工藤智規の発言 (法務委員会、文教科学委員会連合審査会)

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○政府参考人(工藤智規君) せんだっての文教科学委員会で、あるいは答弁の上で若干激しく申し上げたので誤解を招いたかもしれませんが、アメリカの現状は御指摘のとおりと私どもも認識しております。
 若干経緯を申しますと、アメリカではいろんな奨学金制度がございますけれども、連邦政府による学生ローン制度には二つ今ありまして、御指摘がありましたように、一つには銀行等の民間金融機関が貸出し元となりまして、政府が債務保証及び利息等の補助を行う家族教育ローン、おっしゃいましたようにFFELPでございますが、それともう一つは、連邦政府が国債を発行いたしまして、それを原資に直接貸し出すダイレクトローンと二つございます。これは、一九九三年までは前者だけだったのでございますが、九四年から後者のダイレクトローンが導入されたと承知してございます。
 その導入のきっかけは、せんだっての答弁申し上げて、若干極端に申し上げたのでございますけれども、私どもの方で調査したところ、向こうの反応なり回答がそうだったものですからあえてそう申し上げたんですが、幾つかありまして、一つには、先ほど申し上げた政府債務保証でのローンという制度を長年やっておられたわけでございますが、連邦政府の負担する費用が大手銀行の利益になるばかりでなくて、大手銀行にはその寡占状態から銀行のモラルハザードが生じて、どうしても安易な貸出しの拡大という事態が生じたということでございますとか、あるいは学生の側にも安易にお借りして、まあだれにもお貸しするものでございますから学生の側のモラルハザード等もあって、やはり政府の負担が増大したと。さらには、手続が煩瑣だったり、あるいは学生のサービスが低下したりということもあってダイレクトローンの導入を始めたと承知してございます。
 その際の当面の目標は、このダイレクトローンをメーンにして、大体割合、当面、ダイレクトローンを六割ぐらいまで持っていって政府保証の方をシェアを少なくしていこうというもくろみだったとお聞きしているのでございますけれども、その後、金融業界等からの反発等もありまして、御指摘のように必ずしもそういう割合になっていないという状況でございます。それと、貸出しの全体の規模が拡大してございますので、年々それぞれのローンの総額は増えている状況にございます。
 ただ、向こうの政府の方の試算によりますと、いずれの場合も百ドル当たりの、お貸しした百ドルを回収するまでの政府の総費用といいますか、どれぐらいコストが掛かるかということでいいますと、ダイレクトローンの場合が八ドル二十一セントなのに対して、先ほどの政府保証の場合は十五ドル二十六セント掛かるという、やはり政府の負担が倍ぐらい掛かるんでございます。原資を、民間の金融機関の原資を活用できるという意味ではうまみがあるんでございますけれども、トータルの政府の負担が増えるというのは確かでございます。
 要は、先生御心配のように、法科大学院を含めて学生の方々が、私ども、政策取っておりますのは十八歳以上自立社会の実現ということなんでございますが、やはり大学院にお進みになって親元に御負担を掛けないで安心して学資を借りれるような状態をどう実現するかというのが最大の眼目じゃないかと思っております。現状では、私ども育英会で行っております無利子・有利子事業、大学院レベルについていいますと、総大学院生数の約半分ぐらいの水準でございまして、御希望されない方もいらっしゃいますので、希望者にはほぼ今のところ充足してございます。
 ただ、その額が十分かどうかということとか、法科大学院の授業料、これからの話でございますけれども、更に充実の努力はしなきゃいけないと思っておりますけれども、今は国債でございますとか日本育英会の財投機関債の発行によりまして割と低利の資金調達ができておりますので、後々国民に御負担を掛けないような形の低利の資金を確保する道があればそれにこしたことはないのではないかということで、いろいろ、アメリカの制度そのものでは問題があるんではないかという認識をしているわけでございます。

発言情報

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発言者: 工藤智規

speaker_id: 17134

日付: 2002-11-21

院: 参議院

会議名: 法務委員会、文教科学委員会連合審査会