本会議
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会
会議録情報#0
平成十四年十二月十一日(水曜日)
午前十時二分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十三号
平成十四年十二月十一日
午前十時開議
第一 平成十一年度一般会計歳入歳出決算、平
成十一年度特別会計歳入歳出決算、平成十一
年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十
一年度政府関係機関決算書
第二 平成十二年度一般会計歳入歳出決算、平
成十二年度特別会計歳入歳出決算、平成十二
年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十
二年度政府関係機関決算書
第三 平成十一年度国有財産増減及び現在額総
計算書
第四 平成十一年度国有財産無償貸付状況総計
算書
第五 平成十二年度国有財産増減及び現在額総
計算書
第六 平成十二年度国有財産無償貸付状況総計
算書
第七 預金保険法及び金融機関等の更生手続の
特例等に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第八 金融機関等の組織再編成の促進に関する
特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
第九 農水産業協同組合貯金保険法及び農水産
業協同組合の再生手続の特例等に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第一〇 日本放送協会平成十一年度財産目録、
貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関す
る説明書
第一一 日本放送協会平成十二年度財産目録、
貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関す
る説明書
第一二 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備
支援機構法案(内閣提出、衆議院送付)
第一三 独立行政法人国際観光振興機構法案(
内閣提出、衆議院送付)
第一四 独立行政法人水資源機構法案(内閣提
出、衆議院送付)
第一五 日本下水道事業団法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一六 日本勤労者住宅協会法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一七 東京地下鉄株式会社法案(内閣提出、
衆議院送付)
第一八 独立行政法人自動車事故対策機構法案
(内閣提出、衆議院送付)
第一九 公共用飛行場周辺における航空機騒音
による障害の防止等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二〇 海洋汚染及び海上災害の防止に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
第二一 構造改革特別区域法案(内閣提出、衆
議院送付)
第二二 特定非営利活動促進法の一部を改正す
る法律案(衆議院提出)
第二三 戸籍法の一部を改正する法律案(衆議
院提出)
第二四 電気事業法及び核原料物質、核燃料物
質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二五 独立行政法人原子力安全基盤機構法案
(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、国家公務員等の任命に関する件
一、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行っ
た者の医療及び観察等に関する法律案、裁判
所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一
部を改正する法律案及び精神保健及び精神障
害者福祉に関する法律の一部を改正する法律
案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────
この発言だけを見る →午前十時二分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十三号
平成十四年十二月十一日
午前十時開議
第一 平成十一年度一般会計歳入歳出決算、平
成十一年度特別会計歳入歳出決算、平成十一
年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十
一年度政府関係機関決算書
第二 平成十二年度一般会計歳入歳出決算、平
成十二年度特別会計歳入歳出決算、平成十二
年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十
二年度政府関係機関決算書
第三 平成十一年度国有財産増減及び現在額総
計算書
第四 平成十一年度国有財産無償貸付状況総計
算書
第五 平成十二年度国有財産増減及び現在額総
計算書
第六 平成十二年度国有財産無償貸付状況総計
算書
第七 預金保険法及び金融機関等の更生手続の
特例等に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第八 金融機関等の組織再編成の促進に関する
特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
第九 農水産業協同組合貯金保険法及び農水産
業協同組合の再生手続の特例等に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第一〇 日本放送協会平成十一年度財産目録、
貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関す
る説明書
第一一 日本放送協会平成十二年度財産目録、
貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関す
る説明書
第一二 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備
支援機構法案(内閣提出、衆議院送付)
第一三 独立行政法人国際観光振興機構法案(
内閣提出、衆議院送付)
第一四 独立行政法人水資源機構法案(内閣提
出、衆議院送付)
第一五 日本下水道事業団法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一六 日本勤労者住宅協会法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一七 東京地下鉄株式会社法案(内閣提出、
衆議院送付)
第一八 独立行政法人自動車事故対策機構法案
(内閣提出、衆議院送付)
第一九 公共用飛行場周辺における航空機騒音
による障害の防止等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二〇 海洋汚染及び海上災害の防止に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
第二一 構造改革特別区域法案(内閣提出、衆
議院送付)
第二二 特定非営利活動促進法の一部を改正す
る法律案(衆議院提出)
第二三 戸籍法の一部を改正する法律案(衆議
院提出)
第二四 電気事業法及び核原料物質、核燃料物
質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二五 独立行政法人原子力安全基盤機構法案
(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、国家公務員等の任命に関する件
一、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行っ
た者の医療及び観察等に関する法律案、裁判
所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一
部を改正する法律案及び精神保健及び精神障
害者福祉に関する法律の一部を改正する法律
案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────
倉
倉田寛之#1
