月尾嘉男の発言 (国際問題に関する調査会)

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○政府参考人(月尾嘉男君) ここまで加藤副大臣から、東アジアのITの現状並びにそのような地域に対して総務省がどのようなこれまで取組をしているかということを御紹介させていただきましたけれども、新たに現在アジア・ブロードバンド計画を策定しておりますので、それを御紹介させていただきます。
 二十ページの図をごらんいただきたいと思いますが、これは、世界の主要な五つの地域について、それぞれ国境を越えるインターネット回線がどの程度あるかということを示したものでありますが、アジア地域は、人口では世界のほぼ半分がこの地域にいるにもかかわらず非常に狭い帯域と、つまり量的には不足しているというのがお分かりいただけるかと思います。
 次に、二十一ページをごらんいただきますと、その影響が出ておりまして、右下は北米、欧州、アジアの三地域の貿易の金額を示したものですが、ほぼバランスが取れた貿易を行っております。
 ところが、左下をごらんいただきますと、これはその三つの地域を結ぶインターネット回線の太さを表したものでありますが、北米—欧州間に比べましてアジア—北米間、アジア—欧州間というのは大変狭い、不足しているということがお分かりいただけるかと思います。これを、右上にありますように、物の移動と同じような形で、均衡取れた情報通信の交流に持っていきたいということがこのアジア・ブロードバンド計画を策定しております大きな目標になっております。
 二十二ページをごらんいただきますと、右側の欧州の主要先進国と言われるところとアジア諸国とのインターネット普及率を示したものがあります。アジアでは、シンガポール、韓国、日本、マレーシアがやや普及が進んでおりますが、以下、それ以外の国は大変普及が遅れております。もちろんこれは残念なことではありますが、これがもし欧州の主要国並みに上がれば大変な力を発揮するという意味では非常にポテンシャルがあるだろうというふうに考えられます。
 そのポテンシャルを発揮するためにアジア・ブロードバンド計画を策定しようということでありますが、二十四ページをごらんいただきますとその経緯が説明してあります。
 本年六月十八日、e—Japan重点計画—二〇〇二におきましてアジア・ブロードバンド計画を策定するということが書き込まれました。それから、六月二十五日の経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二の閣議決定におきましてもアジア・ブロードバンド計画を策定するということが書き込まれました。それを受けまして、七月から片山総務大臣主宰のアジア・ブロードバンド戦略会議、それから、私が主宰させていただいておりますが、アジア・ブロードバンド計画研究会というものを開いておりまして、今年度中に計画を策定したいというふうに思っております。その成果の反映は後で御説明させていただきますので省略させていただきますが、成果を反映させたいというふうに考えております。
 じゃ、どのような方針でこのアジア地域のブロードバンド導入、普及を推進していくかということでありますけれども、まず、基盤整備はもちろん重要でありますが、それを多くの人々が利用するような利用分野、アプリケーションであるとかコンテンツというものの開発が必要である。それから、それを推進するのは、現在、世界規模でブロードバンドの基盤整備、それからその応用というのは民間主導でやっておりますけれども、政府、NPOなども政策、規制緩和その他様々な役割があります。そういう民間、政府、NPOなどが相互に密接な連携を取って推進していくということも重要であるというふうに考えております。
 それから、最後の五番目に飛ばさせていただきますが、このアジア諸国には実は世界の三分の一の言語が集中しておりまして、大変多様性を持った国々が集まっております。当然、経済の水準も、日本、韓国のように高い水準のところから、そうではない国々もあります。そういう多様な国々がうまく協力しながら推進できる政策を立てるということも重要だというふうに考えております。
 一歩ずつ進んでおりますが、まず第一歩は二十六ページにございます日中韓の協力であります。
 本年一月、片山総務大臣が中国、韓国両国を訪問した際に日中韓情報通信大臣会合を開催するということを提案しまして、両国から受諾され、今年の九月にモロッコのマラケシュでITU全権委員会議が開かれた機会に第一回の日中韓情報通信大臣会合が開かれました。そこで、以下にありますような七つの項目が合意を得ており、共同宣言が発表されております。
 幾つか御紹介させていただきますが、この豊富な文化を持った東アジア文化圏で協力して情報通信研究を行っていこうということ、それからIPv6に対して非常に先進的な地域になるべく共同実験をしていく、第三世代携帯電話の協力をしていく、それから二〇〇八年に北京でオリンピックが行われますが、それに関して協力するなどでございます。
 それから次に、日中韓から更に拡大してASEAN諸国との協力体制でありますが、本年八月にASEANプラス1の電気通信高級事務レベル会合が開かれまして、ASEAN以外に日本が参加し、新たにASEAN電気通信大臣会合へ日本が参加するということの合意を受けました。それから、現在ASEANプラス3の枠組みを事務レベルで協議しておりまして、拡大するということの準備をしております。
 最後、二十八ページでありますが、このような計画をどのように反映していくかという一つの重要な行事でございますが、来年十二月にジュネーブで世界情報社会サミットが開催されます。続いて、二〇〇五年にはチュニジアでその第二回目の世界情報社会サミットが開かれます。
 右下の枠の中にありますように、この二〇〇三年十二月の世界情報社会サミットを開くために、現在、各地域で準備会合が開かれております。アジア地域では、来年の一月十三日から十五日まで日本でこの準備会合が開かれますので、ここにアジア・ブロードバンド計画の内容を反映させるということによって、最初に御説明させていただきましたように、相対的に北米、欧州との関係が希薄である今の状況を改善していくようにして、大きな三極がバランスの取れた情報通信交流ができるような体制を作っていくということを検討しております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 月尾嘉男

speaker_id: 24107

日付: 2002-12-04

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会