保岡興治の発言 (憲法調査会)
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○保岡委員 最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会における調査の経過及びその概要について御報告申し上げます。
本小委員会は、三月六日に会議を開き、参考人として、元最高裁判所判事園部逸夫君をお呼びし、象徴天皇制について、特に天皇の権限・国事行為等を中心として御意見を聴取いたしました。
会議における参考人の意見陳述の詳細については小委員会の会議録を参照いただくこととし、その概要を簡潔に申し上げますと、
参考人からは、
象徴天皇制は、現行憲法の理念に基づき規定されているが、歴史や伝統等を反映した独特の制度であるとの認識が示された上で、権力に正統性を付与するという、天皇が歴史上果たしてきた機能の一側面でもある統治機構の基軸としての役割は、象徴天皇制のもとでは国民からゆだねられているものとして理解できることなどが述べられ、
続いて、天皇の権能と行為について、
天皇が象徴であるためにはその機能を果たす場が必要であるとする積極的象徴の見地からも実情等を考慮しつつ探求すべきこと、
天皇の行為の分類に当たっては、象徴に由来する価値を実態に即して分析するなどの観点から五分説を提唱することなどが述べられました。
さらに、天皇は国事行為や公的行為により象徴性を発揮することが重要であると同時に、公的行為については、その意味にふさわしい制度上の位置づけを慎重な配慮のもとに行うことが必要であるなどの意見が述べられました。
このような参考人の御意見を踏まえて、質疑及び委員間の自由討議が行われ、委員及び参考人の間で活発な意見の交換が行われました。
そこにおいて表明された意見を小委員長として総括するとすれば、
まず、天皇の国事行為については、これは憲法によって主権者である国民から天皇に委任されたものであって、その責任は内閣にあり、またその性格は形式的、儀礼的なものであるという点については、各会派に共通の認識であったと理解いたします。
次いで、天皇の行為の分類の仕方につきましては、国事行為のほかにそれ以外の行為が存在することは認識するものの、国事行為以外の行為について公的行為、私的行為等に細分するか否か、さらに公的行為を認識する場合、公的行為についても何らかの基準を設けるか否かについては、見解の分かれるところでありました。
最後に、前回及び今回の参考人からの意見聴取を踏まえ、天皇の行為に関しましては、その運用実態等につきまして具体的な事例を取り上げながら調査を進めることが、ありのままの象徴天皇についての議論をしていく上で必要なことであると認識した次第です。
以上、御報告申し上げます。