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
内閣から、
総合科学技術会議議員に薬師寺泰蔵君、大山昌伸君、阿部博之君及び黒田玲子君を、
電波監理審議会委員に安田靖彦君及び井口武雄君を、
日本放送協会経営委員会委員に石原邦夫君、高崎ゆかり君、菅原明子君及び堀部政男君を、
中央更生保護審査会委員に川崎道子君及び福井厚士君を、
公安審査委員会委員に大川隆康君及び藤村輝子君を、
労働保険審査会委員に渡辺貞好君、来本笑子君、白井国男君、井上和子君及び金平隆弘君を、
社会保険審査会委員に加茂紀久男君及び沼田輝夫君を、
運輸審議会委員に田島優子君を、
また、公害健康被害補償不服審査会委員に近藤健文君及び浅野楢悦君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
これより採決をいたします。
まず、総合科学技術会議議員のうち薬師寺泰蔵君の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
内閣から、
総合科学技術会議議員に薬師寺泰蔵君、大山昌伸君、阿部博之君及び黒田玲子君を、
電波監理審議会委員に安田靖彦君及び井口武雄君を、
日本放送協会経営委員会委員に石原邦夫君、高崎ゆかり君、菅原明子君及び堀部政男君を、
中央更生保護審査会委員に川崎道子君及び福井厚士君を、
公安審査委員会委員に大川隆康君及び藤村輝子君を、
労働保険審査会委員に渡辺貞好君、来本笑子君、白井国男君、井上和子君及び金平隆弘君を、
社会保険審査会委員に加茂紀久男君及び沼田輝夫君を、
運輸審議会委員に田島優子君を、
また、公害健康被害補償不服審査会委員に近藤健文君及び浅野楢悦君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
これより採決をいたします。
まず、総合科学技術会議議員のうち薬師寺泰蔵君の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
倉
倉
倉田寛之#3
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百三
反対 二十六
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百二十九
賛成 二百三
反対 二十六
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
倉
倉田寛之#4
○議長(倉田寛之君) 次に、総合科学技術会議議員のうち大山昌伸君及び公安審査委員会委員の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
倉
倉
倉田寛之#6
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十一
賛成 二百十二
反対 十九
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十一
賛成 二百十二
反対 十九
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
倉
倉田寛之#7
○議長(倉田寛之君) 次に、総合科学技術会議議員のうち阿部博之君及び黒田玲子君、電波監理審議会委員、日本放送協会経営委員会委員、中央更生保護審査会委員、労働保険審査会委員のうち来本笑子君及び井上和子君、社会保険審査会委員のうち加茂紀久男君並びに運輸審議会委員の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
倉
倉
倉田寛之#9
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十一
賛成 二百三十一
反対 〇
よって、全会一致をもって同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十一
賛成 二百三十一
反対 〇
よって、全会一致をもって同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
倉
倉田寛之#10
○議長(倉田寛之君) 次に、労働保険審査会委員のうち渡辺貞好君及び白井国男君の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
倉
倉
倉田寛之#12
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十
賛成 二百二十三
反対 七
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十
賛成 二百二十三
反対 七
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
倉
倉田寛之#13
○議長(倉田寛之君) 次に、労働保険審査会委員のうち金平隆弘君の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
倉
倉
倉田寛之#15
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十一
賛成 百六十二
反対 六十九
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十一
賛成 百六十二
反対 六十九
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
倉
倉田寛之#16
○議長(倉田寛之君) 次に、社会保険審査会委員のうち沼田輝夫君の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
倉
倉
倉田寛之#18
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十一
賛成 二百二十六
反対 五
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十一
賛成 二百二十六
反対 五
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
倉
倉田寛之#19
○議長(倉田寛之君) 次に、公害健康被害補償不服審査会委員の任命について採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
倉
倉
倉田寛之#21
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百二十七
反対 二
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────
この発言だけを見る →投票総数 二百二十九
賛成 二百二十七
反対 二
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────
倉
倉田寛之#22
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
倉
森
森山眞弓#24
○国務大臣(森山眞弓君) 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
心神喪失又は心神耗弱の状態で殺人、放火等の重大な他害行為が行われることは、被害者に深刻な被害が生じるだけでなく、精神障害を有する者がその病状のために加害者となる点でも、極めて不幸な事態であります。このような者につきましては、必要な医療を確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることにより、その社会復帰を図ることが肝要であり、近時、そのための法整備を求める声も高まっています。
そこで、本法律案は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより、継続的かつ適切な医療の実施を確保するとともに、そのために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もって本人の社会復帰を促進しようとするものであります。
この法律案の要点は、以下のとおりでございます。
第一は、処遇の要否及び内容を決定する審判手続の整備についてであります。
