我が国の現状、東アジアにおけるITインフラの整備状況と課題及び我が国のITに関する国際貢献について御紹介させていただきました。
この後、アジア・ブロードバンド計画の策定については月尾総務審議官から御説明をいたします。