朝日俊弘の発言 (本会議)
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○朝日俊弘君 ただいま議題となりました精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案並びに裁判所法の一部を改正する法律案及び検察庁法の一部を改正する法律案の趣旨を説明いたします。
二十一世紀の我が国における重要な課題の一つは、障害者と共に生きる街づくり、すなわちノーマライゼーションの実現であり、とりわけ精神保健福祉の分野では、この理念の重要性を特に強調しておかなければなりません。
しかしながら、昨年の大阪・池田小学校事件を契機として今日まで取られてきた政府の対応は、着実にノーマライゼーションの方向に進みつつあった地域社会の努力に、むしろ水を差すものと言わざるを得ません。日本社会が今日なお精神障害者に対する差別意識を克服できないでいるのは、精神医療全体の改善に積極的に取り組んでこなかった行政の後れこそが根本的な原因なのであります。
今回、私たちが提出させていただきました本法案は、司法と精神医療の連携を図るとともに、大きく立ち後れている精神保健福祉施策を推進し、ノーマライゼーションの実現に大きく寄与しようとするものにほかなりません。
これに対して政府が提出をした心神喪失者等医療観察法案は、司法精神鑑定の在り方や、司法と精神医療の連携等に関する現行法制度の問題点を何ら改善することなく、新たに強制医療のための手続法を制定しようとするものであり、到底認められるものではありません。
また、衆議院における修正についても、政府原案の基本的な構造を変える内容とはなっておりません。
以上の認識に基づき、私たちは新たな法律を定めるのではなくて、現行法制度の改正とその運用の改善を図る観点から、本法案を作成し、提案させていただきました。
以下、その内容について説明をいたします。
第一に、起訴前及び起訴後における精神鑑定の適正な実施を目的として、最高裁判所と最高検察庁のそれぞれに司法精神鑑定支援センターを設置し、鑑定人の選定事務、精神鑑定に係る情報と資料の収集、調査分析等を行うこととします。
このことにより、鑑定人の選定に関して裁判官や検察官の負担を軽減することができるとともに、鑑定に当たる精神科医を適切に選定し、鑑定結果の偏りやばらつきを防ぐことができます。また、情報の収集、分析を通じて、より精緻な鑑定技能を開発していく道をも開くことが期待できます。
第二に、現行の措置入院制度に係る判定委員会の設置であります。
都道府県知事の下に新たに判定委員会を置くこととし、精神保健指定医のうちから知事が任命する二名の合議体を構成し、措置入院及び措置解除の判定を行うものとします。
第三に、現行の措置鑑定が極めて限られた情報の下で行われている現状を改善するため、精神保健福祉調査員制度を設置し、措置鑑定の必要性を判断するための調査、判定委員会の求めに応じた調査等を行い、より厳密な措置鑑定が実施されるよう支援いたします。
第四に、人員配置基準が低い現在の精神科病棟では、十分な医療、看護の提供ができないことから、より密度の高い人員配置基準を満たす精神科集中治療センターを制度化します。
この集中治療センターは、政府案のように重大な他害行為の有無を要件とするものではなく、あくまでも治療上の必要性からより高度なサービスを提供する、言わば精神科ICUであります。
第五に、精神障害者の社会参加、とりわけ措置解除後の退院患者さんの社会復帰支援体制を強化するため、精神障害者の保健、福祉に関する業務を担う者の相互の連携協力を図ることを義務付けることといたします。
以上が、提案理由及びその概要の説明であります。
なお、私たちは本改正案の提出と併せて、ノーマライゼーションの実現に向けた新障害者基本計画及び新障害者プランの中で精神保健福祉改善十か年戦略を提起し、法の運用の改善と相まって、精神保健福祉全体のレベルアップを目指していることを強調しておきたいと思います。
議員各位におかれましては、私どもの提案に是非とも御賛同いただきますよう心からお願いを申し上げまして、趣旨の説明とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
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