心神喪失等の状態で殺人、放火等の重大な他害行為を行い、不起訴処分をされ、又は無罪等の裁判が確定した者につきましては、検察官が地方裁判所に対してその処遇の要否及び内容を決定することを申し立て、裁判所におきましては、一人の裁判官と一人の医師とから成る合議体が、必要に応じて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門家の意見も聴いた上で審判を行うこととしております。この審判におきましては、被申立人に弁護士である付添人を付することとした上、裁判所は、精神科医に対して被申立人の精神障害に関する鑑定を求め、この鑑定の結果を基礎とし、被申立人の生活環境等をも考慮して、処遇の要否及び内容を決定することといたしております。
第二は、指定入院医療機関における医療についてであります。
厚生労働大臣は、入院をさせる旨の決定を受けた者の医療を担当させるため、一定の基準に適合する国公立病院等を指定入院医療機関として指定し、これに委託して医療を実施することとしております。指定入院医療機関の管理者は、入院を継続させる必要性が認められなくなった場合には、直ちに、裁判所に退院の許可の申立てをしなければならず、他方、入院を継続させる必要性があると認める場合には、原則として六か月ごとに、裁判所に入院継続の必要性の確認の申立てをしなければならないこととし、併せて、入院患者側からも退院の許可等の申立てができることとしております。
また、保護観察所の長は、入院患者の社会復帰の促進を図るため、退院後の生活環境の調整を行うこととしています。
第三は、地域社会における処遇についてです。
退院を許可する旨の決定を受けた者等は、厚生労働大臣が指定する指定通院医療機関において入院によらない医療を受けるとともに、これを確保するための精神保健観察に付されることとしています。
また、保護観察所の長は、指定通院医療機関の管理者及び患者の居住地の都道府県知事等と協議して、その処遇に関する実施計画を定め、これらの関係機関の協力体制を整備し、この実施計画に関する関係機関相互間の緊密な連携の確保に努めるとともに、一定の場合には、裁判所に対し、入院等の申立てをすることとしています。
以上が、この法律案の趣旨であります。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、入院等の要件を明確化し、本制度の目的に即した限定的なものとすること、本制度が対象者の社会復帰のためのものであることを明確化すること、一般の精神医療等の水準の向上を図るべき政府の責務に係る規定を加えること等を内容とする修正が行われております。拍手
─────────────
この発言だけを見る →心神喪失又は心神耗弱の状態で殺人、放火等の重大な他害行為が行われることは、被害者に深刻な被害が生じるだけでなく、精神障害を有する者がその病状のために加害者となる点でも、極めて不幸な事態であります。このような者につきましては、必要な医療を確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることにより、その社会復帰を図ることが肝要であり、近時、そのための法整備を求める声も高まっています。
そこで、本法律案は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより、継続的かつ適切な医療の実施を確保するとともに、そのために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もって本人の社会復帰を促進しようとするものであります。
この法律案の要点は、以下のとおりでございます。
第一は、処遇の要否及び内容を決定する審判手続の整備についてであります。
心神喪失等の状態で殺人、放火等の重大な他害行為を行い、不起訴処分をされ、又は無罪等の裁判が確定した者につきましては、検察官が地方裁判所に対してその処遇の要否及び内容を決定することを申し立て、裁判所におきましては、一人の裁判官と一人の医師とから成る合議体が、必要に応じて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門家の意見も聴いた上で審判を行うこととしております。この審判におきましては、被申立人に弁護士である付添人を付することとした上、裁判所は、精神科医に対して被申立人の精神障害に関する鑑定を求め、この鑑定の結果を基礎とし、被申立人の生活環境等をも考慮して、処遇の要否及び内容を決定することといたしております。
第二は、指定入院医療機関における医療についてであります。
厚生労働大臣は、入院をさせる旨の決定を受けた者の医療を担当させるため、一定の基準に適合する国公立病院等を指定入院医療機関として指定し、これに委託して医療を実施することとしております。指定入院医療機関の管理者は、入院を継続させる必要性が認められなくなった場合には、直ちに、裁判所に退院の許可の申立てをしなければならず、他方、入院を継続させる必要性があると認める場合には、原則として六か月ごとに、裁判所に入院継続の必要性の確認の申立てをしなければならないこととし、併せて、入院患者側からも退院の許可等の申立てができることとしております。
また、保護観察所の長は、入院患者の社会復帰の促進を図るため、退院後の生活環境の調整を行うこととしています。
第三は、地域社会における処遇についてです。
退院を許可する旨の決定を受けた者等は、厚生労働大臣が指定する指定通院医療機関において入院によらない医療を受けるとともに、これを確保するための精神保健観察に付されることとしています。
また、保護観察所の長は、指定通院医療機関の管理者及び患者の居住地の都道府県知事等と協議して、その処遇に関する実施計画を定め、これらの関係機関の協力体制を整備し、この実施計画に関する関係機関相互間の緊密な連携の確保に努めるとともに、一定の場合には、裁判所に対し、入院等の申立てをすることとしています。
以上が、この法律案の趣旨であります。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、入院等の要件を明確化し、本制度の目的に即した限定的なものとすること、本制度が対象者の社会復帰のためのものであることを明確化すること、一般の精神医療等の水準の向上を図るべき政府の責務に係る規定を加えること等を内容とする修正が行われております。拍手
─────────────
倉
朝
朝日俊弘#26
○朝日俊弘君 ただいま議題となりました精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案並びに裁判所法の一部を改正する法律案及び検察庁法の一部を改正する法律案の趣旨を説明いたします。
二十一世紀の我が国における重要な課題の一つは、障害者と共に生きる街づくり、すなわちノーマライゼーションの実現であり、とりわけ精神保健福祉の分野では、この理念の重要性を特に強調しておかなければなりません。
しかしながら、昨年の大阪・池田小学校事件を契機として今日まで取られてきた政府の対応は、着実にノーマライゼーションの方向に進みつつあった地域社会の努力に、むしろ水を差すものと言わざるを得ません。日本社会が今日なお精神障害者に対する差別意識を克服できないでいるのは、精神医療全体の改善に積極的に取り組んでこなかった行政の後れこそが根本的な原因なのであります。
今回、私たちが提出させていただきました本法案は、司法と精神医療の連携を図るとともに、大きく立ち後れている精神保健福祉施策を推進し、ノーマライゼーションの実現に大きく寄与しようとするものにほかなりません。
これに対して政府が提出をした心神喪失者等医療観察法案は、司法精神鑑定の在り方や、司法と精神医療の連携等に関する現行法制度の問題点を何ら改善することなく、新たに強制医療のための手続法を制定しようとするものであり、到底認められるものではありません。
また、衆議院における修正についても、政府原案の基本的な構造を変える内容とはなっておりません。
以上の認識に基づき、私たちは新たな法律を定めるのではなくて、現行法制度の改正とその運用の改善を図る観点から、本法案を作成し、提案させていただきました。
以下、その内容について説明をいたします。
第一に、起訴前及び起訴後における精神鑑定の適正な実施を目的として、最高裁判所と最高検察庁のそれぞれに司法精神鑑定支援センターを設置し、鑑定人の選定事務、精神鑑定に係る情報と資料の収集、調査分析等を行うこととします。
このことにより、鑑定人の選定に関して裁判官や検察官の負担を軽減することができるとともに、鑑定に当たる精神科医を適切に選定し、鑑定結果の偏りやばらつきを防ぐことができます。また、情報の収集、分析を通じて、より精緻な鑑定技能を開発していく道をも開くことが期待できます。
