杉浦正健の発言 (憲法調査会)
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○杉浦委員 統治機構のあり方に関する調査小委員会における調査の経過及びその概要について御報告申し上げます。
本小委員会は、六月五日に会議を開き、参考人として、神戸学院大学法学部法律学科助教授窪田好男君及び新潟大学助教授桜内文城君をお呼びし、会計検査制度と国会との関係を中心に、財政について御意見を聴取いたしました。
会議における参考人の意見陳述の詳細につきましては小委員会の会議録を御参照いただくこととし、その概要を簡潔に申し上げますと、
窪田参考人からは、
まず、政策評価が近年注目される背景として、アカウンタビリティーの重視、政策の効果等が不確実な中での政策決定の必要性、行政監視等の重要性が挙げられるとの御指摘がありました。また、国会の政策評価機能の強化を図る平成九年の民主党の行政監視院法案の提出、廃案の経緯等について御説明がありました。
その上で、国会独自の立場から政策評価を行うためには、国会みずからがデータを収集し、省庁から提供されたデータを国政全体のかじ取りという国会独自の観点から分析することが野党のみならず与党にとっても必要であり、国会附属機関として、議員の政策評価に係る活動を専門的立場から補佐する機関を設置すべきであるとの御意見が述べられました。
さらに、憲法改正によって参議院を決算審査、政策評価のための院にするという改革案につきましては、参議院の選挙制度のあり方や地方分権と二院制の関係等を踏まえ、慎重な検討が必要であるとの意見が述べられました。
桜内参考人からは、
国民は委託者として受託者である政府に対して納税を行うと同時に政府の財政活動の受益者として位置づけられるが、財政立憲主義の形式的な適用だけでは、将来世代を含む受益者たる国民の利益を守ることはできず、財政運営上の意思決定者、すなわち現役世代の受託者責任を明らかにすることを通じてパブリックガバナンスを強化し、その利益を保護すべきであるとの意見が述べられました。
具体的には、公会計制度の整備、財政規律の確保、行政評価との連携、予算を経常的収支勘定と中長期的な影響の大きい資本的収支勘定とに区分する複会計予算制度等の導入、財政面における国家緊急権の明記などが必要であると御指摘された上で、二院制、会計検査制度との関連では、将来世代の利益を反映するという観点から、参議院を特定の選挙区を持たない機関とすること、中長期的な財政運営に係る参議院の予算編成権限を強化すること、会計検査院を中立性を保ちつつ国会に属する機関とすることが考えられるとの見解が示されました。
このような参考人の御意見を踏まえて、質疑及び委員間の自由討議が行われ、委員及び参考人の間で活発な意見の交換が行われました。決算審査と参議院改革、会計検査院のあり方、政策評価機関のあり方、財政システムを見直す必要性等についてさまざまな意見が述べられました。
会議を通じての小委員長としての感想を申し上げれば、
複雑な社会経済情勢に迅速かつ適切に対処する必要性から、政策に対する需要が拡大する現代において、厳しい財政事情のもと、国や自治体にはシビアな政策選択が迫られており、政策評価、財政システムの見直しが重要となっていることを改めて認識いたしました。このような状況のもと、政策判断に責任を負う我々国会議員の果たすべき責務の重さに思いをいたしますとともに、政策評価を支えるという観点から、国会事務局のあり方についても検討する必要性を感じました。
今回のテーマである財政の問題は、まさに統治機構のあり方そのものに直接かかわる問題であると考えておりますが、今後とも、さまざまな角度から日本のあるべき姿を考えてまいりたいと思っております。
以上、御報告申し上げます。