第二に、現行の措置入院制度に係る判定委員会の設置であります。
都道府県知事の下に新たに判定委員会を置くこととし、精神保健指定医のうちから知事が任命する二名の合議体を構成し、措置入院及び措置解除の判定を行うものとします。
第三に、現行の措置鑑定が極めて限られた情報の下で行われている現状を改善するため、精神保健福祉調査員制度を設置し、措置鑑定の必要性を判断するための調査、判定委員会の求めに応じた調査等を行い、より厳密な措置鑑定が実施されるよう支援いたします。
第四に、人員配置基準が低い現在の精神科病棟では、十分な医療、看護の提供ができないことから、より密度の高い人員配置基準を満たす精神科集中治療センターを制度化します。
この集中治療センターは、政府案のように重大な他害行為の有無を要件とするものではなく、あくまでも治療上の必要性からより高度なサービスを提供する、言わば精神科ICUであります。
第五に、精神障害者の社会参加、とりわけ措置解除後の退院患者さんの社会復帰支援体制を強化するため、精神障害者の保健、福祉に関する業務を担う者の相互の連携協力を図ることを義務付けることといたします。
以上が、提案理由及びその概要の説明であります。
なお、私たちは本改正案の提出と併せて、ノーマライゼーションの実現に向けた新障害者基本計画及び新障害者プランの中で精神保健福祉改善十か年戦略を提起し、法の運用の改善と相まって、精神保健福祉全体のレベルアップを目指していることを強調しておきたいと思います。
議員各位におかれましては、私どもの提案に是非とも御賛同いただきますよう心からお願いを申し上げまして、趣旨の説明とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
─────────────
この発言だけを見る →二十一世紀の我が国における重要な課題の一つは、障害者と共に生きる街づくり、すなわちノーマライゼーションの実現であり、とりわけ精神保健福祉の分野では、この理念の重要性を特に強調しておかなければなりません。
しかしながら、昨年の大阪・池田小学校事件を契機として今日まで取られてきた政府の対応は、着実にノーマライゼーションの方向に進みつつあった地域社会の努力に、むしろ水を差すものと言わざるを得ません。日本社会が今日なお精神障害者に対する差別意識を克服できないでいるのは、精神医療全体の改善に積極的に取り組んでこなかった行政の後れこそが根本的な原因なのであります。
今回、私たちが提出させていただきました本法案は、司法と精神医療の連携を図るとともに、大きく立ち後れている精神保健福祉施策を推進し、ノーマライゼーションの実現に大きく寄与しようとするものにほかなりません。
これに対して政府が提出をした心神喪失者等医療観察法案は、司法精神鑑定の在り方や、司法と精神医療の連携等に関する現行法制度の問題点を何ら改善することなく、新たに強制医療のための手続法を制定しようとするものであり、到底認められるものではありません。
また、衆議院における修正についても、政府原案の基本的な構造を変える内容とはなっておりません。
以上の認識に基づき、私たちは新たな法律を定めるのではなくて、現行法制度の改正とその運用の改善を図る観点から、本法案を作成し、提案させていただきました。
以下、その内容について説明をいたします。
第一に、起訴前及び起訴後における精神鑑定の適正な実施を目的として、最高裁判所と最高検察庁のそれぞれに司法精神鑑定支援センターを設置し、鑑定人の選定事務、精神鑑定に係る情報と資料の収集、調査分析等を行うこととします。
このことにより、鑑定人の選定に関して裁判官や検察官の負担を軽減することができるとともに、鑑定に当たる精神科医を適切に選定し、鑑定結果の偏りやばらつきを防ぐことができます。また、情報の収集、分析を通じて、より精緻な鑑定技能を開発していく道をも開くことが期待できます。
第二に、現行の措置入院制度に係る判定委員会の設置であります。
都道府県知事の下に新たに判定委員会を置くこととし、精神保健指定医のうちから知事が任命する二名の合議体を構成し、措置入院及び措置解除の判定を行うものとします。
第三に、現行の措置鑑定が極めて限られた情報の下で行われている現状を改善するため、精神保健福祉調査員制度を設置し、措置鑑定の必要性を判断するための調査、判定委員会の求めに応じた調査等を行い、より厳密な措置鑑定が実施されるよう支援いたします。
第四に、人員配置基準が低い現在の精神科病棟では、十分な医療、看護の提供ができないことから、より密度の高い人員配置基準を満たす精神科集中治療センターを制度化します。
この集中治療センターは、政府案のように重大な他害行為の有無を要件とするものではなく、あくまでも治療上の必要性からより高度なサービスを提供する、言わば精神科ICUであります。
第五に、精神障害者の社会参加、とりわけ措置解除後の退院患者さんの社会復帰支援体制を強化するため、精神障害者の保健、福祉に関する業務を担う者の相互の連携協力を図ることを義務付けることといたします。
以上が、提案理由及びその概要の説明であります。
なお、私たちは本改正案の提出と併せて、ノーマライゼーションの実現に向けた新障害者基本計画及び新障害者プランの中で精神保健福祉改善十か年戦略を提起し、法の運用の改善と相まって、精神保健福祉全体のレベルアップを目指していることを強調しておきたいと思います。
議員各位におかれましては、私どもの提案に是非とも御賛同いただきますよう心からお願いを申し上げまして、趣旨の説明とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
─────────────
倉
江
江田五月#28
○江田五月君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案に対し、質問いたします。
初めに、私は、今日の本会議での趣旨説明と代表質問という日程の慌ただしさにつき、一言申し上げておきます。
この重要法案が臨時国会の会期末近くになって衆議院で採決されることになったのにはそれなりの事情があると思います。しかし、既に今日は会期末まであと二日です。こうして本会議質疑をしても、本院の付託委員会で審議をする時間のゆとりはもはやありません。なぜこんな無理な日程を組むのか。予算要求に衆議院通過が必要だとか、単なる法案審議の事情とは違う不明朗さを感じます。このような取扱いをする政府・与党のやり方にまず強い懸念を表明しておきます。
さて、本法案提出の大きなきっかけとなったのは、昨年六月の大阪・池田小学校の児童殺傷事件だと言われています。社会に大きな衝撃を与えた残酷な事件でした。二度とあのようなことを起こしてはいけないとだれもが考えました。そしてその直後に、小泉首相は、容疑者を精神障害者と決め付けて、刑法の見直しを検討するよう自民党の山崎幹事長に指示したそうです。その指示に従って、自民党や与党の中で検討が進み、その検討を受けて、政府部内で最高裁とも協議をして、本法案の原案が国会に提出されたのですね。
そこで質問。小泉首相は、法務大臣、厚生労働大臣に対し、具体的にどのような指示を出したのか、あるいは出さなかったのか。出したとすれば、その指示は本法案のどこに生かされたのか、両大臣に併せて伺います。
首相の指示がいかにいい加減で軽率な発言であったか、これは後に証明されました。まず、刑法の見直しという首相の指示はだれからも一顧だにされていません。刑法体系が問題になっているのではないことが明らかだからです。この点は間違いありませんね、法務大臣。
軽率な発言の影響はもっと深刻です。この容疑者は、捜査中の精神鑑定の結果、犯行時には心神喪失でも心神耗弱でもなく責任能力ありとの結論が得られ、通常の公判請求がなされ、現在公判中です。また、心神喪失者の再犯のケースでもありません。すなわち、本法案の予定する仕組みができても、池田小学校事件の容疑者は、そもそもそこで扱われる対象にはなりません。また、仮になったとしても、既に重大な犯罪や事件を起こした後ですから、事件の防止には役立ちません。それなのに、小泉首相の軽率な発言により、精神障害者は危険だから新たな仕組みで危険を防止するのだという、精神障害者に対する社会の偏見が助長されたのです。反論がありますか、法務大臣と厚生労働大臣。
この容疑者は、精神障害者を装って、検察官をだまし、罪を免れたと言われているのです。そうすると、先ほど私たち民主党案の提出者から詳しく分かりやすく説明があったとおり、民主党案にある起訴前の精神鑑定の適正化こそが適切な対応策となります。民主党案は、それに加え、公判中の鑑定や措置入院制度の適正化を目指しています。
そこで質問します。本法案のどこが池田小学校事件の容疑者に適用できるのか、法務大臣そして厚生労働大臣にそれぞれ伺います。
本法案の目的ですが、第一条に長々と規定があり、特に継続的かつ適切な医療の確保と社会復帰の促進が強調されています。言葉で言うのは簡単ですが、我が国の精神医療の実態を考えると、その実現は容易なことではないと思います。我が国には現在、精神病院の長期入院者は三十三万人、欧米諸国の数倍だと指摘されています。そのうち、七万二千人は社会的入院だということです。さらに、医師や看護婦の不足。これが我が国の精神医療の実態です。一体どうしてこういう惨めなことになってしまったのか。厚生労働大臣に伺います。
さらに、厚生労働大臣。この法案の目的達成のためには、我が国の精神医療の抜本的な改善や社会復帰体制の飛躍的な充実が必要だと思います。大臣は、七万二千人の社会的入院を十年間でゼロにするお考えだと聞きました。大臣の決意と具体的方策をお聞かせください。
その適切な医療と社会復帰体制ですが、今申し上げたような実態を考えると、適切な取組を必要としているのは本法案の対象者だけではないですね。対象行為を行っていない精神障害者も医療や社会のバックアップが必要です。そうでないと差別になってしまいます。
そこで、厚生労働大臣に確認ですが、本法案の対象者だけでなく、必要な人すべてに適切な医療と社会復帰体制を確保する決意ということでよろしいですか。
次に、精神障害者の再犯率についてですが、大阪・池田小学校の児童殺傷事件などの報道により、精神障害者は重大な犯罪を犯しやすいと思われています。しかし、殺人については、一般人の再犯率は二八%であるのに対し、精神障害者の場合は六・八%と極めて低く、放火についても、一般人の再犯率は三四・六%であるのに対し、精神障害者の場合は九・四%と低いのです。精神障害者だから再び重大な犯罪を行うという見方は根拠がありません。
本法案の原案は、いわゆる再犯のおそれの除去を目的としていたのですが、修正により社会復帰の促進と改められました。しかし、表現は変えても、再犯のおそれの除去がなければ社会復帰は促進されないとも言えるでしょう。同じことなのです。ところが、精神障害者は再犯のおそれはむしろ低いというのが事実なのです。
こう考えると、本法案が、対象行為を行った精神障害者だけに対して特別な処遇を行い、治療を強制的に受けさせることについては、その正当な根拠や必要性が希薄だと言わざるを得ません。違いますか、法務大臣と厚生労働大臣。
次に、精神鑑定について伺います。
検察官が被疑者を起訴するかどうか、また、裁判官が被告人を無罪又は刑の減免をするかどうか、これを判断する上で極めて重要なのが精神鑑定です。それなのに、起訴前のいわゆる精神鑑定の結果が、医師や地域によりばらつきがあったり、精神鑑定を担当する医師が不足するなど、精神鑑定の現状については数々の問題点が指摘されています。精神鑑定を適正化し、その信頼度を増すことこそが緊急の課題となっているのです。しかし、政府案は、その点について何ら触れず、精神鑑定の抱える課題には一切手を付けていません。
私たち民主党は、さきに述べたように、精神鑑定の充実と適正化を図るための法案を提出しました。
そこでまず、政府は精神鑑定の現状やその適正化の必要性についてどう認識しているのか、法務大臣に伺います。さらに、この点について民主党案をどのように評価されるか、法務大臣と厚生労働大臣に伺います。
衆議院での修正により、精神保健観察を行う者について、その名称が精神保健観察官から社会復帰調整官に変わりましたが、これにより何が変わるのでしょうか。社会復帰という言葉を前面に押し出すことが実質的にどういう違いをもたらすのでしょうか。修正案提出者に代わって厚生労働大臣に伺います。
保護観察所は、刑の執行猶予者や仮釈放された者の保護観察を主たる任務とし、犯罪の予防を目的として活動する刑事政策機関です。そのような機関に、精神障害者の処遇に関する実施計画を定めたり、指定通院医療機関への通院を確保するために積極的施策を行う役割を負わせるのは本当に適切なのでしょうか。精神障害者の社会復帰に向けた活動が刑事政策的色彩を帯びる結果になるおそれはないのでしょうか。法務大臣と厚生労働大臣に伺います。
本法案は、衆議院での修正により、「同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、この法律による医療を受けさせる必要があると認める場合」、これが処遇要件となりました。それでは、「同様の行為を行うことなく」というのは、修正前の再犯のおそれという要件とはどういう点が違うのでしょうか。また、「この法律による医療を受けさせる必要があると認める場合」というのは、具体的にはどういう場合を言うのでしょうか。極めて抽象的であいまいです。本法案は、対象行為を行った精神障害者を特別の手続で特別に処遇し、しかも強制的措置を伴うのですから、対象行為や対象者の厳格な認定だけでなく、処遇要件についても具体的で明確な認定が必要です。この処遇要件について、明確な説明を修正案提出者に代わって厚生労働大臣に求めます。
衆議院の審議の中で、平成十二年に対象行為を行った心神喪失者、心神耗弱者は四百十七名、そのうち措置入院になった者は二百七十名ということが明らかになりました。さらに修正によって、新制度による入院患者の数は、修正がなければ入院決定を受けるであろう患者数より少なくなる、そういう政府答弁がありました。この根拠について、明確な説明を厚生労働大臣と法務大臣に求めます。
医療施設の脆弱さ、医療スタッフの不足、処遇困難者の対応、不十分な地域精神医療など、精神医療は数多くの課題を抱えています。今必要なことは、いわゆる触法精神障害者だけを切り離して処遇することではなく、精神医療全体の水準の向上です。
確かに、衆議院での修正により、精神医療の水準の向上などについて努力規定が附則に盛り込まれましたが、努力目標にすぎず、精神医療が現実に充実される保証は何もありません。なぜ、触法精神障害者の処遇だけを特別扱いする制度を急いで新設し、精神障害者全体に対する差別と偏見の排除や悲惨な精神医療の改善を後回しにするのですか。この点について、厚生労働大臣と法務大臣の明確な説明を求め、修正案提出者の御意見を厚生労働大臣から伺います。
問題は、精神保健福祉法で地域精神医療の充実を唱えながら、それを具体化する政策が先送りされてきたことにあります。本法案もまた、精神障害者をめぐる問題を置き去りにするだけでなく、極めて差別、偏見を助長するものとなっており、人格障害のことなどもあり、成立は見送られるべきです。
精神医療の充実がなぜできなかったのか、その原因を明らかにし、その上で、予算措置も含めた精神医療改革の具体的な処方せんを作りましょう。その実現こそが、不幸にして起きる事件の防止につながるのです。精神障害者のことを考えるなら、これ以上障害者を遠ざけるのでなく、まず、精神医療を身近なものと考えましょう。そして、その発展と充実に取り組みましょう。ノーマライゼーションです。最後にそのことを強調して、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣森山眞弓君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →初めに、私は、今日の本会議での趣旨説明と代表質問という日程の慌ただしさにつき、一言申し上げておきます。
この重要法案が臨時国会の会期末近くになって衆議院で採決されることになったのにはそれなりの事情があると思います。しかし、既に今日は会期末まであと二日です。こうして本会議質疑をしても、本院の付託委員会で審議をする時間のゆとりはもはやありません。なぜこんな無理な日程を組むのか。予算要求に衆議院通過が必要だとか、単なる法案審議の事情とは違う不明朗さを感じます。このような取扱いをする政府・与党のやり方にまず強い懸念を表明しておきます。
さて、本法案提出の大きなきっかけとなったのは、昨年六月の大阪・池田小学校の児童殺傷事件だと言われています。社会に大きな衝撃を与えた残酷な事件でした。二度とあのようなことを起こしてはいけないとだれもが考えました。そしてその直後に、小泉首相は、容疑者を精神障害者と決め付けて、刑法の見直しを検討するよう自民党の山崎幹事長に指示したそうです。その指示に従って、自民党や与党の中で検討が進み、その検討を受けて、政府部内で最高裁とも協議をして、本法案の原案が国会に提出されたのですね。
そこで質問。小泉首相は、法務大臣、厚生労働大臣に対し、具体的にどのような指示を出したのか、あるいは出さなかったのか。出したとすれば、その指示は本法案のどこに生かされたのか、両大臣に併せて伺います。
首相の指示がいかにいい加減で軽率な発言であったか、これは後に証明されました。まず、刑法の見直しという首相の指示はだれからも一顧だにされていません。刑法体系が問題になっているのではないことが明らかだからです。この点は間違いありませんね、法務大臣。
軽率な発言の影響はもっと深刻です。この容疑者は、捜査中の精神鑑定の結果、犯行時には心神喪失でも心神耗弱でもなく責任能力ありとの結論が得られ、通常の公判請求がなされ、現在公判中です。また、心神喪失者の再犯のケースでもありません。すなわち、本法案の予定する仕組みができても、池田小学校事件の容疑者は、そもそもそこで扱われる対象にはなりません。また、仮になったとしても、既に重大な犯罪や事件を起こした後ですから、事件の防止には役立ちません。それなのに、小泉首相の軽率な発言により、精神障害者は危険だから新たな仕組みで危険を防止するのだという、精神障害者に対する社会の偏見が助長されたのです。反論がありますか、法務大臣と厚生労働大臣。
この容疑者は、精神障害者を装って、検察官をだまし、罪を免れたと言われているのです。そうすると、先ほど私たち民主党案の提出者から詳しく分かりやすく説明があったとおり、民主党案にある起訴前の精神鑑定の適正化こそが適切な対応策となります。民主党案は、それに加え、公判中の鑑定や措置入院制度の適正化を目指しています。
そこで質問します。本法案のどこが池田小学校事件の容疑者に適用できるのか、法務大臣そして厚生労働大臣にそれぞれ伺います。
本法案の目的ですが、第一条に長々と規定があり、特に継続的かつ適切な医療の確保と社会復帰の促進が強調されています。言葉で言うのは簡単ですが、我が国の精神医療の実態を考えると、その実現は容易なことではないと思います。我が国には現在、精神病院の長期入院者は三十三万人、欧米諸国の数倍だと指摘されています。そのうち、七万二千人は社会的入院だということです。さらに、医師や看護婦の不足。これが我が国の精神医療の実態です。一体どうしてこういう惨めなことになってしまったのか。厚生労働大臣に伺います。
さらに、厚生労働大臣。この法案の目的達成のためには、我が国の精神医療の抜本的な改善や社会復帰体制の飛躍的な充実が必要だと思います。大臣は、七万二千人の社会的入院を十年間でゼロにするお考えだと聞きました。大臣の決意と具体的方策をお聞かせください。
その適切な医療と社会復帰体制ですが、今申し上げたような実態を考えると、適切な取組を必要としているのは本法案の対象者だけではないですね。対象行為を行っていない精神障害者も医療や社会のバックアップが必要です。そうでないと差別になってしまいます。
そこで、厚生労働大臣に確認ですが、本法案の対象者だけでなく、必要な人すべてに適切な医療と社会復帰体制を確保する決意ということでよろしいですか。
次に、精神障害者の再犯率についてですが、大阪・池田小学校の児童殺傷事件などの報道により、精神障害者は重大な犯罪を犯しやすいと思われています。しかし、殺人については、一般人の再犯率は二八%であるのに対し、精神障害者の場合は六・八%と極めて低く、放火についても、一般人の再犯率は三四・六%であるのに対し、精神障害者の場合は九・四%と低いのです。精神障害者だから再び重大な犯罪を行うという見方は根拠がありません。
本法案の原案は、いわゆる再犯のおそれの除去を目的としていたのですが、修正により社会復帰の促進と改められました。しかし、表現は変えても、再犯のおそれの除去がなければ社会復帰は促進されないとも言えるでしょう。同じことなのです。ところが、精神障害者は再犯のおそれはむしろ低いというのが事実なのです。
こう考えると、本法案が、対象行為を行った精神障害者だけに対して特別な処遇を行い、治療を強制的に受けさせることについては、その正当な根拠や必要性が希薄だと言わざるを得ません。違いますか、法務大臣と厚生労働大臣。
次に、精神鑑定について伺います。
検察官が被疑者を起訴するかどうか、また、裁判官が被告人を無罪又は刑の減免をするかどうか、これを判断する上で極めて重要なのが精神鑑定です。それなのに、起訴前のいわゆる精神鑑定の結果が、医師や地域によりばらつきがあったり、精神鑑定を担当する医師が不足するなど、精神鑑定の現状については数々の問題点が指摘されています。精神鑑定を適正化し、その信頼度を増すことこそが緊急の課題となっているのです。しかし、政府案は、その点について何ら触れず、精神鑑定の抱える課題には一切手を付けていません。
私たち民主党は、さきに述べたように、精神鑑定の充実と適正化を図るための法案を提出しました。
そこでまず、政府は精神鑑定の現状やその適正化の必要性についてどう認識しているのか、法務大臣に伺います。さらに、この点について民主党案をどのように評価されるか、法務大臣と厚生労働大臣に伺います。
衆議院での修正により、精神保健観察を行う者について、その名称が精神保健観察官から社会復帰調整官に変わりましたが、これにより何が変わるのでしょうか。社会復帰という言葉を前面に押し出すことが実質的にどういう違いをもたらすのでしょうか。修正案提出者に代わって厚生労働大臣に伺います。
保護観察所は、刑の執行猶予者や仮釈放された者の保護観察を主たる任務とし、犯罪の予防を目的として活動する刑事政策機関です。そのような機関に、精神障害者の処遇に関する実施計画を定めたり、指定通院医療機関への通院を確保するために積極的施策を行う役割を負わせるのは本当に適切なのでしょうか。精神障害者の社会復帰に向けた活動が刑事政策的色彩を帯びる結果になるおそれはないのでしょうか。法務大臣と厚生労働大臣に伺います。
本法案は、衆議院での修正により、「同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、この法律による医療を受けさせる必要があると認める場合」、これが処遇要件となりました。それでは、「同様の行為を行うことなく」というのは、修正前の再犯のおそれという要件とはどういう点が違うのでしょうか。また、「この法律による医療を受けさせる必要があると認める場合」というのは、具体的にはどういう場合を言うのでしょうか。極めて抽象的であいまいです。本法案は、対象行為を行った精神障害者を特別の手続で特別に処遇し、しかも強制的措置を伴うのですから、対象行為や対象者の厳格な認定だけでなく、処遇要件についても具体的で明確な認定が必要です。この処遇要件について、明確な説明を修正案提出者に代わって厚生労働大臣に求めます。
衆議院の審議の中で、平成十二年に対象行為を行った心神喪失者、心神耗弱者は四百十七名、そのうち措置入院になった者は二百七十名ということが明らかになりました。さらに修正によって、新制度による入院患者の数は、修正がなければ入院決定を受けるであろう患者数より少なくなる、そういう政府答弁がありました。この根拠について、明確な説明を厚生労働大臣と法務大臣に求めます。
医療施設の脆弱さ、医療スタッフの不足、処遇困難者の対応、不十分な地域精神医療など、精神医療は数多くの課題を抱えています。今必要なことは、いわゆる触法精神障害者だけを切り離して処遇することではなく、精神医療全体の水準の向上です。
確かに、衆議院での修正により、精神医療の水準の向上などについて努力規定が附則に盛り込まれましたが、努力目標にすぎず、精神医療が現実に充実される保証は何もありません。なぜ、触法精神障害者の処遇だけを特別扱いする制度を急いで新設し、精神障害者全体に対する差別と偏見の排除や悲惨な精神医療の改善を後回しにするのですか。この点について、厚生労働大臣と法務大臣の明確な説明を求め、修正案提出者の御意見を厚生労働大臣から伺います。
問題は、精神保健福祉法で地域精神医療の充実を唱えながら、それを具体化する政策が先送りされてきたことにあります。本法案もまた、精神障害者をめぐる問題を置き去りにするだけでなく、極めて差別、偏見を助長するものとなっており、人格障害のことなどもあり、成立は見送られるべきです。
精神医療の充実がなぜできなかったのか、その原因を明らかにし、その上で、予算措置も含めた精神医療改革の具体的な処方せんを作りましょう。その実現こそが、不幸にして起きる事件の防止につながるのです。精神障害者のことを考えるなら、これ以上障害者を遠ざけるのでなく、まず、精神医療を身近なものと考えましょう。そして、その発展と充実に取り組みましょう。ノーマライゼーションです。最後にそのことを強調して、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣森山眞弓君登壇、拍手〕
森
森山眞弓#29
○国務大臣(森山眞弓君) 江田議員にお答え申し上げます。
まず、いわゆる大阪・池田小学校児童等無差別殺傷事件の直後の小泉総理の発言内容と本法案との関係についてお尋ねがございました。
心神喪失等の状態で重大な他害行為が行われる事案につきましては、被害者に深刻な被害が生ずるだけではなく、精神障害を有する人がその病状のために加害者となる点でも極めて不幸な事態でございます。
そこで、精神障害に起因する事件の被害者を可能な限り減らし、また、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者が精神障害に起因するこのような不幸な事態を繰り返さないようにするための対策が必要であり、御指摘の総理の御発言もそのような趣旨であったものと理解しております。
このような総理の御発言や、この事件をきっかけとする国民各層からの御意見、与党プロジェクトチームによる調査検討結果等をも踏まえまして、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対する適切な処遇を確保するため、本法案を提出させていただいたものでございます。
刑法の見直しという小泉総理の指示が誤りではないかとのお尋ねがございました。
御指摘の総理の御発言は、具体的に刑法の見直しを指示されたものではなく、一般論として、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者が精神障害に起因するこのような不幸な事態を繰り返さないようにするための対策が必要であるとの御趣旨であったものと理解しております。
次に、小泉総理の発言が精神障害者に対する差別等を助長したのではないかとのお尋ねがございました。
御指摘の御発言は、池田小学校の事件が精神障害に起因して行われたものと断定して述べられたのではなく、一般論として、精神障害に起因する事件に関する対策が必要であるとの御趣旨であったものと理解しております。
本法律案は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者につきまして、国の責任において必要な医療を統一的に確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることにより、その社会復帰を図ることが肝要であるとの考えに基づきまして、適切な処遇を決定するための審判手続等を定めるとともに、その医療を確保するための機関、制度等を整備するものでございます。このように、対象者の早期の社会復帰を図るための適切な体制を整備することは、長期的にはむしろ差別や偏見の解消につながっていくものと考えております。
さらに、本法案が大阪・池田小学校児童等無差別殺傷事件の容疑者にどのように適用されるのかとのお尋ねがございました。
御指摘の事件は、責任能力が認められるものとして起訴されたと承知しておりますが、同事件につきましては、現在、公判係属中であり、この点も含め、最終的には裁判所によって判断されるべき事柄でございますので、お尋ねの点について法務大臣として答弁することは適当ではないと考えております。
また、本法案が心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者のみを対象としていることについてお尋ねがございました。
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者は、精神障害を有していることに加えて重大な他害行為を犯したという、言わば二重のハンディキャップを背負っている者でございます。そして、このような者が有する精神障害は一般的に手厚い専門的な医療の必要性が高いと考えられ、また、仮にそのような精神障害が改善されないまま再びそのために同様の行為が行われることとなれば、本人の社会復帰の重大な障害となることからも、やはりこのような医療を確保することが必要不可欠であると考えます。
そこで、このような者については国の責任において手厚い専門的な医療を統一的に行い、また、退院後の継続的な医療を確保するための仕組みを整備すること等によりまして、その円滑な社会復帰を促進することが特に必要であると考えられますことから、このような者を本法案における対象者とすることとしたものでございます。
次に、精神鑑定の現状とその適正化の必要性についてお尋ねがございました。
検察当局におきましては、精神障害の疑いのある被疑者による事件の捜査、処理に当たり、精神鑑定を行う必要があると認められる場合には、事案の内容や被疑者の状況等に応じて、簡易鑑定によるか鑑定留置の上で本鑑定を行うかなど、精神鑑定の手段、方法を選択していると承知しております。
精神鑑定につきましては、特に簡易鑑定に対し、適正に実施されているかなど、様々な御意見や御批判があることは十分に承知しており、法務当局といたしましても、一層その適正な運用を図り、不十分な鑑定に基づいて安易な処理が行われているとの御批判を決して招くことのないようにする必要があると考えております。
このような観点から、専門家の意見等をも踏まえつつ、捜査段階において精神鑑定が行われた事例を集積し精神科医等も加えた研究会等におきましてこれを活用すること、検察官等に対しいわゆる司法精神医学に関する研修を充実させること、鑑定人に被疑者に関する正確かつ必要十分な資料が提供されるような運用を検討すること等の方策を講ずることを検討したいと考えております。
精神鑑定の充実と適正化に関し、民主党案をどのように評価するかとのお尋ねがございました。
民主党案につきましても様々な御意見があるかと思いますが、私といたしましては、御提案された精神鑑定の質の向上による適正な鑑定の確保につきまして、種々の御意見や御批判を真摯に受け止め、先ほど申し上げたような方策を講ずることを検討したいと考えております。
新たな処遇制度に保護観察所が携わることについてお尋ねがございました。
本制度におきまして、保護観察所は、通院患者に対する継続的な医療を確保するため、医療機関はもとより、地域社会で精神障害者に対する援助業務を担っている保健所等の関係機関とも連携しつつ、精神保健観察等の事務を行うこととしております。これらの事務は、本人の社会復帰を促進することを目的とするものでありまして、犯罪者の改善更生を促すことを目的とする保護観察とは本質的に異なるものでございます。このため、保護観察所には精神障害者の保健、福祉等に関する専門的知識を有する職員を新たに相当数配置いたしまして適切な処遇を行うこととしているところでございまして、御指摘のような懸念は当たらないものと考えております。
また、本制度による処遇については、国の機関が中心となって行うことが適当と考えられますこと、保護観察所は全国五十か所に設置されておりまして、そのネットワークによって統一的かつ円滑な処遇の実施が可能であることなどを総合的に考えますと、本制度による処遇を担う機関としては保護観察所がふさわしいものと考えております。
修正案に基づく入院患者の数についてお尋ねがございました。
入院等の決定は、処遇事件を取り扱う裁判所の合議体が個々の事件に応じて判断するものでございますから、現段階において、入院等の決定がなされる者の数について確定的なことを申し述べることは困難でございます。
もっとも、修正案は、政府案に対する様々な批判を踏まえまして、本制度における入院等の要件を明確化し、本制度の目的に即した限定的なものといたしましたものと承知しておりまして、入院決定を受ける者の数につきましても、その趣旨に沿ったものになるものと考えられます。
新たな処遇制度の整備と精神障害者全体に対する施策の関係についてお尋ねがございました。
先ほどもお答え申し上げましたとおり、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者については、国の責任において統一的に手厚い専門的な医療を行うこと等によりまして、その円滑な社会復帰を促進することが特に必要であると考えられ、そのための適切な施策を早急に講ずる必要がありますことから、本法案により新たな処遇制度を整備することとしたものでございます。
一方で、御指摘のとおり、精神障害者全般に対する施策を推進していくことも大変重要なことと考えております。この点については、衆議院における修正によりまして、一般の精神医療等についてもその水準の向上等を図るべき政府の責務が明記されまして、また、厚生労働省からもこれらに努めていくとの御決意を伺っているところでございまして、本法案の成立により、今後これらが推進されていくものと考えております。拍手
〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、いわゆる大阪・池田小学校児童等無差別殺傷事件の直後の小泉総理の発言内容と本法案との関係についてお尋ねがございました。
心神喪失等の状態で重大な他害行為が行われる事案につきましては、被害者に深刻な被害が生ずるだけではなく、精神障害を有する人がその病状のために加害者となる点でも極めて不幸な事態でございます。
そこで、精神障害に起因する事件の被害者を可能な限り減らし、また、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者が精神障害に起因するこのような不幸な事態を繰り返さないようにするための対策が必要であり、御指摘の総理の御発言もそのような趣旨であったものと理解しております。
このような総理の御発言や、この事件をきっかけとする国民各層からの御意見、与党プロジェクトチームによる調査検討結果等をも踏まえまして、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対する適切な処遇を確保するため、本法案を提出させていただいたものでございます。
刑法の見直しという小泉総理の指示が誤りではないかとのお尋ねがございました。
御指摘の総理の御発言は、具体的に刑法の見直しを指示されたものではなく、一般論として、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者が精神障害に起因するこのような不幸な事態を繰り返さないようにするための対策が必要であるとの御趣旨であったものと理解しております。
次に、小泉総理の発言が精神障害者に対する差別等を助長したのではないかとのお尋ねがございました。
御指摘の御発言は、池田小学校の事件が精神障害に起因して行われたものと断定して述べられたのではなく、一般論として、精神障害に起因する事件に関する対策が必要であるとの御趣旨であったものと理解しております。
本法律案は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者につきまして、国の責任において必要な医療を統一的に確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることにより、その社会復帰を図ることが肝要であるとの考えに基づきまして、適切な処遇を決定するための審判手続等を定めるとともに、その医療を確保するための機関、制度等を整備するものでございます。このように、対象者の早期の社会復帰を図るための適切な体制を整備することは、長期的にはむしろ差別や偏見の解消につながっていくものと考えております。
さらに、本法案が大阪・池田小学校児童等無差別殺傷事件の容疑者にどのように適用されるのかとのお尋ねがございました。
御指摘の事件は、責任能力が認められるものとして起訴されたと承知しておりますが、同事件につきましては、現在、公判係属中であり、この点も含め、最終的には裁判所によって判断されるべき事柄でございますので、お尋ねの点について法務大臣として答弁することは適当ではないと考えております。
また、本法案が心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者のみを対象としていることについてお尋ねがございました。
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者は、精神障害を有していることに加えて重大な他害行為を犯したという、言わば二重のハンディキャップを背負っている者でございます。そして、このような者が有する精神障害は一般的に手厚い専門的な医療の必要性が高いと考えられ、また、仮にそのような精神障害が改善されないまま再びそのために同様の行為が行われることとなれば、本人の社会復帰の重大な障害となることからも、やはりこのような医療を確保することが必要不可欠であると考えます。
そこで、このような者については国の責任において手厚い専門的な医療を統一的に行い、また、退院後の継続的な医療を確保するための仕組みを整備すること等によりまして、その円滑な社会復帰を促進することが特に必要であると考えられますことから、このような者を本法案における対象者とすることとしたものでございます。
次に、精神鑑定の現状とその適正化の必要性についてお尋ねがございました。
検察当局におきましては、精神障害の疑いのある被疑者による事件の捜査、処理に当たり、精神鑑定を行う必要があると認められる場合には、事案の内容や被疑者の状況等に応じて、簡易鑑定によるか鑑定留置の上で本鑑定を行うかなど、精神鑑定の手段、方法を選択していると承知しております。
精神鑑定につきましては、特に簡易鑑定に対し、適正に実施されているかなど、様々な御意見や御批判があることは十分に承知しており、法務当局といたしましても、一層その適正な運用を図り、不十分な鑑定に基づいて安易な処理が行われているとの御批判を決して招くことのないようにする必要があると考えております。
このような観点から、専門家の意見等をも踏まえつつ、捜査段階において精神鑑定が行われた事例を集積し精神科医等も加えた研究会等におきましてこれを活用すること、検察官等に対しいわゆる司法精神医学に関する研修を充実させること、鑑定人に被疑者に関する正確かつ必要十分な資料が提供されるような運用を検討すること等の方策を講ずることを検討したいと考えております。
精神鑑定の充実と適正化に関し、民主党案をどのように評価するかとのお尋ねがございました。
民主党案につきましても様々な御意見があるかと思いますが、私といたしましては、御提案された精神鑑定の質の向上による適正な鑑定の確保につきまして、種々の御意見や御批判を真摯に受け止め、先ほど申し上げたような方策を講ずることを検討したいと考えております。
新たな処遇制度に保護観察所が携わることについてお尋ねがございました。
本制度におきまして、保護観察所は、通院患者に対する継続的な医療を確保するため、医療機関はもとより、地域社会で精神障害者に対する援助業務を担っている保健所等の関係機関とも連携しつつ、精神保健観察等の事務を行うこととしております。これらの事務は、本人の社会復帰を促進することを目的とするものでありまして、犯罪者の改善更生を促すことを目的とする保護観察とは本質的に異なるものでございます。このため、保護観察所には精神障害者の保健、福祉等に関する専門的知識を有する職員を新たに相当数配置いたしまして適切な処遇を行うこととしているところでございまして、御指摘のような懸念は当たらないものと考えております。
また、本制度による処遇については、国の機関が中心となって行うことが適当と考えられますこと、保護観察所は全国五十か所に設置されておりまして、そのネットワークによって統一的かつ円滑な処遇の実施が可能であることなどを総合的に考えますと、本制度による処遇を担う機関としては保護観察所がふさわしいものと考えております。
修正案に基づく入院患者の数についてお尋ねがございました。
入院等の決定は、処遇事件を取り扱う裁判所の合議体が個々の事件に応じて判断するものでございますから、現段階において、入院等の決定がなされる者の数について確定的なことを申し述べることは困難でございます。
もっとも、修正案は、政府案に対する様々な批判を踏まえまして、本制度における入院等の要件を明確化し、本制度の目的に即した限定的なものといたしましたものと承知しておりまして、入院決定を受ける者の数につきましても、その趣旨に沿ったものになるものと考えられます。
新たな処遇制度の整備と精神障害者全体に対する施策の関係についてお尋ねがございました。
先ほどもお答え申し上げましたとおり、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者については、国の責任において統一的に手厚い専門的な医療を行うこと等によりまして、その円滑な社会復帰を促進することが特に必要であると考えられ、そのための適切な施策を早急に講ずる必要がありますことから、本法案により新たな処遇制度を整備することとしたものでございます。
一方で、御指摘のとおり、精神障害者全般に対する施策を推進していくことも大変重要なことと考えております。この点については、衆議院における修正によりまして、一般の精神医療等についてもその水準の向上等を図るべき政府の責務が明記されまして、また、厚生労働省からもこれらに努めていくとの御決意を伺っているところでございまして、本法案の成立により、今後これらが推進されていくものと考えております。拍手
〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